2016年10月25日の東京株式市場は続伸しました。
終値は130円83銭(0.76%)高の1万7365円25銭でした。
4月25日以来約半年ぶりの高値で引けました。
市場全体が下値を固めながら、上を目指すサインが継続したことで、
投資家心理が改善した上に、大型IPOであるJR九州の上場によって
市場が活性化されました。
また104円台に進んだ円安も市場を後押ししました。
本日も最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は反発と続伸になりました。
ダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発して、
前営業日比77ドル32セント(0.4%)高の1万8223ドル03セント、
ナスダック総合株価指数は続伸して
前営業日比52.425ポイント(1.0%)高い5309.827で取引を終えました。
マイクロソフトやウォルマートなどの主要銘柄が
好調な業績発表になったことで引き続き買われた他、
AT&Tによるタイムワーナー買収など、大型のM&A関連ニュースが出たのも
投資家心理を刺激しました。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は米国市場の好調な業績発表による円安基調に加えて、
今年の大型IPOの一つであるJR九州が公開価格2600円を上回る
3,100円で初値を形成したことで、買いが続き
市場全体を押し上げました。
JR九州の活発な取引は商いの改善にも貢献しました。
前日のCME(シカゴ)日経平均は90円の上昇、
SGX(シンガポール)日経先物が110円上昇でスタート、
さや寄せする形で64円高くスタートしました。
上昇して寄り付いた後は買いが継続、
下値を試すことなく、上昇を続けて、130円上昇で本日の取引を終えました。
東証1部の売買代金は概算で2兆1160億円で、
前日までの薄商いから一転、1カ月ぶりの高水準でした。
しかし、本日上場したJR九州の売買代金が2736億円と
全体の1割強を占めたことより、実質的には2兆円を満たさないレベルです。
売買高は17億6222万株、東証1部の値上がり銘柄数は1243、
値下がりは585、変わらずは157銘柄でした。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は短い上ヒゲを持つ小陽線を形成しました。
テクニカル分析上、大きい意味はボリンジャーバンドの+2σを飛び出して
大きい上昇のサインを出していることです。
また、上向きに変わった75日移動平均線が200日移動平均線を下から上に抜けて、
こちらも上昇トレンドに乗ったことを示しています。
ストックキャスティックが80を超えるなどの過熱感を出していますが、
大きな過熱は見られない状況です。
次の確認ポイントは4/25日の高値を半年ぶりに抜けに行くかです。
【日本市場の総合分析:今後の投資戦略】
久しぶりの大型IPOと、円安が相まって幅のある上昇になりました。
商いの増加とともに、投資家心理もリスクオンに近いので、
過熱感のある銘柄は処分しながら、サインがでた銘柄に関しては
積極的な取り組みが必要です。
証券や銀行などの金融関係が買われて、
株式市場の上昇基調とともに、銘柄への見直しが入っています。
外部要因である米国市場と連動する場合、明日の注意点は
キャタピラー、アップルなど市場の動きを左右するほどの
注目銘柄が決算発表を控えており、
結果によっては日本の機械・部品関連に大きな影響がひろがります。
ライバル社の事故により業績に弾みがつくアップルであるだけに
ポジティブな結果が出る場合は、日本市場にもポジティブな動きを
継続させ、全体的な底上げにつながるのではないでしょうか。
業種として活発な動きを見せながら、
高値更新銘柄も続くゴム製品関連に目をむてみるのもいいですね。
■各市場の動き
日経平均(円):17,365.25 +130.83 +0.76%
NYダウ(ドル):18,223.03 +77.32 +0.42%
ドル(円): 104.42-43 +0.51円安 +0.49%
ユーロ(円): 113.72-76 +0.61円安 +0.53%