2019年3月1日の東京株式市場は反発しました。
終値は前営業日比217円53銭(1.02%)高の2万1602円69銭で終えました。
2018年12月13日以来、約2カ月半ぶりの高値を記録しながら
今週の取引を終えて、来週以降の動きに期待をもたせました。
懸念されていた米朝首脳会談の決裂要素は反映されず、
円安と中国経済指標の好調な結果が優先されました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続落しました。
ダウ工業株30種平均は3日続落して、
前営業日比69ドル16セント(0.3%)安の2万5916ドル00セント、
ナスダック総合株価指数は反落して
前営業日比21.977ポイント(0.3%)安の7532.532で取引を終えました。
上昇を続けてきた分、利益確定が出やすい位置にあることが続き
売りが出た他、米朝首脳会談が決裂したことも
地政学リスクの意識につながり、下げを続けました。
2018年10~12月期の実質国内総生産(GDP)が、
市場予想を上回る前期比年率2.6%増になり
朝方は上昇する場面もありましたが、
マイナス材料が大きく反映されました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米中の貿易摩擦で中国の景気減速が
懸念されながらも好調な経済指標が発表された結果、
買いが先行してスタートしました。
国内では企業の設備投資が増加、
中国のPMIが改善されるなど
景気減速懸念を軽減する材料が並び市場を押し上げました。
米朝首脳会談の結果は思ったほど米国市場に影響せず、
日本市場にも限定的な範囲に止まりました。
水産・農林、不動産、小売業などの内需・ディフェンシブ株が
引き続き好感され、
中国関連の多い精密機器も好調な動きになりました。
一方、前日に続き非鉄金属が売られ、
鉄鋼、海運業も厳しい動きになりました。
様子見ムードがまだ強い中で積極的な売買は見られず、
東証1部の売買代金は2兆623億円、
売買高は11億4848万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1180、
値下がりは859、変わらずは91銘柄でした。
日経の日足は短い上ヒゲを持つ陽線を形成しました。
短い調整を終えて上に向かってトレンド転換する流れを作り
来週以降は本日の高値を上に抜けると
強い上昇トレンドを継続することを示しています。
上昇を継続する場合は、22,000円と200日移動平均線が
同じ位置に重なるタイミングになるので、
一回抵抗に会うことが予想されます。
週足では2週連続で実体が上放れするギャップを形成、
高値では26週移動平均線と上雲の先行スパン2に
抑えられる動きを見せました。
次の上昇のためにはこちらの抵抗を突破することが必要そうです。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
今週は先週末に予想さいた通り、
上げ下げの波乱含みの展開でありながら、
週間ベースでは上昇しながら終わりました。
米朝の首脳会談結果が大きな波乱なく終わったことで
地合いの強さが認識され、
むしろプラス要因が目立つ可能性が高くなる1週間でした。
来週末は米国の雇用統計が控えており、
週後半になるほど動きづらい動きが予想されますが、
大きく売り込まれる要因も見当たらず
堅調な動きが続くと予想されます。
本日の上昇要因の1つになったドル高・円安基調は
来週も続くことが予想されますが、
減速が懸念される中国の貿易収支が雇用統計と同日に
予定されていることや3月に開始が予定されている
日米の通商交渉などは一方的なドル高を牽制する要因になります。
逆に、上記の要素がポジティブな結果になる場合は
市場全体がお祭り雰囲気になることが予想されます。
本日注目された値嵩株に少しずつ関心を持っていくタイミングです。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
21,602.69 +217.53(1.02%)
ドル・円
111.77 – 111.78 +1.02(0.92%)
ユーロ・円
127.09 – 127.13 +1.04(0.82%)
NYダウ(ドル)
25,916.00 -69.16(-0.26%)
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