2019年3月8日の東京株式市場は4営業日続落しました。
終値は前営業日比430円45銭(2.01%)安の2万1025円56銭で終えました。
投資家心理がさらに悪化、1/4の下げ幅以来、
今年2番目の下落幅を記録しました。
米国市場が4日続落、中国の経済指標が悪化したことなど
景気の先行きに対する不透明感が高まりました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は4営業日続落しました。
ダウ工業株30種平均は4営業日続落して、
前営業日比200ドル23セント(0.8%)安の2万5473ドル23セント、
ナスダック総合株価指数も続落して
前営業日比84.456ポイント(1.1%)安の7421.464で取引を終えました。
ダウ工業株30種平均は2/14以来の安値
ナスダック総合株価指数は2/13以来の安値を記録しました。
7日に開かれたECB理事会で2019年末まで
利上げ開始はないと発表され、金利が低下
米国の長期金利も低下したことで銀行などの金融銘柄に売りがでました。
貿易摩擦の緩和に対する期待から
中国関連銘柄が買われてきた分、
売りも強くでてキャタピラー、ボーイングなどが厳しい動きになりました。
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【日本市場の動向】
日本市場はECB理事会結果を材料に下落した
米国市場の4日続落を受けて、大きく売りが先行してスタートしました。
2月の中国貿易統計は輸出が大幅に減少するなど、
世界の景気に対する見通しが不透明になり
投資家心理が大幅に悪化しました。
リスクの増大を受けて為替市場では円高いが進み、
112円目前まで行っていたレートが111円前半まで押されました。
33業種全業種が下げる全面安の展開になる中、
保険、証券、銀行、その他金融業などの金融セクターが軟調、
海運業も厳しい売りに押されました。
投げ売りが出ることで商いは3兆円に迫る勢いで増加しました。
東証1部の売買代金は2兆9252億円、
売買高は16億7283万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は2003、
値上がりは107、変わらずは23銘柄でした。
日経の日足は4日連続で前日の終値から下放れしてスタート、
4回の空を形成しました。
前日は”テクニカル指標をみるとRSIやサイコロジカルラインなどの
オシレーター系指標が50付近で、
まだ売られる過ぎの領域まで進んでないことがさらなる下落もあることを示しています。”
解説しましたが、その通りの動きで目立つ動きになってきました。
節目となる25日線、75日線はもちろん、
支えになる21,000円も取引時間中に一時割り込みました。
来週はここから反転するか、2/15の安値を割り込むかを確認する必要があり、
2/15の安値を割り込むとさらなる調整が続きます。
ここからの反転はあげやすくなる位置ですが、
投資家心理が悪化していることが懸念事項です。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
前日は雇用統計の結果待ちで様子見が続きとは
解説しましたが、思った以上に押される展開でした。
要因は世界景気の先行きに対する懸念です。
米中貿易摩擦の結果は数字に反映され、
減速懸念が強まりました。
油を注ぐようにECBでは2019年のユーロ圏の経済成長率見通しを
1.7%から1.1%へ引き下げました。
景気の懸念に勝つ方法はありません。
ある意味下がるのは当然ですが、
来週はこれを織り込み済みとして反転を見せてくれるかです。
一つ気になる数字は米国債の利回りで
米国債2年の利回りが2.47%、米国債5年の利回りが2.43%と
いわゆる長短逆転(逆イールド)が起きています。
(3月8日15:53のデータ、Bloomberg提供)
さらに米国債10年の利回りが2.63%と2年と10年の差は
0.16まで縮小しています。
このまま進み、10年と2年の利回りまで逆イールドを起こすと
心理はさらに悪化、市場からリスクを回避、資金の流出が加速する
恐れがあります。
今は良好な雇用統計結果をみて「予想を上回ったから大丈夫」のような
対症療法に依存する場面ではないかも知れません。
今週の月曜日に私が発信した戦略を思い出してください。
「その意味では、私は警戒心を少しずつ増やして
買われ過ぎの銘柄を物色し、リストに登録する
行動を続けています。
引き続き主力銘柄に注目しますが、精密機器などの
中国関連銘柄には過熱感も見られていることに注意しましょう。」
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【各市場の動き】
日経平均(円)
21,025.56 -430.45(-2.01%)
ドル・円
111.06 – 111.07 -0.72(-0.64%)
ユーロ・円
124.36 – 124.40 -2.03(-1.60%)
NYダウ(ドル)
25,473.23 -200.23(-0.77%)
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