2018年4月11日の東京株式市場は反落しました。
終値は前営業日比107円22銭(0.49%)安の2万1687円10銭でした。
米中の貿易摩擦に対する懸念が後退すると、
今度は地政学リスクの浮上です。
シリアの情勢が緊迫感を増していることが嫌気され、
買いが進んでいた内需関連銘柄への利益確定が進みました。
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【米国市場の動向】
米国市場は大幅に続伸しました。
ダウ工業株30種平均は大幅に続伸して
前営業日比428ドル90セント(1.8%)高の2万4408ドル00セント、
ナスダック総合株価指数も大幅に続伸して
前営業日比143.957ポイント(2.1%)高の7094.301で取引を終えました。
貿易摩擦について、中国側から緩和的な発言が出たことが
好感されたことで、厳しい動きになっていた
中国関連銘柄に買いが進みました。
また、アップル、アルファベットなどのIT銘柄が買われ、
原油高の動きを受けてエクソンモービルなどの
関連銘柄に買いが入ったことも市場を押し上げました。
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【日本市場の動向】
日本市場は寄り付きで買いが先行したスタートしたものの
新たなリスク要因が意識されてすぐ失速、マイナス圏に進みました。
米中の貿易摩擦に対する懸念は後退しましたが、
シリアの情勢が緊迫化する地政学リスクの高まりを受け、
投資家心理が悪化しました。
内需関連銘柄に注目が集まることで上昇を保ってきましたが、
本日より利益確定が大幅に進むことで
3桁の下落幅を見せながら本日の取引を終えました。
決算が意識され、Jフロントなど決算結果が期待に満たなかった銘柄には
厳しい動きが続きました。
小売、食料品、医薬品などの下げが目立ち、
精密機器も厳しい動きを余儀なくされました。
一方、石油・石炭製品が上昇率1位、
機械、電機機器の上昇も目立ちました。
日経の日足は上ヒゲを持つ陰線を形成しました。
下ヒゲがほとんどない状態で、高値は切り下げ、
安値は切り上げる保ち合いになりました。
75日移動平均線が下雲の中に入り、
下雲の先行スパン1とボリンジャーバンドの2σが重なりました。
これに加えて、22,000円も重なっていることになるので、
抵抗に会うことに注意が必要です。
東証1部の売買代金は概算で2兆5586億円、
売買高は15億3320万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1278、
値上がりは728、変わらずは76銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
内需銘柄には利益確定の動きが進みました。
買いを保持している場合は、
本日の動きで利益確定売りの設定を過ぎたはずです。
お疲れ様でした。
今週に入って気になるところは米国市場との乖離が
開き始めていることです。
428ドル上昇の米国市場の雰囲気を受けても3桁の下落、
振り返ってみると、金曜日の500ドルを超える下落に対して
日経は下値をしっかり保つ動きでした。
セクター別でも乖離は見られます。
アップルなど主力のハイテク関連銘柄に買いが入ったことに対して、
日本の精密機器は下落率トップです。
ヒントは乖離の中で、シンクロをみせるセクターで、
直近の原油高を受けて石油関連銘柄に買いが入るのは一致しています。
短期的には、内需を売って、石油・資源関連セクターに注目しましょう。
また、前日の戦略メルマガの銘柄解説で触れたように
タイミング的に底打ちの可能性が出てきた
電機機器にも継続して注目です。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
21,687.10 -107.22(-0.49%)
NYダウ(休場)
24,408.00 +428.90(1.78%)
ドル・円
107.07 – 107.08 +0.17(0.15%)
ユーロ・円
132.40 – 132.44 +0.60(0.45%)