2016年11月15日の東京株式市場は反落しました。
終値は4円47銭(0.03%)安の1万7668円15銭でした。
内部・外部要因とも良好な環境で急ピッチの上昇を続けましたが、
短期の過熱感を解消する売りが進みました。
しかし、円安基調が続いていることで積極的に
下値を売り込む動きも限定的で、
基本的な動きは 前日の終値を挟んだ持ち合いでした。
本日も最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は本日も再び史上最高値を更新しました。
ダウ工業株30種平均は6日続伸して、
前営業日比21ドル03セント(0.1%)高の1万8868ドル69セント、
ナスダック総合株価指数は反落して
前営業日比18.718ポイント(0.4%)安い5218.396で取引を終えました。
各指数の動きから分析するとわかるように、
金融機関への規制が緩和されることへの期待から 金融銘柄が上昇をリード、
ダウ指数は連日高値を更新しています。
一方、トランプ政策の恩恵を受けにくいという判断から
IT銘柄の多いナスダック総合指数は冴えない動きになっています。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は前日まで急激な勢いで上昇を続けてきた結果、
短期の利益を確定するタイミングが来ています。
過熱感が警戒される中でも、円安の動きを受けて買いが先行、
前日の終値より18円高くスタートしました。
買いが勢いよく進むには過熱感が強く、
利益確定の動きが広がることで、反落に転じました。
為替市場でさらに円安が続き、ドル・円は108円台を記録、
輸出関連株への資金シフトは継続したことで、
上昇に転じる場面もありましたが、
動きは前日の終値を挟んでの動きになりました。
東証1部の売買代金は概算で2兆5886億円、
売買高は24億9486万株でした。
2 兆円を超える商いが続き、 好ましい状況の形になっていましたが、
売買代金は少しずつ細ぼってきました。
東証1部の値下がり銘柄数は1039、
値上がりは809、変わらずは138でした。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は上下にヒゲを持つ小陰線を形成しました。
外部と内部要因の改善を受けて、上昇を続けた結果、
短期のトレンドを表す5日、25日移動平均線はすべて上向き、
下落したものの、上昇トレンドは崩れていません。
前日に引き続き、上昇にそろそろ一服感が出てくるタイミングという判断は継続ですが、
トレンドが強い時は調整後の切り返し(トレンド転換)も 早いので、
短期では積極的な行動を起こす必要があります。
【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
大統領選の影響で919円の暴落を記録した後は
それを上回る勢いで1,400円以上をあげてきました。
本日は一旦休見ながら足元を固める動きになりました。
市場の材料として残っているのでは、17日予定の日米会談。
トランプ氏やその側近の出方によって日本市場には影響がでると考えられます。
選挙期間中、トランプ氏は保護貿易の色を強めており、
円安も容認しない方向でした。
金融銘柄や円安を背景にした上昇に大きく依存している現在の状況では、
トランプ氏の態度次第では円安基調が止まる可能性もあります。
また、防衛費の負担について高圧的な態度になる場合は、
関連銘柄への資金集中も考えられます。
業種では、依然銀行、保険などの金融関連が上昇率の 上位を占めていますが、
前日まで円安によって嫌われていた食料品、水産などは
ともに上昇率14,15位をマークしました。
あげてきた業種を売って、割安になってきた業種に
資金をシフトする 循環物色が始まった可能性がありますので、
業種別の推移にも目を配ると、銘柄選定には役に立つでしょう。
ただ、決算がピークを過ぎ、17日のイベントも控えていることから、
明日は動きづらいことも想定されます。
■各市場の動き
日経平均(円):17,668.15 -4.47 -0.03%
NYダウ(ドル):18,868.69 +21.03 +0.11%
ドル(円): 108.27-28 +0.63円安 +0.58%
ユーロ(円): 116.36-40 +0.29円安 +0.24%
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