2017年1月12日の東京株式市場は大幅に反落しました。
終値は229円97銭(1.19%)安の1万9134円70銭でした。
米国市場が強気で上昇したにも関わらず、
トランプショックの再来が懸念されて進んだ円高を背景に、
大幅な調整を余儀なくされました。
急激に円安に引き返すような材料が見当たらない中、
ネガティブな投資家感情が広がりやすいので、
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は上昇しました。
ダウ工業株30種平均は上昇して、
前営業日比98ドル75セント(0.5%)高の1万9954ドル28セント、
ナスダック総合株価指数は7日続伸して 、
前営業日比11.831ポイント(0.2%)高の5563.650で取引を終えました。
ナスダック総合指数は5日連続の過去最高値更新です。
上昇はしたものの、トランプ氏の言動通り、
方向感に欠ける展開になりました。
それでもダウは20,000ドルの大台に迫ってくる勢いなので、
日本株もその恩恵に授かることができるのか、注目です。
(あまり期待薄ですが・・・)
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【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は米国市場の堅調な展開が支え要因になりそうでしたが、
市場はやはり円高の方に反応、
大きく下げてスタートしました。
当選後初となるトランプ次期米大統領の記者会見は、
材料になりそうな為替問題・インフラ投資には触れることもなく、
言論との戦い、ロシアとの両方な関係アピールなどに終始しました。
乱高下を生み出すトランプリスクが何一つ縮小されないことが確認され、
海外勢による円買いが進行、115円を抜けて、114円に近づきました。
午後になると円高基調が一段と強まり、
300円を超える下げ幅も見せましたが、
午後から日銀のETF買い期待が入ることで、
相場が支えられ、下げ幅を縮小させながら引けました。
東証1部の売買代金は概算で2兆3761億円、
売買高は20億700万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1600、
値上がりは327、変わらずは77銘柄でした。
全体の8割が下げています。
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【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は下ひげを持つ中陰線を形成しましたが、
上ひげはなし、強い下げの圧力が働いています。
支えになるであろうと思われた
25日移動平均線をあっさりと割り込み、
次の確認ポイントになる2016年大納会の終値も
安値で割り込みました。
心理的には悪化を呼ぶ形となっており、
円高訂正がない限りは一段と安値を割り込み、
調整が深くなることを示唆しています。
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【日本市場の総合分析:来週の展望と 今後の投資戦略】
年末と年初の相場展望では「トランプ氏の言動で
乱高下を挟みながら下値が支えられる動きになる」と
予測していましたが、乱高下を呼ぶような動きでした。
日本市場が最も気にしていた為替に関する言及や、
米国市場を支えるはずだったインフラ関連の政策説明など
期待された内容は何一つ盛り込まれてない、
ある意味見事に裏切ってくれなかった内容でした。
2016年1月も急激な円高基調を背景に
悪夢的な下げをみせたことを思い出しますと、
この雰囲気は中々手強いものがあります。
ここで注目されるポイントは本日の米国市場と
テクニカル的なサイン。
米国市場が本日も堅調に動いてくれるなら、日本市場には
ある程度の支え要因になります。
それを持って、25 日線を割り込んだ本日の安値を切り上げて、
25日線を回復してくると深い調整は避けられるでしょうが、
逆に動くと短期間で幅のある調整は避けられなさそうです。
本日の米国市場動向で円高が一段と進むようなら、
輸出関連銘柄はとりあえず手放し、円高でメリットになる、
少なくとも需要の変動が少ない銘柄への物色が有効でしょう。
トレンドが上昇から下落に反転する銘柄も散見されるので、
空売り銘柄もポートフォリオに入れるのが効果的です。
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【各市場の動き】
日経平均(円):19,134.70 -229.97 -1.19%
NYダウ(ドル):19,954.28 +98.75 +0.49%
ドル(円): 114.16-17 -1.88円高 -1.62%
ユーロ(円): 121.43-47 -1.09円高 -0.88%