2016年6月7日の東京株式市場は反発しました。
終値は95円42銭(0.58%)高の1万6675円45銭でした。
市場予想を破壊的に下回った5月の雇用統計結果を受けて、
106円台まで円高が進むことで昨日は大きく売られましたが、
本日は107円台まで円安に振れたことで、大型・輸出関連株を中心に
買い戻しが入りました。
為替市場の動きはまだ不安定で、テクニカル的にも微妙な位置なので、
まだ安心して上値を追うような状況ではありません。
本日も最後までしっかりお読みください。
前営業日の米国市場は反発しました。
ダウ工業株30種平均は幅を持って反発して、
前営業日比113ドル27セント(0.6%)高の1万7920ドル33セント、
ナスダック総合株価指数も反発して、
前営業日比26.196ポイント(0.5%)高い4968.713で取引を終えました。
市場の材料になっていた米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長の講演、
5月の米雇用統計の結果を受け「景気見通しに新たな疑問が生じた」と発言することで、
6月利上げの可能性が下がったと解釈され、買いが戻りました。
140ドルの上げ幅をみせる場面もありましたが、
上げ幅を縮小させながら引けました。
日本市場はイエレン議長の講演を受け上昇した米国市場の流れを引き継ぎ、
買いが先行して始まりました。
71円高くスタートしてからは値動きが荒くなり、
マイナス圏に沈む場面もありましたが、
再び値を戻して、上昇しながらひけました。
テクニカル的には6/6の下落を直近の底値にする可能性を作りながら
75日線にまたがる陽線を形成、
このまま高値を切り上げていく場合は5/6の安値から6/6の安値への
「安値切り上げが成立」、上昇継続とみられがちです。
しかし、上昇継続と判断するにはまだすっきりしないところが残ります。
ここで懸念事項を纏めると
1. テクニカル的に高値は切り下げている
4/25の場中高値17,613を前回の高値とすると、
今回は5/31の高値17,251への「高値切り下げ」になります。
つまり市場は高値切り下げと安値切り上げが同時に起きる
「二等辺三角形」のパターンを形成しているので、基本的な方向性は
「どちらかに触れるまではわからない」と解釈されます。
2.外国人の販売動向
外資系証券5社の注文動向は270万株の売り越し、
6月入ってから5営業日中、1営業日を除いてはすべて売り越しになっています。
東証1部の売買代金は概算で1兆7798億円と本日も2兆円を下回る低調な
商いと共に、外資系が売りに徹することが加わると上昇を継続していくのは
相当な困難があることが予想されます。
結論としては、昨日が直近の底打ちにある可能性は出てきたけど、
本日の動きだけで上昇モードに転換したと判断するのは早計だということです。
転換した銘柄に関して大きくポジションをとった注文を出すよりは
試しで入ってみるという感覚に徹するのが賢明な戦略です。
東証1部の 売買高は16億1468万株、
東証1部の値上がり銘柄数は1152、
値下がりは642、変わらずは162銘柄でした。
■各市場の動き
日経平均:16,675.45 +95.42 +0.58%
NYダウ(ドル):17,920.33 +113.27 +0.63%
ドル(円):107.76-77 +0.58円安 +0.54%
ユーロ(円):122.48-52 +0.83円安 +0.68%
ジョン・シュウギョウにより毎日更新される日経概況のバックナンバーは
TBLのホームページでご覧頂けます。
http://www.tbladvisory.com/topics/