2019年1月4日の東京株式市場は大幅に続落しました。
終値は前営業日比452円81銭(2.26%)安の1万9561円96銭でした。
株式市場における数々の記録を塗り替えた2018年でしたが、
大発会での下落も2016年以来の記録となりました。
アップルショックが新年から世界を揺さぶり
日本市場だけでなく、アップル関連の主要メーカを有する
アジア市場が大きな影響を受けました。
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【米国市場の動向】
日本の新年連休の間、米国市場は2日から取引がスタートしました。
2日の米国市場は小幅の続伸。
朝方は中国の経済指標が悪化したことを受け、
400ドルの下げ幅まで進みましたが、
貿易摩擦に対する期待感で変われるなど、変動性の高い動きになりました。
3日の米国市場は大幅な下落となりました。
ダウ工業株30種平均は大幅に下落して、
前営業日比660ドル02セント(2.82%)安の2万2686ドル22セント、
ナスダック総合株価指数も大きく下落して
前営業日比202.434ポイント(3.0%)安の6463.504で取引を終えました。
2日にアップルが2018年10~12月期の売上高予想を下方修正しました。
主力機種のiPhoneの中国販売が振るわなかったことが
原因で、関連銘柄に売りが広がりました。
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【日本市場の動向】
2019年大発会を迎えた日本市場は米国市場のショックを受けました。
アップル1銘柄だけでダウを100ドル下げたことを受け、
日本市場も大きく売りが先行してスタートしました。
アップル関連として分類されるほぼすべての銘柄に売りが膨らみ
精密機器、機械、電気機器など
ハイテク関連の業種に大きく売りがかさみました。
3日は一時的に104円など円高が進み
輸出関連銘柄に売りが出たことも
下げ幅を広げる要因となりました。
東証1部の売買代金は2兆7718億円、
売買高は15億5130万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1475、
値上がりは598、変わらずは56銘柄でした。
日経の日足は前日の日足から下離れしてスタート、
その方向に進んで陰線を形成しました。
2018年の12/26が底打ちとして考えられましたが、
20,000円が抵抗に変わった形になり、
下降トレンドの継続になりました。
昨年末は「20,000円をまたがって終わったことは
上にも下にも振れることなので
まだ安心するには至っておりません。」と解説、
下に振れる流れで顕在化しました。
2018年の12/26の安値が19,000円までも割り込んだので
それをさらに割り込んだら下げは加速し、
20,000円は確実に抵抗として変わるでしょう。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
3日の市場で目立つ動きは円相場でした。
日本時間の3日の午前7時半すぎ、
1ドル=108円台後半で形成されていた円相場が、
わずか1分程度で4円もの急騰を見せました。
2日に発表されたアップルの業績下方修正見通しが
市場を揺さぶる中、景気減速に対するリスク回避で円が買われたのが原因ですが、
それだけでは説明がつかないほどの振れ幅です。
犯人は極端な薄商いとAI、
年始で市場参加者がほとんどいない中、
円高の流れを受けたAIが連鎖して円買いの注文を発注、
円売りで対応する投資家がいないことがそのまま上げ幅として反映されるに至りました。
終わってみれば結局107円台ですが、
これは2019年以降の世界を暗示する出来事でもあります。
一つの方向性が発生するとAIやアルゴリズムトレードなどの
自動化された仕組みがその方向性を増幅させる傾向は強まっていくでしょう。
その中で個人投資家たちはどのように行動していくべきか。
2019年も年間を通じて適切なタイミングで
適切な内容を発信していきながらサポートします。
2019年もよろしくお願いします。
さて、新年早々大きなショックが襲ってきましたが、
アップルのビジネスモデルが変化してしまった現在、
大きな革新を見せない限りは懐疑的な見方は変わらないでしょう。
明確な転換サインが出るまで買いは控えて、
内需関連を中心として考えましょう。
銘柄の割合は空売りを中心として対応するのが当分がよいでしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
19,561.96 -452.81(-2.26%)
ドル・円
107.83 – 107.84 -2.56(-2.31%)
ユーロ・円
122.94 – 122.98 -3.50(-2.76%)
NYダウ(ドル)
22,686.22 -660.02(-2.82%)
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