2017年3月6日の東京株式市場は続落しました。
終値は95円63銭(0.49%)安の1万9469円17銭でした。
イエレン議長が講演の中で、3月の利上げについて明言しましたが、
意外と為替は円安に振れず、その影響で株式市場も下落した。
売買代金が2兆円に届かないことで、
今週は雇用統計の発表までは持ち合いになる可能性が高くなりました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は申し訳程度に反発しました。
ダウ工業株30種平均は小幅に反発して、
前営業日比2ドル74セント(0.0%)高の2万1005ドル71セント、
ナスダック総合株価指数も小幅に反発して、
前営業日比9.531ポイント(0.2%)高の5870.753で取引を終えました。
週末のイベント、イエレン議長の講演で
3月中の利上げを検討する方針を明らかにしたことで
金融銘柄を始め、買いを集めました。
これで3月の利上げ可能性が遠のた判断していた市場は
5月から3月の前倒しを検討する雰囲気に変わりました。
不透明性が払拭されたことで上げ幅を拡大してもいい場面ですが、
天井圏で持ちあっている流れになって、
テクニカル分析上は下げる形になりました。
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【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本の市場は明確な方向性を示せなかった米国市場の影響を受けず、
シカゴ日経先物(CME)の下落した値にさや寄せする流れで
売りが先行しました。
イエレン議長の講演で円安材料が出たにもかかわらず
動きが鈍いのは、円高に振れたことが要因です。
114円から113円台と逆行高になったことで
方向感を失った投資家が売買を控え、
薄い商いの中、下落して本日の取引を終えました。
東証1部の売買代金は概算で1兆7209億円で、
2月21日以来の低水準を記録、
積極的になれない投資家心理を反映しています。
売買高は14億897万株、東証1部の値下がり銘柄数は930、
値上がりは916銘柄と、騰落ほぼ一緒で方向感のなさを映し出しています。
変わらずは158銘柄でした。
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【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は短い下ひげを持つ短陰線を形成しました。
支えになりたかったボリンジャーバンドの+1σをちょうど割り込む
値でスタートして、下げ幅を拡大した後は戻しましたが、
始値までは戻らず、陰線で引けました。
これで、3/2の大幅な上昇で持ち合いを抜け出した動きは
ダマシで終わりを告げました。
上向きになりかけていた25日移動平均線は下向きに転換、
上向きの75日に近づくことでこのまま調整が続くと
デッドクロスを起こす可能性が高くなりました。
2016年10月初旬にゴールデンクロスが発生した以来、
5ヶ月以上に渡って活況を続けましたが、
一旦縮小の場面に入る流れになりつつあります。
安値では一目均衡表の転換線で止まり、ここが支えになってくれるか、
さらに下げると25日移動平均線、
先行スパン1で止まってくれるかが確認ポイントです。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
意外の動きになりました。
先週は「週末、イエレン議長の発言内容による為替の動きをにらみつつ、」と解説、
3月の利上げ可能性を明言した内容により円安進行を期待しましたが
円高が進行、方向感を失った多くの投資家は様子見に回りました。
本日の動きより気になるのは今週末のまでの動き、
2月の雇用統計が発表されるまでは普通の場合でも持ち合いになりがちですが、
国内要因も明確に足りない昨今の状況では
方向感を掴みづらい動きになることが予想されます。
先週末に注目セクターとして捉えていた保険業は
下落率1位でここまでの好調な動きを解消する動きになりました。
利益確定が終わり、再び反転する場合は、
日経の持ち合い解消と共にチャンスが巡ってくる可能性も高いので、
引き続き注目したいと思います。
現在保持中の内需関連株には利益が乗ったものも多いので、
利益確定の設定はしっかり保つようにしてください。
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【各市場の動き】
日経平均(円):19,379.14 -90.03 -0.46%
NYダウ(ドル):21,005.71 +2.74 +0.01%
ドル(円): 113.80-85 -0.46円高 -0.40%
ユーロ(円): 120.67-71 +0.46円安 +0.38%