2018年7月27日の東京株式市場は反発しました。
終値は前営業日比125円88銭(0.56%)高の2万2712円75銭でした。
米欧の貿易摩擦軽減を受けて、
米国市場が5ヶ月ぶりの高値を形成、日本市場もその流れを引き継ぎました。
上げにくい相場との予想から、上昇して今週の取引を終えましたが、
主要なイベントが続く来週は材料に敏感に反応する相場が予想されます。
強い上昇が始まる4つの要素を含め、
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続伸と反落、まちまちな動きになりました。
ダウ工業株30種平均は3日続伸して
前営業日比112ドル97セント(0.4%)高の2万5527ドル07セント、
ナスダック総合株価指数は続落して
前営業日比80.054ポイント(1.0%)安の7852.185で取引を終えました。
ナスダックは前日、フェイスブックの上昇で
史上最高値を更新しましたが、
今度は同銘柄が20%の急落になったことから
押し下げられました。
ダウ工業株30種平均は米欧の会談結果で
貿易摩擦が緩和されるとの見方が広がり
投資家心理が改善、2月下旬以来の高値水準を引き上げました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場が5ヶ月ぶりの高値を形成したことを受け
買いが先行してスタートしました。
買いが先行したものの、前日の終値を挟んでの動きが続き、
来週のイベントに備える動きで終始するかと思う矢先、
為替市場で111円台と円安の方向に振れると
上げ幅を拡大しました。
しかし、来週の主要なイベントを見極めたい雰囲気は強く、
前日の高値まで進むと、超えることができず、
3桁の上昇を確保するところに意味を置きながら
今週の取引を終えました。
化学、鉱業、ゴム製品などが買われ、
米国市場で半導体関連銘柄に買いが進んだことを受け、
日本でも精密機器部門に買いが進みました。
日経の日足は下ヒゲを持つ陽線を形成しました。
前日の安値は切り上げ、高値を切り下げたので
終値で上昇でも形では持ち合いになりました。
始値がボリンジャーバンドの+1σと
一目均衡表の転換線が重なるところでスタートして、
陽線になったので、この2線が支える形です。
来週は業績発表と日銀の金融政策会合の
ファンダメンタルに支えられ、
前日の高値を超えてくると強い上昇トレンドを形成する流れです。
週足では3週連続の陽線にはなりましたが、
高値と安値は切り下げたので、
週足上での勢いは弱まることを暗示しています。
東証1部の売買代金は2兆1679億円、
売買高は13億8133万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1398、
値下がりは623、変わらずは80銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
今週は前半大きく下落、
その後回復向かう動きになりました。
来週は主要なイベントが揃っているので、
イベントにより上下する動きが予想されます。
7/30-31は日銀金融政策決定会合、
7/31-8/1は米国のFOMCと、金融政策の行方を示す
イベントが重なっています。
今回の特徴は珍しく日銀金融政策決定会合の方が注目すべきということです。
「黒田バズーカ」という言葉に現れるように
市場との会話を考慮しなかった中央銀行の姿勢は
会話型に変わっており、前日のETF買い入れの比率変更など
事前に議題が少しずつ市場にでるというのは
FOMCを巡って米国でよく見られた形です。
長期の金融緩和で副作用が懸念する声が強くなってきた現在、
金融政策の変化(仮に日本の長期金利上昇を加速させるなど)が
明確にしめされると、円高が急速に進み
為替市場、株式市場とも波乱要因になります。
その衝撃を緩和するために、今の「対話型」は
市場に織り込みを催していると推測されます。
すべてうまくいくシナリオーは
1.円高を加速させない程度の内容が発表され
2.企業業績がしっかり
3. 米国の業績も堅調であることが出揃う上
4.貿易摩擦に関する新たな波乱材料が出ない
4つがすべて揃うことは相当難しい上に、
裏返してみると4つの要素はそのままリスク要因にもなります。
来週の物色としては堅調な業績結果を持ち、
本日決算が好感され大きく上昇した花王のように
為替の影響を受けにくい銘柄に注目します。
また、米国で堅調な動きを示した半導体関連にも
注目する価値はあるでしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
22,712.75 +125.88(0.56%)
NYダウ(ドル)
25,527.07 +112.97(0.44%)
ドル・円
111.13 – 111.14 +0.44(0.39%)
ユーロ・円
129.41 – 129.45 -0.40(-0.30%)