2016年8月17日の東京株式市場は反発しました。
終値は149円13銭(0.90%)高の1万6745円64銭でした。
日本市場が動いていない間に海外市場で99円まで進んだ円高が
懸念されましたが、日本市場が動き出すと101円台まで
円高基調が一服したことから輸出関連企業に買いが集まりました。
マーケットの注目ポイントはここからなので、
本日も最後までしっかりお読みください。
米国市場は反落しました。
ダウ工業株30種平均は反落して、
前営業日比84ドル03セント(0.5%)安の1万8552ドル02セント、
ナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落して
前営業日比34.904ポイント(0.7%)安の5227.111で取引を終えました。
2日ぶりに最高値を更新してきただけに、
利益確定を急ぐ動きになりました。
ニューヨーク連銀の総裁が9月の追加利上げの可能性を示唆する
発言をしたことも下げの要因となりました。
しかし、最高値を更新し続ける動きの中で少し足元を固める動きなので、
悲観的になる要素は見当たらないのが現状です。
追加利上げのニュースにびくびくするふりをしていますが、
雇用統計や業績発表結果など各種統計資料を総合・分析すると
米国経済は完全雇用に近い状態で堅調に維持しています。
テクニカル的には拡散を続けていた値動きが収束に向かい、
ボリンジャーバンドも狭まる形、しばらくの調整は十分ありの形です。
日本市場は米国市場の反落は大きな材料にならず、
99円台まで進んだ為替も100円半ば周辺で推移すると、
前日の終値と同じ位置でスタートしました。
前日の大幅な下落に対する反動もあり、
しばらくすると上昇基調を強めました。
午後に入って円安基調が強まると買いが進み、149円高で引けました。
テクニカル的には短い上ヒゲを持つ小陽線を形成、
形では強いトレンド転換、または上昇継続を示していますが、
ファンダメンタルがその流れを支援してないのが現状です。
前日に引き続きボリンジャーバンドの収束はより進み、
方向感をつかみにくい動きが続いています。
市場の注目材料は今夜予定されている
7月開催されたFOMCの議事録公表です。
内容によって9月中にでも利上げがありそうな内容が確認できれば、
円高一服、円安に振れる動きになりますが、
円高基調をふっ繰り返すには少し力不足な感もあります。
別のファンダメンタル材料になりそうなニュースとしては
“日本政府観光局(JNTO)が17日発表した7月の訪日外国人客数(推計値)が
前年同月比19.7%増の229万7000人。単月では史上最高”があります。
自然に小売を中心としたインバウンド系が注目されると思いがちですが、
外国人増加=インバウント好調、という公式もむやみ適用できなくなっています。
小売系の決算結果をみると、インバウント恩恵の体表的な銘柄だった
ラオックスが営業減益、百貨店系も苦戦を強いられる中、
ディスカウントストアー中心のドンキホールディングスが大幅な増収増益で
一人勝ちになっています。
つまり、小売と言っても低価格を中心とした、
デフレに強い銘柄に注目をシフトする必要があるということです。
為替市場に振り回される株式市場の現状で
投資家の悩みは深まりますが、
こんな時こそ、材料が出た銘柄、トレンドが発生した銘柄は
輝きますので、いつものスタンスを変えずに対処していきたいところです。
東証1部の売買代金は2兆728億円で、3日ぶりに2兆円を超えました。
売買高は17億5182万株、値上がり銘柄は927、
値下がりは919、変わらずは127でした。
■各市場の動き
日経平均(円):16,745.64 +149.13 +0.90%
NYダウ(ドル):18,552.02 -84.03 -0.45%
ドル(円): 100.78-79 +0.47円安 +0.46%
ユーロ(円): 113.54-58 +0.49円安 +0.43%