2017年4月7日の東京株式市場は反発しました。
終値は264円21銭(1.4%)安の1万8597円06銭でした。
円高一服で小高くスタートしましたが、
米国によるシリアへの空爆が伝わり地政学的リスクで下落、
再び上昇に戻るなど悩みの多い相場でした。
上昇して終わったものの、前日の下げ幅を回復するまでは至らず、
自律反発の範囲を超えることはできませんでした。
年度末決算が意識され始まる来週からの戦略を含めて
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は小幅反発しました。
ダウ工業株30種平均は小幅反発して、
前営業日比14ドル80セント(0.1%)高の2万0662ドル95セント、
ナスダック総合株価指数も反発して、
前営業日比14.473ポイント(0.2%)高の5878.950で取引を終えました。
終値ベースでは上昇して引けましたが、
テクニカルの形では下落、迷いが強くなっています。
前日まで売られていた金融銘柄に押し目買いが入り、
原油高で資源関連銘柄に買いが入りましたが、
シリアを巡っての情勢が地政学的リスクへの懸念を高め
上値を追う動きにはなりませんでした。
テクニカル上では、2016/11/9以来、
初めて一目均衡表のクモに入り、
このまま下げると当分の調整を余儀なくされる形になりました。
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【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は円高が一服したことや、前日までの下降に対する
自律反発で買いが先行して始まりました。
シンガポールSGXの日経先物は115円高の1万8760円で寄り付き、
日本市場の先物もその値にさや寄せする値で
150円高い1万8760円でスタート、
株式市場は117円92銭高の1万8714円98銭で寄り付きました。
米国がシリアにミサイルを発射したと伝わると
急激に上昇幅を縮小、下げに転じて、前場を19円安で終えました。
午後に入ると事態の悪化は伝わっておらず、
安値で拾う動きが広がり、再び上昇に転じました。
上げ幅は一時120円超えまで見せましたが、
引けに近づくと、週末の間のリスクを取りたくないポジション整理が出て
67円高まで上昇幅を縮小させながら今週の取引を終えました。
東証1部の売買代金は概算で2兆7654億円で、
1ヶ月ぶりの活況ぶりです。
東証1部の売買高は24億145万株、東証1部の値上がり銘柄数、
値下がりは430、変わらずは107銘柄でした。
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【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は短い上ヒゲ、長い下ヒゲを持つ小陰線を形成しました。
前日の高値を抜けて、持ち合いの下離れがダマシでおわることを
願っていた投資家も多くいたと思いますが、
結局は形としては下落して今週の取引を終了しました。
地政学的リスクが大きく意識されるときは、安値ベースで
前日の安値を更新、投資家心理が悪化した一面があります。
ボリンジャーバンドは下向きのまま、
上に向かって拡散していた+2σ、+1σも本日より下向きに変わり、
下落基調に入ったことを示すのに至りました。
来週の下落と反発の目処は、心理的な節目18,500円、
12/5の安値、その先は、2016/11/9の安値から3/2の高値までの上昇を100%として
分析したフィボナッチで50%押しに当たる17,890円付近です。
本日の日足でボリンジャーバンドの-2σの中に入ってきたので、
下に向かっての暴落は止まった形になってくれましたが、
まだ油断は禁物です。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
全くの偶然ですが、前日の戦略では
「トランプ氏の今までの言動から考えると、この状況を打開するための
突発行動に出る可能性が高まっています。」と伝えました。
今朝10時に、トランプ氏の警告から1日も経たないうちに
空爆が開始されました。
最初に伝えた通り「全くの偶然です」よ。
「占い師ですか?なんでわかったんですか?」などのメールも頂きましたが、
占えません!
世界情勢を細かくみていただけです。
今週はロシアの地下鉄爆弾テローから始まって、
軟調な動きになりました。
一週間で255円の下落になり、4ヶ月以上続いた持ち合いを下に抜けてしまいました。
来週の動きも乱高下の中、軟調な動きが予想されます。
地政学的リスクの高まりを受け、円買いが進むのはいつものことですが、
本日の事態がさらに大きいことへの端緒になる可能性を秘めています。
まず、シリア政府を支持しているロシアがいい顔をしないのは必至で、
シリアへの早い行動は北朝鮮への警告も含めています。
仮に北朝鮮への先制攻撃が現実味を浴びてくると、
日本も直接の影響圏に入ることになるので、
米国と中国・北朝鮮の動き一つ一つに敏感に反応することになります。
為替市場はこれを受けて円高に振れる可能性が常に高いことから、
資金は大型・輸出関連から新興市場に流れています。
本日、マザーズが下ヒゲの長い陽線で、1.40%の上昇で引けたことは
そのことを表しています。
来週の戦略も資金が流れる新興市場の中・小型銘柄を中心に物色すると同時に、
乱高下か軟調な局面ではショート(空売り)の戦略が有効に働くので、
保持中の空売りポジションは明確に戻りのトレンド転換をしない限りは
継続保持で行きます。
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【各市場の動き】
日経平均(円):18,664.63 +67.57 +0.36%
NYダウ(ドル):20,662.95 +14.80 +0.07%
ドル(円): 110.57-58 +0.06円安 +0.05%
ユーロ(円): 117.69-73 +0.05円安 +0.04%