2016年8月3日の東京株式市場は続落しました。
終値は308円34銭(1.88%)安の1万6083円11銭でした。
朝方は欧米市場の下落を受けて軟調なスタート、
ETF買い入れの増額に対する期待が相場を下支えしたものの、
円相場が1ドル100円の状況では大きな支え要因にはなりませんでした。
前日は「本日の安値でひけることで、さらなる下落も有りうる形になりました。」と
解説しましたが、その動きになってきました。
これからのポイントは?本日も最後までしっかりお読みください。
米国市場は7日続落の痛ましい成績表を受け取っています。
ダウ工業株30種平均は7日続落して、
前営業日比90ドル74セント安の1万8313ドル77セント、
ナスダック総合株価指数は続伸が終了して6日ぶりに反落、
前営業日比46.464ポイント安の5137.732で取引を終えました。
財務健全性に関する懸念が広がって、欧州株式市場が軟調な動きなり
(ドイツ株のDAXは186ポイント安の10144 、
ロンドン株は2日続落して48.55ポイント安で終了)
米国市場にも悪化した投資家心理を反映した売りが広がりました。
日本市場は前日に引き続き、上昇の材料が乏しい中、
欧米市場の軟調な動きを引き続きました。
前日の終値より163円安くスタートして、
日銀によるETF買い入れ枠の倍増に対する期待が相場の安値を支えました。
支えのおかげで-144円で前場を終えた相場は
後場に入ると上げ幅を拡大、幅広い業種に売りが広がりました。
欧州の下落要因になった銀行など金融関係の銘柄に売りが出て、
一時100円台に乗せた為替の動きから輸出関連株にも売りが広がりました。
ファンダメンタル的には全体的に売りが広がる中、
国内ユニクロ事業の7月の既存店売上高が伸びたと報じられたファストリ、
2016年4~6月期の純利益が増加したと発表したKDDIなど
買い材料の出た個別銘柄が買われました。
テクニカル分析です。
日足はギャップ空けて寄り付いた後、長い上ひげ、短い下ヒゲを持つ陰線を形成、
戻す力の弱い形になりました。
次の下落ポイントとしてあげていた
25日移動平均線にあっさりと到達、それでもさらに下げる形になっています。
次の下落の目処として見えてくるのが、
7/8の安値から7/21までの上層を100にしたフィボナッチ分析。
半値押し(50%戻り)の16,020円付近が下落の目処として考えられます。
ファンダメンタル分析です。
28兆円に及び経済政策やら、第3次安倍再改造内閣やらと
ありとあらゆる手を打ってくるアベノミックス(もはやその存在すら疑わしい)、
打ってくる手がすべて滑り、市場の反応は冷たさを極めています。
もがき続けてはいるものの打つ手なしの状態で、
市場は冷たい下げで政策への失望をあらわにしています。
これでは上げる材料になるものは見つからず、
むしろ材料によっては下げを深める可能性の方が高くなるでしょう。
第3次安倍再改造内閣の顔ぶれが出揃ったというところで
-300円の返しは、痛い一撃になりました。
明日からの投資戦略と読み方です。
上記のことを踏まえると、雇用統計が控えている週末までは
明確なトレンドが出ないという見方は変わりありません。
全業種が下落する中で、銀行・証券などが下落率トップにのっています。
不安定な相場ではやはりディフェンシブ銘柄に資金は向きやすく、
当分をしのぐ足元になるでしょう。
東証1部の売買代金は2兆4585億円、
売買高は22億4069万株でした。
値下がり銘柄は1757と全体の9割、
値上がりは167、変わらずは46でした。
■各市場の動き
日経平均(円):16,083.11 -308.34 -1.88%
NYダウ(ドル):18,313.77 -90.74 -0.49%
ドル(円): 101.08-09 -0.58円高 -0.57%
ユーロ(円): 113.30-34 -0.55円高 -0.48%