2016年8月23日の東京株式市場は3日ぶりに反落しました。
終値は100円83銭(0.32%)高の1万6497円36銭でした。
先週から懸念材料として上げていた円高基調が再び進行、
輸出銘柄を中心に売りが広がりました。
上昇する材料が見当たらないという言い方もできますが、
「ドルを買ってあげる要因が見当たらない」というのが
現状には相応しい表現ではないでしょうか。
本日も最後までしっかりお読みください。
前営業日の米国市場は下落と上昇、まちまちな動きになりました。
ダウ工業株30種平均は小幅に続落して、
前営業日比23ドル15セント(0.1%)安の1万8529ドル42セント、
ナスダック総合株価指数は小幅上昇して
前営業日比6.225ポイント(0.1%)高の5244.603で取引を終えました。
日本市場同様、主要なイベントを控えており、
積極的な買いが見られない中、方向感のない小さい動きが続いています。
日本市場は米国市場の方向感の欠けた動きに加えて、
為替相場で円高基調が広がり、売りが先行、
前日の終値から49円安くスタートしました。
大きな動きにはならず、前日の終値を挟んでの動きが続き、
前場を-37円で終えると、早速日銀によるETF買いへの期待が動き、
後場に入って早速プラス圏に浮上しました。
しかし、ETF買いが入ったとは思えないほど
上値が重くなると早速失望売りが入ることで、
下げ幅を拡大しました。
夏休みから帰ってきた投資家も参戦しているとはいうものの、
9月20日-21日の 米国FOMCを方向づけるとされる
イエレンFRB議長の講演までは動きづらいと捉える市場関係者が多く、
為替市場でも一方的にポジションを傾けることが
難しい雰囲気が強く支配しています。
現在の市場は株式市場内部の要因よりは
ドルを買う理由がみつからないので、円高基調がなかなか一服しないという
外部要因で上下変動しているという判断が適切にみえます。
テクニカル分析です。
午後ETF買いの期待を反映した買いが入ることで
日経の日足は上ひげの長い陰線を形成、
チャートの流れとしては持ち合いの中での下落になりました。
依然、二等辺三角形の持ち合いが煮詰まってくる流れで、
アノマリー的に夏バテ(夏枯れ)相場と言われる7-9月の特徴を表しています。
テクニカル的に意識されるのは25日線、
この指標を挟んで上げては下げる動きを続けていますが、
さらに調整に入ると、25日線が下向き、
しばらくの調整続きを余儀なくされます。
最大の変動要因となっている利上げ、為替の動きを決定するのは
雇用統計とFOMCの動向、及び日銀の金融政策決定会合、
これらのイベントで利上げの方向性が確認されるまでは
波乱含みのわかりづらい動きは続きます。
それを反映して、東証1部の売買代金は連日で2兆円割れ、
絶好の様子見ムードです。
投資戦略は ETF買いに期待して、無駄に材料もない銘柄に買いを入れて
空振りをするよりは、保持している銘柄を温存させることや、
前日まで伝えた仕込みを続けることに徹するのが賢明でしょう。
東証1部の売買代金は概算で1兆8181億円、
売買高は15億8254万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1196、
値上がりは657、変わらずは120銘柄でした。
■各市場の動き
日経平均(円):16,497.36 -100.83 -0.61%
NYダウ(ドル):18,529.42 -23.15 -0.12%
ドル(円): 100.06-07 -0.71円高 -0.70%
ユーロ(円): 113.47-51 -0.21円高 -0.18%