2019年12月4日の東京株式市場は続落しました。
終値は前営業日比244円58銭(1.05%)安の2万3135円23銭でした。
中国との合意に期限を設けないとの発言で米国市場が下落、
1ヶ月ぶりの安値を記録したことが日本市場にも影響することで
午前中は300円以上を下げるところまで押されました。
午後に入ると冷静に先行きを見守る必要があるとの意識から
底値は固く、パニック的な売りまでに至りませんでした。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は3営業日続落しました。
ダウ工業株30種平均は3営業日続落して、
前営業日比280ドル23セント(1.0%)安の2万7502ドル81セント、
ナスダック総合株価指数も続落して
前営業日比47.344ポイント(0.6%)安の8520.643で取引を終えました。
米中貿易関連、新興国への追加関西など
リスクが高まる材料が出たことが嫌気されました。
中国の合意について、トランプ氏が「期限を設けてない」と発言、
問題が長期化して、世界景気への影響が長引くと懸念されました。
前日に出てきたアルゼンチンやブラジルなど
新興国に追加関税を課する可能性も継続して懸念され
ダウは1ヶ月ぶりの安値を記録しました。
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【日本市場の動向】
日本市場は前日、米国市場が米中関係悪化の
長期化が懸念されたことを受け、売りが先行して
スタートしました。
それに加えて、米下院が中国の少数民族ウイグル族弾圧に
制裁を科す、ウイグル人権法案を賛成多数で可決させたことが、
中国側の反発を買いました。
下げ止まる様子はなく、午前中は300円の下落まで進みましたが、
ここまで外部要因で振り回された経験から
冷静になる投資家心理も目立ち、
底値は固く維持され、下げ幅を縮小させながら終わりました。
中国での売り上げが高い資生堂が大きく下げたのが目立ち、
その他ファナックなどの機械、精密機器、電気機器部門も
売りに押されました。
一方、不動産、建設、陸運などの内需系が
買われ市場を支えました。
商いは節目の2兆円を突破しました。
東証1部の売買代金は概算で2兆673億円、
売買高は10億8504万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は866、
値上がりは1170、変わらずは121銘柄でした。
2兆円を超えは6営業日ぶりです。
日経の日足は長い下びげをもつ短陰線を形成しました。
前日の終値から下離れしてスタート、
実体が離れるギャップをあけて、
調整入りが鮮明になりました。
前日の安値では25日移動平均線に支えられ、
希望が残る形でしたが、
本日の下げで調整を余儀無くされる流れになりました。
下ヒゲが長いことから前日の解説
「逆に本日の安値を切り下げると
下げが当分加速しますが、
内部要因としては下げる要因があまり見当たらないので
底値は固いと予想します。」の通り、底値は固く推移したと言えますが、
節目にあたる23,000円をキープするのかが確認のポイントになります。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
前日は新興国への追加関税などリスク要因の台頭、
為替市場の動向も一緒にチェックしながら
市場をチェックする必要があると説明しましたが、
本日は早速円高傾向が強まる要因が広がりました。
短く調整に入ってから、円安傾向に戻る、
これが2019年の9月からの動きでしたので、
本日の円高まで考慮すると、再び切り返す動きになる可能性もあり、
午後に入って底値が固く維持されたことをその要因を反映していると考えられます。
しかし、15日に迫ってきた追加関税「第4弾」が
合意に至らず発動されると、ほぼすべての製品が含まれるため、
影響はより大きく、景気への影響、円高の深化は避けられないでしょう。
再選に向けて15日の前に劇的に合意に漕ぎ着け
支持率を上げるというのがトランプ氏の作戦だとは思いますが、
うまくいかなかった場合のインパクトにも備えておくべきでしょう。
2018年、12月の動きはそれを示唆しています。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
23,135.23 -244.58(-1.05%)
ドル・円
108.53 – 108.54 -0.56(-0.51%)
ユーロ・円
120.20 – 120.24 -0.63(-0.52%)
ユーロ・ドル
1.1075 – 1.1078 -0.0001(0.00%)
NYダウ工業株30種(ドル)
27,502.81 -280.23(-1.00%)
S&P500種
3,093.20 -20.67(-0.66%)
ナスダック
8,520.643 -47.344(-0.55%)
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