2016年11月08日の東京株式市場は反落しました。
終値は5円83銭(0.03%)安い1万7171円38銭でした。
世紀の不人気対決・接戦となっている米国大統領選の結果を
明日に控えて、米国市場は大きく上昇しましたが、
日本市場は薄商いとともに様子見ムードを極めました。
どちらが当選するかはわかりませんが、いずれにしろ、中期的には買い場の到来です。
その理由は?本日も最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は8日ぶりに大きく反発しました。
ダウ工業株30種平均は 8日ぶりに大きく反発して、
前営業日比371ドル32セント(2.1%)高の1万8259ドル60セント、
ナスダック総合株価指数は10日ぶりに反発して
前営業日比119.803ポイント(2.4%)高の5166.173で取引を終えました。
ダウ工業株30種平均の上昇幅は9ヶ月ぶりの大きさに及ぶほど、
クリントン氏有利の材料は素直に受け止められました。
前日にヒラリー・クリントン氏の私用メール問題について、
訴追を求めないとしたニュースが最初に反映されたのは日本市場、
大きく反発したことを受け、米国市場も不透明感の払拭を歓迎、
全面的に買いが進みました。
選挙の結果は日本時間9日の午後くらいになりそうですが、
そこまでは様子見ムードが広がる可能性が高いと観測されます。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は、米国の大幅な反発と前日からの材料を
引き続き材料視して、買いが先行しました。
前日の終値より125円高くスタートし、
リスクオンの心理が進むかと思われたら、
まだ残されている不透明感で短期の利益を確定する動きが広がり、
下げに転じました。
午後に入って下げ幅を拡大して47円安まで進みましたが、
為替市場で継続する円安の動きや、大統領選の結果を見極めるまでは
ポジションを傾けるのが難しいとの判断から買い戻され、
5円安で引けました。
東証1部の売買代金は概算で1兆7766億円、
売買高は16億5971万株でした。
2兆円に届かない薄商いから、様子見ムードが読み取れます。
東証1部の値下がり銘柄数は1055、
値上がりは805、変わらずは127銘柄でした。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は上下ヒゲを持つ陰線を形成しましたが 、
高値と安値を切り上げる上昇の形になりました。
短期のトレンドを表す5日移動平均線を終値で上回りましたが、
同時に高値警戒の形にもなり、どちらに振れるかは明日の動き次第になっています。
最近の動きを反映してボリンジャーバンドも横ばいで
幅が狭くなってきております。
【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
世界が注目している米国の大統領選、
実質的には米国時間0時から始まりました。
結果がわかるのは日本時間9日の13時前後になると予測されていますが、
接戦であるがゆえに、日本市場が動く間には
まだ決着がつかないことも考えられます。
大筋の観測ではヒラリー・クリントンさん当選の場合は
リスク要因の軽減で上昇、
トランプ氏当選の場合は政策の不透明性から売りが進むと分析されています。
しかし、これは短期の動きに対する予測にすぎません。
より長期的な動きで考える必要があります。
大勢の予想に反してトランプ氏当選の場合は、
今年6月のBREXITの事例を参考にする必要があります。
トランプ氏当選はリスク要因の高まりを嫌って、
短期的な下落になることは避けられないというのは正しいですが、
暴落を一回経験した後は、再び戻りを試す動きになるでしょう。
トランプ氏に決まったら決まったで、
「誰になるか」というリスク要因自体は解消されるからです。
BREXITが決まって暴落の後はどうなったかを思い出してください。
その暴落は実は絶好の買い場でもありました。
今回がトランプ氏当選のシナリオの場合でも同様に
短期下落は買いのチャンス到来と捉えられるでしょう。
買いの戦略としては、前日に引き続き
「日頃よりぐんと株数を減らして、
市場の活況時に安定した恩恵を受けやすい大型・輸出関連に
仕込みを入れておく」ことにします。
■各市場の動き
日経平均(円):17,171.38 -5.83 -0.03%
NYダウ(ドル):18,259.60 +371.32 +2.07%
ドル(円): 104.44-45 +0.01円安 +0.00%
ユーロ(円): 115.49-53 +0.01円安 +0.00%