2017年2月1日の東京株式市場は反発しました。
終値は106円74銭(0.56%)高の1万9148円08銭でした。
朝方はトランプ氏の発言で円高が進み、
19,000円台が崩れましたが、午後から強気に転換、
3桁の上昇に逆転したことで、底堅さを見せつけました。
下げ止まり、反転して上昇への回復を目指すには
ファンダメンタル的な支援材料が欲しいところです。
本日も最後までしっかりお読みください。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は続落しました。
ダウ工業株30種平均は3日続落して、
前営業日比107ドル04セント(0.5%)安の1万9864ドル09セント、
ナスダック総合株価指数は方向感のない反発で、
前営業日比1.074ポイント(0.0%)高の5614.786で取引を終えました。
大手企業の決算内容が失望を呼んだ他、
トランプ米大統領の反移民政策が不確実性を継続させ
市場は強気になれない状況です。
市場予想に届かない業績を発表したエクソンモービルは1%、
UPSは6%を下げたことで相場全体に響きました。
また中国や日本に対する避難で、為替市場に波乱要因を与えましたが、
下げ幅は限定的で、底値は固く推移しました。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
本日も波乱要因はトランプ劇場。
トランプ大統領は1月31日(現地時間)、
製薬会社幹部との会合で「中国や日本が通貨安に誘導している」と
批判しました。これを受け、円が買われ、朝方は112円まで進行、
投資家心理を悪化させました。
午後に入ると円高基調が一転、再び113円振り戻しになり、
上場企業の好調な決算結果も買いを誘い、
下げ幅を打ち消しながら、後半は力強く上昇しました。
トランプ氏の発言を退けてしまうほどの底硬さをみせていることから、
明日も業績発表とともに上値を切り上げるかが注目されます。
東証1部の売買代金は2兆5281億円、
売買高は20億3217万株で、2兆円を割り込んだ
低調な商いから本日は2兆円台を回復しました。
東証1部の値上がり銘柄数は1162、
値下がりは694、変わらずは146でした。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は短い上髭を持つ中陽線を形成しました。
安い寄り付きの後、上昇に転じてくれましたが、
下向きになって下がってきている25日移動平均線付近に行くと
上値が意識されました。
ファンダメンタル的には下げ幅を消したので強いとみられますが、
テクニカル的には前日開けた窓に届くことすらできず
戻しているので、継続生には疑問が残る上昇になりました。
1月27日の高値が3回目の高値で三尊天井を形成したことには
変わりがありませんが、二等辺三角形の持ち合いとしてみることもできるので
業績発表の結果が上か下、離れる方向性を決める瞬間を見極める必要があります。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
前日に続いて、決して友好的な材料ではありませんでしたが、
下げ幅を予想の範囲内で収めたのは、底固さをみせてくれたことです。
米国の好調な経済指標や金利の上昇を考えると
ドル高は避けられなさそうですが、余計な発言をすることで
不確実性の高まりでドルを素直に買っていくのもちょっと、
というジレンマを市場にもたらしています。
また発言の場に焦点を当ててみると、
当選前に「薬価が高い」と批判していた製薬会社の幹部との会談なので、
「敵は外なので仲良くやりましょう」という心理も助けて見えるのが
どちらかにポジションを傾けるのが大きなリスク要因になる理由です。
(”外に的を作る”という戦略は別に悪い意味ではなく、
政治・外交的によく取られる戦略でもあります)
頼みになるのは好調さを見せつつある業績の発表。
米アップルが31日発表した2016年10~12月期決算で、
売上高が前年同期比3%増で、過去最高を更新、
日本市場でも日東電や京セラなどが大幅高、
指数を押し上げました。
日本電産も幅のある上昇になるなど、機械・電気機器には
今回のボラティリティーの高い相場で叩かれた銘柄が眠っているので、
決算結果をにらみつつ物色の目を向けることも良いでしょう。
食料品・小売業などの内需(ディフェンシブ)銘柄も強さを保っているので
引き続き注目してみましょう。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【各市場の動き】
日経平均(円):19,148.08 +106.74 +0.56%
NYダウ(ドル):19,864.09 -107.04 -0.53%
ドル(円): 113.34-35 -0.18円高 -0.15%
ユーロ(円): 122.32-36 +0.86円安 +0.70%