2017年11月29日の東京株式市場は反発しました。
終値は前営業日比110円96銭(0.49%)高の2万2597円20銭でした。
米国市場の大幅な上昇を受け、買いが先行してスタートしました。
上値を切り上げる動きが期待されましたが、
北朝鮮がミサイルを撃つ地政学リスクの顕在化が
相場の重荷になりました。
半導体関連銘柄の連続した不調も相場を押し下げる要因となっています。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は大幅に続伸しました。
ダウ工業株30種平均は3日続伸して
前営業日比255ドル93セント(1.1%)高の2万3836ドル71セント、
ナスダック総合株価指数は反発して、
前営業日比33.837ポイント(0.5%)高の6912.358で取引を終えました。
金融関連銘柄で賑わいました。
次期FRB議長に指名されたパウエル理事が、
上院銀行委員会の公聴会で金融緩和に言及したことを受け、
金融関連銘柄は大いに盛り上がりました。
場中に北朝鮮のICBM級ミサイル発射という
事件もありましたが、反応は限定的で、
その落ち着きぶりが日本市場にも好影響を与えました。
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【日本市場の動向】
日本市場は外部環境のサポートでも
中々強気になれない相場になっています。
米国市場は3指標揃っての最高値更新という
好調ぶりでしたが、日本市場はその材料に十分答えられてない
上昇幅を見せました。
しかし、米国の首都まで狙える距離のICBMが
発射された中で、下げてないということは
下値を保ちながら上を目指という意味なので、
悲観する必要もなく、
上に跳ね上がるタイミングを待つと受け止めていいでしょう。
東エレクなど半導体関連銘柄には売りが続いているので、
高値掴みのポジションがある場合は
今のうちに切っておくのがよいでしょう。
前日に続き石油・石炭業種には売りが続き、
電気機器や海運業にも売りが広がりました。
一方、ゴム製品、保険業が買われ
上昇率トップに並びました。
日経の日足は上下ひげを持つ短陰線を形成しました。
上昇はしたものの、持ち合いの範囲を抜け出すことができず、
11/09をスタートとする三角持ち合いの中に収まりました。
持ち合いが煮詰まってきたところから、
上下大きく振れる可能性があることは
前日の解説でも触れましたが、
さらに煮詰まってきたので、
「動きがないからつまらない」ではなく、
緊張感を保って観察する時間帯です。
商いは活発になり3兆円近くまで迫ってきました。
東証1部の売買代金は概算で2兆8683億円、
売買高は17億183万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1501、
値下がりは477、変わらずは59銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
「北朝鮮がミサイル発射したとは言え、
ダウ255ドルで日経のこの上昇幅はなに?」
本日よく聞かれた感想です。
上げ幅が大きくないというのは
もちろん投資家が弱気になっているということで、
「好材料があっても買いが進まない」とは
よほど迷いが強いことを意味します。
投資家が戸惑っている大きな原因の一つは
半導体株の不調があります。
IoT, AIなど次のITをリードするにあたって欠かせない半導体関連銘柄は
ここまで相場を牽引してきたテーマです。
それが急変したのはモルガン・スタンレーが26日に発表した
一つの報告書からでした。供給増による受給バランスが心配されるとことから
半導体関連銘柄が総崩れ状態になっています。
今週に入ってから、銘柄のシフトについて話していますが、
このような要因からも、資金は別のところに向かうはずなので、
基本戦略は今までの通り、小型・中型へのシフトです。
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【各市場の動き】
日経平均(円) 22,597.20 +110.96(0.49%)
NYダウ 23,836.71 +255.93(1.08%)
ドル・円 111.41 – 111.42 +0.11(0.09%)
ユーロ・円 132.16 – 132.20 -0.16(-0.12%)