2017年3月1日の東京株式市場は続伸しました。
終値は274円55銭(1.44%)高の1万9393円54銭でした。
為替市場でドル円レートが112円から113円台と
円安が進んだことが好感され、300円近い上昇幅を見せた後、
後半にかけて落ち着いて引けました。
注目のイベント、トランプ氏の演説は大きなサプライズはなく、
無難と言える内容で終始しました。
為替の動きと共に、次の動きが注目されます。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は13日ぶりに反落しました。
ダウ工業株30種平均は13営業日ぶりに反落して、
前営業日比25ドル20セント(0.1%)安の2万0812ドル24セント、
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落して、
前営業日比36.461ポイント(0.6%)低い5825.438で取引を終えました。
翌日の主要イベントの前に様子見ムードが広がる中、
連日の最高値更新で利益確定が控えていたことも加わりました。
上記の要因を考えると、大きく失望を呼ぶような動きではありません。
トランプ氏の演説を受けてプラスに反応した日経、
その動きをどのように受け止めるか、前日の動きよりは
今夜の反応が注目されます。
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【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本の市場は米国市場が反落した中、為替市場が円安に進んだことを受け、
買いが先行してスタートしました。
日本市場が反応したのはトランプ氏の演説。
予想されていたとおり、目新しい内容はなく、
懸念されていた過激な保護主義的な発言はないことが
むしろ歓迎され、買いが広がりました。
19,400円台に乗せてきましたが、
これで上昇トレンドに回復するかは
米国市場の反応を確認した明日以降になりそうです。
東証1部の売買代金は概算で2兆3890億円、
前日より減少したことで「商いを伴う理想的」な上昇にはなりませんでした。
売買高は19億9364万株、東証1部の値上がり銘柄数は1426、
値下がりは456、変わらずは120銘柄でした。
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【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は下ひげを持つ中陽線を形成しました。
心理的に意識される25日移動平均線、
5日移動平均線を一気に上回ってきました。
ただし、ボリンジャーバンドは横ばいで方向感なし、
位置的には12月から始まった持ち合い相場の領域を抜け出せていません。
本日の高値は二等辺三角形の持ち合い上辺に当たるので、
ここを抜け出せないと抵抗に変わるポイントでもあります。
まとめて考えると、テクニカル的にも方向感を示す動きではなく、
明日以降の市場反応を見極める必要があります。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
トランプ氏の演説は「サプライズなし」、「無難」と
受け止められ、まず日本市場はプラスで反応しました。
気になるポイントは「驚くべき」減税案が
今回も具体的な形になっていなかったことです。
「強いアメリカ」の復活と米国がリーダーシップを再びとるなど、
いわゆる精神論的な内容に終始しました。
無難な内容で円安には振れたものの
その継続性には疑問が残ると考えてよいでしょう。
日本市場が現状の持ち合いを抜け出すには一層の円安を支援する
材料の欲しいところです。
本日の米国は、1月個人所得・個人支出、2月新車販売、
2月ISM製造業景況指数などが円安を継続させる上で
重要な指標発表が集まっています。
トランプ氏の演説に対する反応、
円安方向に市場が流れるか、
この2点を見ながら明日以降の日経が注目されます。
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【各市場の動き】
日経平均(円):19,393.54 +274.55 +1.44%
NYダウ(ドル):20,812.24 -25.20 -0.12%
ドル(円): 113.45-46 +1.15円安 +1.02%
ユーロ(円): 119.77-81 +0.80円安 +0.67%