2016年6月21日の東京株式市場は3日続伸しました。
終値は203円81銭(1.28%)高の1万6169円11銭でした。
1万6,000円台を6日ぶりに回復してきました。
英国の欧州連合離脱(BREXIT)への懸念がやや後退したことで
米国市場が反発して、その流れを引き継ぎました。
気持ち良い形で上昇はしてきたものの、
まだすっきりしない要素が残っているので、注意が必要です。
その要素とは?本日も最後までしっかりお読みください。
前営業日の米国市場は反発しました。
ダウ工業株30種平均は反発して、
前営業日比129ドル71セント(0.7%)高の1万7804ドル87セント、
ナスダック総合株価指数も反発して、
前営業日比36.876ポイント(0.7%)高の4837.214で取引を終えました。
英国の欧州連合離脱(BREXIT)に対して、
先週末の世論調査では残留派が優勢になったことが伝わり、
アジア、欧州の株が上昇、米国市場もその流れを引き継ぎました。
日本市場は前日に引き続きBREXITへの懸念が後退したことを受け、
米国市場が上昇、 堅調な動きになりました。
朝方は103円台も辞さない円高を嫌気して90円安くスタートをしました。
前日までの上昇で少し出てきた利益を確定する動きが加わりましたが、
売りが一巡してからは上昇に転じ、勢いを得た後は
203円高で本日の取引を終えました。
テクニカル分析です。
大きく上昇したような大陽線になりましたが、
前日の高値と安値を切り下げる持ち合いの形になりました。
気になるのは2兆円に届かない薄い商いです。
1兆8,000億円台の商いでは、市場のみんなが喜ぶような活況とは言えません。
ファンダメンタル的な懸念点です。
もう一つの懸念要素は資金の向かう流れが少し変わってきたということです。
前日までは先週末に解説した通り輸出関連の株を中心にして買いが向かいましたが、
本日の上昇は医薬品(+2.62%)・食料品(+2.03%)などの
いわゆる”ディフェンシブ銘柄”が上位を占めるようになりました。
株価回復局面において輸出関連・大型を中心に
上昇トレンドを継続するのが一般的という観点から、
まだ投資家のリスクオン姿勢は明確ではないというのが推測できます。
テクニカル・ファンダメンタルをまとめて判断すると、
誰もが喜んで買っていく上昇トレンドの相場とは程遠く、
一時的な上昇を演じている可能性が高い状況です。
言い換えればいつ激しい反転がきてもおかしくない状況。
戦略としては、
前日まで膨らませてきた大型・輸出関連を中心のポジションは
そろそろ厳しい利益確定の設定に傾けてください。
空売りしたポジションも同様に下げ止まり、トレンド転換が見られるので、
利益確定の注文をしっかり入れておいてください。
東証1部の売買代金は概算で1兆7796億円、
売買高は17億2232万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1395、
値下がりは443、変わらずは121銘柄でした。
■各市場の動き
日経平均: 16,169.11 +203.81 +1.28%
NYダウ(ドル): 17,804.87 +129.71 +0.73%
ドル(円): 103.99-00 -0.54円高 -0.51%
ユーロ(円): 117.87-91 -0.67円高 -0.56%