2018年9月3日の東京株式市場は続落しました。
終値は前営業日比157円77銭(0.69%)安の2万2707円38銭でした。
NAFTA交渉が結論なしに終わって、貿易摩擦リスクが意識された
米国市場でダウが小幅の続落、日本はその流れを引き継ぎました。
円安が進む場面もありましたが、円安の一服と
アジア市場も軟調に推移することから午後になると下げ幅は3桁で、
始値に近づくことなく下落しました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続落と反発、まちまちな動きになりました。
ダウ工業株30種平均は小幅に続落して
前営業日比ドル22ドル10セント(0.1%)安の2万5964ドル82セント、
ナスダック総合株価指数は反発して
前営業日比21.174ポイント(0.3%)高の8109.537で取引を終えました。
スムーズに行くと予想されていたカナダとのNAFTA協議は
意外と難航、31日に合意できなかったことで、
9月5日再交渉に持ち越されました。
協議難航に対するリスクオフで売りが進み、
小幅の下落で週末を迎えましたが、
アップルの好調ぶりが印象的なナスダックは
主力銘柄に買いが入ったことで反発しました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場が貿易摩擦関連で
下げたことで、輸出関連銘柄を中心に
幅広い銘柄が売りからスタートしました。
若干円安に振れることで、前日の終値付近まで頑張る姿も見られましたが、
上昇を継続させるほどの材料が見当たらず
中国やアジア市場が軟調に推移することや
円安が一服することが確認されると
始値を超えることなくほぼ一貫して下げて終わりました。
大きく崩れるような材料もないことから
下値は限定的でした。
電気機器、機械、鉄鋼などの輸出・景気敏感株に
売りが広がる一方、
水産・農林業、小売業、倉庫などの内需銘柄に資金がシフトしました。
日経の日足は下ヒゲを持つ陰線を形成しました。
終値では下落しましたが、前日の日足に包まれる持ち合いを形成、
下値が大きく崩れる様子にはならなかったのが支援材料です。
先週末に伝えた通り、上は23,000円、
下は75日線を挟んで上下しながら
外部の材料に左右される動きになりやすいので、
方向感はあまりないと思った方がよいでしょう。
月曜日は米国市場の休場であることから
商いは細くなり2兆円に届かなず、
東証1部の売買代金は1兆7989億円、
売買高は10億8303万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1630と、
値上がりは410、変わらずは65でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
内需銘柄に資金がシフトする一方、
本日の下落率をみると、 内需に属するはずの不動産業が
2位の座を占めています。
不動産関係を大きく沈没させたのは
信頼性の低下に追い打ちをかけるような不祥事が
連続しているからです。
スルガ銀行の不動産関連における不適切融資、
アパート経営プラットフォーム「TATERU」を展開する
TATERUが「顧客の預金通帳を改ざんし、
銀行に融資の申請をしていたことが31日、分かった」と報じられたことでストップ安、
どうやら不動産業界を巡っての雲行きは怪しさを増しています。
TATERUとスルガ銀行が業務提携をすると
不動産関連不適切融資の最強アベンジャーズが誕生するわけですが、
皮肉ばかり言っても仕方がないので、
結論からいいましょう。
地方銀行への投資を控えるということは昨年末の「2018年投資戦略」セミナーから
発信したことなので、目新しいことではありませんが、
活路を求めて増やした不動産関連への融資もこのような形で
裏目にでることから、不動産業界への投資にも最大限慎重になる必要があります。
くらい話ばかりではなく、買っていいものは?
貿易摩擦関連ニュースで揺れる今週は
内需型に注目するのがよいでしょう。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
22,707.38 -157.77(-0.69%)
NYダウ(ドル)
25,964.82 -22.10(-0.08%)
ドル・円
110.92 – 110.93 +0.12(0.10%)
ユーロ・円
128.89 – 128.93 -0.56(-0.43%)