2016年9月27日の東京株式市場は反発しました。
終値は139円37銭(0.84%)高の1万6683円93銭でした。
本日の高値引けです。
欧米市場が芳しくない動きになる中、売りが先行して始まりましたが、
米国大統領選のTV討論でクリントンの優勢観測が広がると
円安が進み、市況は逆転しました。
本日も最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は続落しました。
ダウ工業株30種平均は2営業日続落して、
前営業日比166ドル62セント(0.9%)安の1万8094ドル83セント、
ナスダック総合株価指数も2営業日続落して
前営業日比48.256ポイント(0.9%)安の5257.491で取引を終えました。
ドイツ銀行の状況が欧米の市場に暗い雰囲気を演出しています。
ドイツ銀行株は米司法省から巨額の和解金支払いを求められていることで、
大幅に下落、7%の下げ、ゴールドマン・サックスなどの
金融株もつれ安に直面し、全体が下がりました。
また、クリントンとトランプのTV討論の結果を見極めたいとの気持ちも
積極的な買いを抑制する要因となりました。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は欧米市場で銀行株の下落を受けて、売りが先行
154円安くスタートしました。
東証が26日発表した売買動向では外国人が連続の売り越し、
本日の外資5社による動向も売り越しでした。
下げ幅を200円超えまで拡大した後は
急速に下げ止まり、米大統領選のテレビ討論会で、
クリントン氏が優位だったことが伝わると、
為替市場で円安が進み、市場の雰囲気が一変しました。
日銀のETF買いへの期待も加わり、上げ幅を拡大した日経は
本日の高値139円上昇で引けました。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は上ヒゲを持たない中陽線(大引け坊主と呼びます)を形成、
しかし、形は高値と安値を切り下げる下落になりました。
安値では75日線を割り込み、ボリンジャーバンドの-2σをも割り込む場面を
見せた後、急速に下げ止まり、上昇に転じました。
これでは上昇に転じたとは言えず、
さらに安値では8/26の直近安値を切り下げたこと、
高値切り下げを表しているので、
テクニカル的にはむしろ下げを強める形として分析されます。
明日の形によっては
調整を挟む動きになることを予兆させます。
【日本市場の総合分析:投資戦略】
乱高下の動きが止まりません。
直近においては市場の大きな関心を集めていた
米国大統領候補のTV討論は
終始落ち着いた対応と30年の経験からくる洗練さが発揮された
クリントン氏が優位との見方が強まりました。
為替市場は円安基調に変わり、1円近くの円安になったことで
200円を超す下落から、139円高という乱高下を演出しました。
これで円安の流れになって、輸出・大型株へ資金を傾けるべきかというと
今までの2人の言動をよく考えて見る必要があります。
トレンプの暴言と幼稚さや、バレないように嘘をつき続けるクリントンの
基本スタンスに変わりはなく、目新しい政策は一つもありません。
両者ともドル高を容認しない、中国と日本を「通貨安誘導」と捉える点では
程度の差があるのみで、かわりはありません。
つまり、「クリントン大統領」誕生になれば円安になるというのは早計で
市場の見方として「トランプ大統領」誕生の可能性が遠のいたので
円高の可能性が和らいだだけという話です。
まだ波乱要素は十分残っており、
誤った考えに基づく資金のシフトは行うべきではありません。
前日に引き続き、円相場に左右されにくい内需型、
特にテクニカル分析上でも底打ち感の強い電力・ガス系は
注目する価値が十分あります。
ファンダメンタル・テクニカル分析両方で注目に値するいい例は
電力の9503関西電力、水産の1332日本水産などです。
(買い推奨ではありません、売買は自己責任でお願いします)
東証1部の売買代金は概算で2兆2946億円、
売買高は22億3921万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1557と全体の8割弱、
値下がりは315、変わらずは105銘柄でした。
■各市場の動き
日経平均(円):16,683.93 +139.37 +0.84%
NYダウ(ドル):18,094.83 -166.62 -0.91%
ドル(円): 100.62-63 +0.02円安 +0.01%
ユーロ(円): 113.22-26 +0.22円安 +0.19%