2016年6月27日の東京株式市場は大幅に上昇しました。
終値は357円19銭(2.39%)高の1万5309円21銭でした。
先週末は英国の離脱決定を受け1286円の下げ、
本日は大きな打撃を受けた日本株の割安さに着目した
押し目買いが入ることで上昇しました。
一方、為替市場の円高基調は上値を抑えて、上昇幅を限定させる要因となっています。
本日も最後までしっかりお読みください。
前営業日の米国市場は大きく下げました。
ダウ工業株30種平均は大きく下落して、
前営業日比160ドル32セント(3.4%)安の1万7400ドル75セント、
ナスダック総合株価指数も大きく下落して、
前営業日比202.062ポイント(4.1%)安の4707.979で取引を終えました。
英国の欧州連合離脱(BREXIT)が残留になるとの見方で大きく上昇した前日の
動きから一変、離脱決定の衝撃が市場を襲いました。
離脱決定でドルは対ポンド・ユーロに対して上昇
ドル高による業績への懸念が高まる銘柄を中心に売りが広がりました。
日本市場はBREXITの結果を真っ先に受けた市場で、
すでに先週末に1286円の下げを経験しています。
大阪市場より高く終わったCMEの日経225の結果や
大きく下落した後、押し目買いのチャンスだとの見方が広がり大きく躍進しました。
300円を大きく上回る上昇幅を見せた後、縮小される場面もありましたが、
再び伸びることで高値に近い価格で引けました。
それでは、これは上値を切り上げながらすぐさま金曜日の下げを
打ち消す動きになるのか?
少し市場を眺めてきた方なら違うということに気づくはずです。
英国離脱の影響を踏まえて、今週の動きと
それより長い長期的な動きについて考えてみます。
1. 円高基調は避けられない
英国離脱により可能性がほぼなくなったと考えられるのが米国の利上げです。
以前、このコラムでも「離脱決定の場合、さらに市場を混乱させる
利上げなどの行動をFRBも取りにくいでしょう」と解説しました。
利下げの可能性が低い上に、安全資産として買いが集まる円の性格上、
円安に振れる可能性は低いと考えられます。
もちろん一時的な円安の動きもあると思いますが、
長期的な動きはあくまでも円高基調を維持すると判断されます。
2.企業業績への影響は避けられない
円高基調が継続する場合、影響を受けるのはもちろん企業の業績
2017年3月期のレートを105円-110円と設定していた企業において
100円台の円高基調は減収・減益の要因になります。
株価下落によりPERは低下、PBRも理論上の解散価値である1倍に
近くことで割安生は高まりますが、
業績事態が低迷することには、大きな上昇用意として考えにくいでしょう。
以上のことを踏まえると、今は押し目買いのチャンスというよりは
「不透明性が高まり、乱高下しやすい不安定な相場」とみるのが適切な見方です。
大きく上げたものの、下落幅の中に包まれる保ち合いの領域を出ることはできず、
ニュース一つに敏感に反応する不安定な相場は続きます。
投資戦略について考えてみましょう。
先週、買われていた 、下落率の小さかった業種をみると
為替の影響を受けにくい、いわゆるディフェンシブ業種が上位を占めています。
買いをする場合は、このように為替、海外の影響を受けにくい業種に絞ること
短期の利益確定を重ねていく行動の早さが求められます。
一方、不安定相場で利益を上げやすいのは空売り銘柄。
メルマガで紹介している銘柄の中で、戻りになっている銘柄は
テクニカル的な節目まで戻った後、下に向かって反転すると
新たに売りたてのポジションを入れましょう。
週末のセミナーでは空売りを保有する受講生の方から
暴落の陰線を「明るい材料」と称して爆笑が起こりましたが、
正しい投資判断をするとこのような場面でも利益につながる、
少なくとも大きな損失にはならずに済むことができます。
歴史的な週末を過ごして迎える新たな月曜日、
波乱の要因はまだまだ残されていますが、
あの暴落でも世の中では誰も死んでないし、怪我もしていません。
この事態をちゃんと振り返り、いい教訓として捉えることができれば
強い投資家として市場に残り続けることができます。
元気に頑張っていきましょう。
■各市場の動き
日経平均: 15,309.21 +357.19 +2.39%
NYダウ(ドル):17,400.75 -610.32 -3.38%
ドル(円): 102.02-07 -1.03円高 -0.99%
ユーロ(円): 112.83-87 -2.18円高 -1.89%