2015年11月16日の東京株式市場は続落しました。
終値は前営業日比203円22銭(1.04%)安の1万9393円69銭でした。
200ドル以上さげた週末の米国市場の動きを反映して、
CME225先物でも200円以上の下げをみせたことで、
月曜日朝の下落は予見されていました。
市場の懸念材料になっていたパリの同時多発テロの影響はほとんどみられませんでした。
為替市場の円高基調とGDPの下振れで下げる要因しかない中で
底値硬くよく守った方だと判断できます。
前営業日の米国市場は前日よりも大幅な続落になりました。
ダウ工業株30種平均は大幅の続落で、
前営業日比202ドル83セント(1.2%)安の1万7245ドル24セント、
ナスダック総合株価指数は5日続落して、
前営業日比77.196ポイント(1.5%)安の4927.883で取引を終えました。
軟調な動きが続く欧州株式市場の動きと、
原油先物市場の下落基調、大幅に値をさげたシスコなどIT銘柄全般に
売りが広がることで市場全体を押し下げました。
調整が続く米国市場や軟調な流れになっている欧州市場ですが、
パリのテロなど悪材料を本格的に反映して動き始めるのは
本日の夕方からになるので、まだ不透明な動きが当分続くことだと予想しています。
日本市場はテロの影響が懸念されましたが、
米国市場の動きと200円の下げ幅になったCME
(12月物は前日比35円安の1万9415円で終了、
13日の大阪取引所の終値(1万9630円)を215円下回る)、
SGX(シンガポール)の日経先物の流れにサヤ寄せする形で寄り付いたことで、
一旦テロの影響はほとんど反映されてない流れになりました。
その後も大きく下値を割り込むような暴落の動きは見せず、
落ち着いた様子で終了しました。
テロの影響を懸念される方が多いので少し解説しておきます。
本日の流れから、市場へのインパクトは大きくないと判断するには
まだ早いと考えています。
フランスの報復空爆や米国の役割が問われるなど、
欧米の動きによって情勢は大きく変わっていく可能性を含んでいます。
なにしろ投資家心理が明るくなるような材料ではないので、
ここで急いで新たにポジションを入れるよりは
事態の成り行きを観察しながら、慎重に行動するのが賢明でしょう。
欧州のあり方自体が問われる大きな問題から、
テロ問題に敏感な米国消費市場でクリスマス商戦が萎縮されることで
経済の流れや利上げ時期に影響を与える短期的な問題まで
不確実性は高まるのが今後の動きです。
これに関連して、
世界の情勢はどうなりますか?12月の利上げはあるのでしょうか?などの
質問を頂くことが多いですが、授業でもメルマガでも何回も言っている通り、
私は投資家であって、占い師ではありません。
懸念されるリスクを洗い出し、それが顕在化した際には
どのような行動をするかを決めておく、そして顕在化した時は
迷わず決めた行動をする、投資家の行動はこれだけです。
従って今回の事態も一旦見守り、暴落するようなことが発生し、
自分のポジションがロスカットポイントを過ぎたら素早く実行する、
そして市場が落ち着くまで待つというのが基本スタンスです。
最後に、今回のテロで皆様や皆様の周りには何事もないことを願っております。
また今回の 反人道的な犯罪で亡くなられた方々の冥福を祈ると同時に
負傷した方の早い回復を祈っております。
他人を傷づけたり、命を奪うなど人間の尊厳を害する行為は
いかなる理由でも許されるものではありません。
これだけは確かです。
■各市場の動き
日経平均:19,393.69 -203.22 -1.04%
NYダウ(ドル):17,245.24 -202.83 -1.16%
ドル(円):122.42-52 -0.25円高 -0.20%
ユーロ(円):131.28-30 -0.94円高 -0.71%