2016年5月30日の東京株式市場は続伸しました。
終値は233円18銭(1.39%)高い1万7068円02銭でした。
本日の高値で終えながら、4月27日以来約1カ月ぶりに
1万7000円台を回復してきました。
消費増税の延期がほぼ確実になったと市場で受け止められたこと、
為替市場では円安基調が市場の動きを牽引しました。
ただ、懸念材料も残っているので、
本日も最後までしっかりお読みください。
前営業日の米国市場は小幅に反発になりました。
ダウ工業株30種平均は反発して、
前営業日比44ドル93セント(0.3%)高の1万7873ドル22セント、
ナスダック総合株価指数は4日続伸して、
前営業日比31.739ポイント(0.6%)高の4933.505で取引を終えました。
アジア・欧州など世界の株高を引き継ぎ、高く始まりましたが、
FRBのイエレン議長が「今後数カ月の間に利上げが適切」との発言で
一時下げに転じる場面もありました。
しかし、リスクオンの投資家心理は冷えず、早速持ち直した後は
10日以来の高値でこの週の取引を終えました。
日本市場は米国市場の好調な動きや、為替市場で進む円安の動きに加えて、
消費増税の延期観測がほぼ確実になると受け止められ、
幅広い銘柄に買いが入りました。
また売り建てのポシジョンを持つ投資家の買い戻しが入ることで、
上昇幅を縮めることなくこの日の高値で引けました。
テクニカル的には25日線に支えられたあと、空を開けて始まり、
そのまま上場する終わる陽線を形成、トレンドとしては一旦上昇に入ったと判断できます。
一目均衡表でも雲抜け、遅行線の上抜けなど三役好転が成立しました。
懸念材料は連日最低を更新する出来高の低さです。
東証1部の売買代金は概算で1兆5604億円、
連日で最低を更新して、本日は2015年12月28日以来の低水準です。
また、2兆円割れが8営業日連続するのは約1年9カ月ぶりです。
政策期待、消費税関連など、市場としては「折り込み済み」として捉え、
積極的な買いが控えられたと推測されると、
継続するのは難しいトレンドだと判断できます。
消費税関連で材料視され、大きく買われてもおかしくない
セブン&アイやイオンなどが大きな上昇幅を見せなかったのは
それを物語っているのではないでしょうか。
これを転換点として調整に入るのか、明日の動きが注目です。
■各市場の動き
日経平均:17,068.02 +233.18 +1.39%
NYダウ(ドル):17,873.22 +44.93 +0.25%
ドル(円):111.33-34 +1.56円安 +1.42%
ユーロ(円):123.74-79 +1.07円安 +0.87%