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2019年11月21日の日経概況

2019年11月21日の東京株式市場は続落しました。
終値は前営業日比109円99銭(0.48%)安の2万3038円58銭でした。
米中貿易合意関連では来年にずれ込む可能性があると報道され、
下落した米国市場の流れを引き継ぎ、日本市場は大きく下げる展開になりました。
400円を超える下げ幅を見せた後は、
中国側からポジティブな発言が出ることで下げ幅を急速に縮小させてから
3営業日連続の3桁下落で引けました。
本日も最後までしっかりお読みください。

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【米国市場の動向】

米国市場は下落しました。
ダウ工業株30種平均は2営業日続落して、
前営業日比112ドル93セント(0.4%)安の2万7821ドル09セント、
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落して
前営業日比43.926ポイント(0.5%)安の8526.732で取引を終えました。

いつもの通り、米中関係に関連するニュースで市場が動きました。
貿易摩擦に関しては、「年内の合意はずれ込むからも知れない」
「貿易協議は行き詰まる危険がある」などの報道が流れたことが
投資家心理を冷やしました。

米国上院で「香港人権・民主主義法案」が可決されたことは、
中国政府から内政干渉に当たる反発を招き、
下げ幅は250ドルに達する場面がありました。

午後2時に発表された10月FOMCの議事要旨で
低金利政策が続くと受け止められる内容が盛り込まれており、
下げ止まった後は下げ幅を縮小させながら引けました。

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【日本市場の動向】

日本市場は前日のニュースで米国市場が下落したことを受け、
下げ幅を深めました。
貿易摩擦関連の悪材料、
米国上院で「香港人権・民主主義法案」が可決されたことなどは、
米中の関係にめぐって先行き不透明感を高め、
投資家心理を大きく悪化させました。

朝方の下げ幅は400円を超えるところまで拡大、
下げ渋る展開が前引け前まで続きましたが、
276円54銭(1.19%)安い2万2872円03銭で前場を終えました。

午後に入ってから下げ幅はさらに縮小、
中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相が「第1段階」の合意に対して楽観的だと
発言したとブルームバーグ通信が下げ渋りの材料になりました。

東京エレクトロン、アドバンテストなどの半導体、
電気機器の下落が大き、上記の2銘柄のみで日経平均を30円以上押し下げました。
一方、不動産、建設、陸運などの
内需・ディフェンシブ業種が買われました。

商いは2兆円を回復しました。
東証1部の売買代金は概算で2兆1575億円、
売買高は13億5372万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1388、
値上がりは680、変わらずは86銘柄でした。

日経の日足は変動性が高まる形を形成、
長い下ヒゲを持つ短陰線で引けました。
安値は22,726円まで進み、一目均衡表の転換線や
ボリンジャーバンドの-1σが支えになって止まりましたが、
23,000円を大きく割り込む動きが出たことは
投資家心理を悪化させる流れとして働く可能性が高いでしょう。

前日は11/14の安値、23,000円、
23,000円に近づいている25日線など、
支えられる要因はいくつかあり、
ここで下げ止まるかが確認ポイントと解説しました。

一旦、23,000円と25日線まで戻して終わったので
支えられたとみえなくもないですが、
形は完全なる下落なので、明日は本日の安値をさらに割り込むか、
その動きが注目されます。

ここで切り返すと支えられたと解釈され、
まだ上昇トレンドに早く戻る可能性は残るでしょう。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

薄くなった氷がついに割れたのでしょうか。
外部要因によって形成された上昇相場は
やはり外部要因によって押される展開になりました。

米中貿易関連では、年内は難しいことや
内政干渉にあたると非難される人権法の可決など
近い将来には解決しそうにない不透明要因が押し寄せた結果です。

一方、流しっぱなしにしているCNNで朝からずっと話題になっていたのは
トランプ氏の弾劾に関連するニュースでした。
駐EU米大使がウクライナ関連のスキャンダルで、
見返り要求は「大統領の明確な指示」だったと、
公聴会で証言したことで
(https://edition.cnn.com/2019/11/21/politics/donald-trump-impeachment-gordon-sondland-today/index.html)
爆弾が落とされたような騒ぎになりました。

現実的に弾劾される可能性は低いとしても、
CNNの表現通り、”災難まみれの日(Disastrous day for Trump)”から
予想される騒ぎを、トランプ氏が今までの通り
無事にくくり抜けることができなければ
再選レースにはレッドライトが灯ることになるでしょう。

市場はもちろん変動性の高まりを経験することになるので
短期トレードに徹するか、しばらく市場から離れるかの
選択を責められることになりかねます。

世界の市場を揺るがす事態に発展するのか、
昼のワイドショーなみの一時騒ぎになるのか、
注目が集まります。

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【各市場の動き】
日経平均(円)
23,038.58     -109.99(-0.48%)
ドル・円
108.57 – 108.58   +0.14(0.12%)
ユーロ・円
120.26 – 120.30   +0.25(0.20%)
ユーロ・ドル
1.1076 – 1.1079   +0.0008(0.07%)
NYダウ工業株30種(ドル)
27,821.09      -112.93(-0.40%)
S&P500種
3,108.46      -11.72(-0.37%)
ナスダック
8,526.732     -43.926(-0.51%)

ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
TBLのホームページでご覧頂けます。

http://www.tbladvisory.com/topics/

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