2018年7月9日の東京株式市場は続伸しました。
終値は前営業日比264円04銭(1.21%)高の2万2052円18銭でした。
好調な雇用統計の結果を受けて米国市場が上昇、
アジアでは中国市場が安定的な動きになったことも
安心材料として相場を押し上げました。
テクニカル的な節目を軽く突破しましたが、
やはり節目が2つ重なるポイントに近づいていることは懸念事項です。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続伸しました。
ダウ工業株30種平均は続伸して
前営業日比99ドル74セント(0.4%)高の2万4456ドル48セント、
ナスダック総合株価指数も続伸して
前営業日比101.960ポイント(1.3%)高の7688.387で取引を終えました。
上昇要因と上値を抑える要因がぶつかり会う相場でした。
ポジティブ材料はまず雇用統計の結果で、
市場予想の19万人を超え、21万人
2月はマイナスの要因にもなりましたが、
平均賃金の伸びが予想より緩やかだという事実を受けて、
利上げのフェーズが緩まるとの見方で市場は上昇を続けました。
ただし、米中の貿易摩擦をめぐる先行き不透明感は
まだ解消されることなく、
積極的な上昇を誘うまでには至りませんでした。
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【日本市場の動向】
日本市場は先週の自律反発の後、悪材料がこれ以上でなかったことで、
その勢いを引き継ぎました。
米国市場が好調な雇用統計を背景に幅のある上昇になったことや
CME先物が上昇したことを受け、
前日の終値から上放れしてスタート、
大きく戻すことなく上昇して引けました。
また、日本市場と共に厳しい動きを強いられた
中国などアジア市場も悪材料出尽くし感から
好調な動きになったことが上昇幅を高めました。
その他金融業、医薬品、金属製品が強く上昇、
特に証券会社のレーティング引き上げを受けたエーザイが
2日連続のストップ高で医薬品・消費材だけでなく
市場全体を盛り上げました。
日経の日足は上下ヒゲを持つ中陽線を形成しました。
実体が前日の実体から離れ、テクニカル的な形では
窓をあけて上昇したことになります。
最初の壁として意識される22,000円を軽く超えて、
次の壁に向かう動きです。
すぐ上には75日線が上向きから横ばいに転換しながら
立ちはだかる一方、25日線が下向きで接近しています。
先週の高値を超えたので、トレンド転換の買いパターンは
成立しましたが、75日線と25日線の壁を早期に突破できず、
抵抗に会う形で反転下げになると
再び下げモードに変わり、
さらに加速されることが懸念されます。
大幅な上昇にも関わらず、商いは盛り上がらず
東証1部の売買代金は2兆415億円、
売買高は12億2088万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1649、
値下がりは390、変わらずは60銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
週末の間には西日本を中心とした水害の悪影響についての
相談が複数入りました。
悪影響を受けることが予想される業種などに関する相談は良しとして、
「どこを空売りすれば儲かるでしょうか?」など、
人の不幸を自分の利益にしようとする質問には
永遠に答えないので、今後も謹んでください。
結論としては、悪影響は限定的で、
むしろ上昇したことですが、これは先週末に解説した通りです。
ただし、気になるところは2兆円をやっと超える商いで、
強い上昇に向かうというよりは次の抵抗に会いにいくという匂いがします。
日経平均の1.21%上昇に対して、
小型は1.34%、マザーズが2.28%と、
商いを伴わない上昇局面では
小型へのシフトと、底を打ったと思われる新興市場に
資金が向かい易いので、当分は材料の出た銘柄を中心に
個別銘柄の物色局面が続くでしょう。
連日のストップ高で人銘柄で日経を55円引き上げたエーザイが
典型的な例で、材料の出た銘柄にはさらに資金が回ってきます。
先週に引き続き医薬品部門は注目で、
反転を見せる電気機器、精密機器なども短期的な注目に値します。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
22,052.18 +264.04(1.21%)
NYダウ(休場)
24,456.48 +99.74(0.40%)
ドル・円
110.47 – 110.48 -0.10(-0.09%)
ユーロ・円
130.01 – 130.05 +0.62(0.47%)