2019年5月8日の東京株式市場は大幅に3日続落しました。
終値は前営業日比321円13銭(1.46%)安の2万1602円59銭で終えました。
米中貿易摩擦が円満に解決する期待が薄れたことを受け
米国市場が大きく続落、日本市場もその流れを継ぎました。
円相場は109円台と円高がさらに進むことで下げ幅が拡大、
投資家心理が冷え込む中、全業種が下落する厳しい動きに終始しました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は大幅に続落しました。
ダウ工業株30種平均は反落して、
前営業日比473ドル39セント(1.8%)安の2万5965ドル09セント、
ナスダック総合株価指数も続落して
前営業日比159.533ポイント(2.0%)安の7963.756で取引を終えました。
ダウ工業株30種平均は3月29日以来の安値
ナスダック総合株価指数4月11日以来の安値を記録しました。
トランプ氏のツイッターに続いて
米通商代表部のライトハイザー代表も
追加関税を10日から25%に引き上げると表明、
交渉難航が現実味を浴びてきました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場の大幅な続落を背景に
大きく売りが先行して、前日の終値から下離れしてスタート、
円相場が109円と円高にさらに進むと下げ幅を拡大しました。
前日比400円安まで進んだ後は2日に渡る大きな下落から
押し目を拾う動きも見られましたが、
投資家の心理は冷え込み、
大きな調整を余儀なくされました。
33全業種が下落し、特に精密機器、化学、機械などの
景気敏感株に厳しい売りが見られました。
一方、その他金融業、保険業、銀行業などの
金融関連業種には比較的に物色の資金が向かいました。
東証1部の売買代金は2兆7476億円、
売買高は14億9623万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1804、
値上がりは287、変わらずは49でした。
日経の日足は下離れしてスタート、
そのまま下落するギャップ明けの陰線を形成しました。
安値ではボリンジャーバンドの-1σまで進んでから
戻しましたが、高値は一目均衡表の基準線に押されて、
両方に挟まれた状態で終わりました。
これでアイランドリバーサルになり、
調整がさらに進む可能性が出てきました。
さらに下がると先行スパーン1と75日線が重なっているところが
支えになるポイントですが、ここで止まってくれるか、
確認して次の戦略に入れる必要がありそうです。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
“これは一時的な下げでしょうか。”
昨日から今日に渡って多く寄せられた質問ですが、
要因としはアクシデントではりますが、
長引く可能性があると考えるのがよいでしょう。
連休前の相場は4月25日に年初来高値を更新するほど
強い動きを見せましたが、この上昇の要因には
米中問題が円満に解決されるだろうという
期待を織り込んだのも入っていました。
その前提が覆ったので、大きく調整が入ったのも当然で
ワシントンで開かれる米中閣僚級貿易協議が
ポジティブな方向に進まないか、
むしろネガティブな結論を出して場合は
今の調整が短く終わることはないでしょう。
前日は「リスクの高まりによる債券価格の上昇(利回りの低下)を考えると、
運用成績の改善が期待される保険、銀行などの金融関連に注目です。」と解説、
全業種が下落する中でも金融関連は物色されるものが散見される
頑張り具合でした。
今週末まではこの戦略を維持すると共に
円高の影響を受けやすい景気敏感株や輸出関連には慎重になる見方を
持ち続けてください。
明日は短期的な下落からくる反動を挟む可能性がありますが、
ワシントンの結果までは様子見か売りを優先する動きが優勢になるでしょう。
逆に反転する際は大きく下落しながらも安値を保っている
精密機器などが短期的に切り返してくるので
空売りは短期勝負に徹するようにしましょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
21,602.59 -321.13(-1.46%)
ドル・円
109.99 – 110.00 -0.66(-0.59%)
ユーロ・円
123.16 – 123.20 -0.71(-0.57%)
NYダウ(ドル)
25,965.09 -473.39(-1.79%)
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