2016年9月28日の東京株式市場は続落しました。
終値は218円53銭(1.31%)安い1万6465円40銭でした。
高値引けだった昨日から、一転、権利落ち分を考慮しても
20日の金融緩和発表から形成されていた
官製相場の上昇分はすべてなくなりました。
もはや、なにをやっても狼少年状態になっている金融政策、
何をどうすべきか、本日も最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は反発しました。
ダウ工業株30種平均は反発して、
前営業日比133ドル47セント(0.7%)高の1万8228ドル30セント、
ナスダック総合株価指数も反発して
前営業日比48.221ポイント(0.9%)高の5305.712で取引を終えました。
クリントンとトランプのTV討論の結果が出揃い
クリントン氏の優勢が伝わると、
買いが優勢になりました。(トランプ氏、寂しいですね。)
前日解説した通り、内容としては特段目新しい内容はありませんでしたが、
軌道を失ったミサイルのような言動を繰り返すトランプ氏よりは
不確実性が低いということで市場は好感しているようです。
テクニカル分析上は60日移動平均線を囲んでの攻防が続く中、
前日の陰線を囲む陽線を形成、
上昇トレンドへの回帰とは言えない形です。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は権利落ちの影響に加え、欧州の金融システム不安などが
投資家心理を冷やし、売りが先行、179円安くスタートしました。
また、長期金利の下落が続き、収益への影響が懸念される
銀行株・保険株には売りが続き、下げ幅を拡大しました。
株式市場一つもまともに扱えなかった金融政策が
債券市場まで制御しようとする無謀な試みは4日で終了、
長期金利を0%に誘導するという宣言から
わずか5営業日で0.09%まで下落、1ヶ月ぶりの水準まで低下しました。
円相場が100円台で高止まりしたことも加えて、
下げ幅が限定されることはなく、218円安で本日の取引を終えました。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は長い下ヒゲを持つ陰線を形成、
形は高値を切り下げ、安値は切り上がる持ち合いになりました。
安値では相変わらず75日線が意識され、その上で止まった後は、
値を戻してひけました。
ボリンジャーバンドも横ばいで、
トレンドをつかめるのが非常に難しい形で、
上か下、どちらにふれてもおかしくない動きが煮詰まってきました。
【日本市場の総合分析:投資戦略】
本日も乱高下の動きが止まりません。
ある意味「順調に下げている」との表現がふさわしい動きです。
マイナス金利をやめる、いや深堀しかないでしょうと
方向性のつかめない動きに外国人投資家も呆れて
ポジションを増やした銀行株を売りに出しています。
銀行株のみならず、8月1週目から9月2週目までの売買動向では
1兆3,000億円弱を売り越しているのがその心理の表れです。
一言でいうと、何をやっても順調にトレンドに載せることが難しく
短期勝負になりがちな相場だということです。
為替相場の読みにくい動きを反映して
内需株、ディフェンシブ株が物色される様子ですが、
それも「下げにくい」の領域で、積極的にあげる動きは見られません。
まだ内需型への物色が残っている中、
読みにくい相場で物色されやすいマザーズに
資金がシフトしている動きにも注目です。
東証1部の売買代金は概算で1兆8211億円で、
2兆円を超えていた前日の動きからあっさりと1兆円を割り込みました。
売買高は16億4382万株、東証1部の値下がり銘柄数は1223、
値上がりは556、変わらずは101銘柄でした。
■各市場の動き
日経平均(円):16,465.40 -218.53 -1.31%
NYダウ(ドル):18,228.30 +133.47 +0.73%
ドル(円): 100.71-72 +0.18円安 +0.17%
ユーロ(円): 112.88-92 -0.20円高 -0.17%