2016年11月28日の東京株式市場は8営業日ぶりに反落しました。
終値は24円33銭(0.13%)安の1万8356円89銭でした。
週末の間に円が買われ、為替市場で急激に円高に振れたことを材料に
大型株を中心に売りが進みました。
午前中は146円安と3桁の下げで引けましたが、
後場に入ると24円安まで値を戻し、日経はまだ力強さを保っています。
本日も最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は感謝祭の翌日で短縮取引日で13時までの取引結果、
4営業日連続で市場最高値を更新しました。
ダウ工業株30種平均は4日続伸して、
68ドル96セント高の1万9152ドル14セント、
ナスダック総合株価指数は反発して
18.242ポイント高の5398.920で取引を終えました。
ナスダックも2営業日ぶりに最高値更新になりました。
トランプ相場への期待はまだ根強いままで、
市場には少し下がるだけで押し目買いが入る好循環が始まっています。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は111円台まで進んだ円高基調を背景、
売りが先行して始まりました。
7日続伸して過熱感が懸念されていたことも売りを呼ぶ流れを加速させ、
下げ幅は150円を超える場面もありました。
しかし、後場に入ってからが強い相場の見せ所。
146円で引けて、調整を挟む動きになるかと思うと、
押し目を待っていた投資家の買いが早速入り、急速に下げ幅を縮めました。
終わってみると24円の小幅下落、騰落率でみても
上昇銘柄の方が多い、強気の相場になり
まだ先高感がメインでる相場模様を映し出しています。
東証1部の売買代金は概算で2兆3546億円、
売買高は21億8569万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は534に対して、値上がりが1343と
指数は下落にもかかわらず、全体の7割近くが上昇する奇妙な形になりました。
一方、変わらずは107銘柄でした。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経平均の日足は、長い下ヒゲ、短い上ひげを持つ短陽線を形成しました。
テクニカル的には5日移動平均線(18,268円、28日時点)が支えになった格好で、
安値でタッチしては値を戻しています。
円高の動きが一気に113円になる程の急激だったことから考えると、
上昇銘柄が7割を占める小幅下落はよく守ったと褒めてもいい動きです。
ただ、テクニカル的に気になる点は
相変わらず、「天井圏で急落しそうな形」を維持していることです。
ギャップをあけて入ってきて、3営業日のローソク足が宙に浮いている状態なので、
反対方向にギャップを開けて下げるとアイランドリバーサルの出現、
しばらくの調整を余儀なくされます。
では、強気の材料になることは?
今後の投資戦略で考えてみましょう。
【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
先週末は「押し目待ちに押し目なし」という話をしました。
待っていましたかのように押し目が来ましたが、
それも1日の間に完結してしまうほどの力強さがあります。
本日の動きで注目すべきポイントはTOPIXの動きです。
東証1部上場の全銘柄を対象銘柄にしているTOPIXは11日連勝で、
2015年5月中旬以来の好況ぶりです。
トヨタ・ファストリなど指数への影響が大きい銘柄が売られることで
日経指数自体は下落したけど、それ以外の銘柄は
好調な動きを継続していると考えることができます。
業種別でみると、利益確定に押されていた銀行業が上昇率2位に出るなど、
出遅れ銘柄に回っていた資金が再び主力銘柄に回ってきていることがわかります。
週末にかけては様子見の雰囲気が強くなることが予想されます。
明日は米国の7-9月期GDP改定値の発表、
30日はOPEC総会、金曜日の夜は雇用統計など
すべてが日本市場に有利に働くとは思えないイベントが待っています。
以上のことを踏まえて、大型ではないが主力銘柄として扱える
銘柄を流れ通りに素直に拾っていくのを当分の戦略にしたいと思います。
また、前日の銘柄相談会で取り上げた電機・ガス業界は
本日の上昇率1位で思った通りの動きになってきました。
約定した方はしっかり利益を固めながら追いかけていきましょう。
【P.S】
週末の間に「風邪を引いた」ことに心配してくださるメッセージを多く頂きました。
感謝の念を申し上げると共に、軽率にそのようなことを伝えることは
控えるべきと、振り返る気持ちにものなりました。
メッセージを下さったみなさま、ありがとうございました。
【各市場の動き】
日経平均(円):18,356.89 -24.33 -0.13%
NYダウ(ドル):19,152.14 +68.96 +0.36%
ドル(円): 111.90-91 -1.23円高 -1.08%
ユーロ(円): 119.30-34 -0.45円高 -0.37%