【市場の総括】
2024年6月5日の東京株式市場は続落しました。終値は前営業日比終値は前日比347円29銭(0.89%)安の3万8490円17銭。前日の米半導体関連銘柄の下落などを背景に東京エレクトロンやレーザーテックに売りが膨らみ、相場を押し下げました。米国で市場予想を下回る経済統計の発表が増えており、世界景気の先行き不透明感から自動車や鉄鋼といった景気敏感株の下げも目立ちました。
||米国市場は反発
前日の米株式市場は反発となりました。ダウ指数は反発し、前日比140ドル26セント(0.36%)高の3万8711ドル29セント、ナスダックは続伸し28.377ポイント(0.16%)高の1万6857.047、S&P500種も続伸して7.94ポイント(0.15%)高の5,291.34で取引を終えました。
ダウ平均は下げで推移する場面もありましたが、市場予想を下回る結果が相次いだのが市場を押し上げる要因となりました。FRBの利下げに対する期待が高まったことで市場は反発しましたが、まだ上昇トレンドに戻ったとは言いがたい位置です。
【 今後の投資戦略】
米国の上昇にもかかわらず、日本市場は下落。米国市場との相関が薄れてきた日本市場を押し下げた要因が何かを落ち着いて考えると、「下げるしかないか?」となります。まず、市場に大きな影響を与える半導体関連の中でも圧倒的な取引量を誇るレーザーテックの悪材料。空売り投資家として有名なスコーピオン・キャピタルが公開的に空売りを推奨、7.5%安で引けました。
次、「トヨタ、あなたもか!」言いたくなる、トヨタの認証不正問題。本日は国土交通省がヤマハ発動機の本社に立ち入り検査に入るなど、悪材料が続いています。トヨタは暴落こそ免れたものの、本日も2%以上の下げとなり、市場全体を押し下げる要因となっています。
日本市場の上昇を牽引してきた半導体、そして円安による自動車関連の力強さ。2つの動力が動かなくなったところで、庶民の生活に目を向けると実質賃金は25ヶ月連続の下落。上がるものも上がらない、とトレーダー仲間が嘆いているのも納得。
それでも7年前からずっと半導体を支持してきた、筆者の考え方は変わらない。生成AIの競争激化に起因する需要拡大は中・長期的に変わることはないでしょうか。現在はキャッシュの比率を高めておいても調整が終わると、安く買うチャンスだと思ってよいでしょう。
【各市場の動き】
株式指標 | ||
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日経平均(円) | 38,490.17 | -347.29(-0.89%) |
TOPIX | 2,748.22 | -39.26(-1.41%) |
為替(日本時間 15:00) | ||
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ドル・円 | 155.77 - 155.79 | +0.39(0.25%) |
ユーロ・円 | 169.39 - 169.40 | +0.19(0.11%) |
ユーロ・ドル | 1.0871 - 1.0873 | -0.0018(-0.16%) |
海外株式 | ||
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NYダウ工業株30種(ドル) | 38,711.29 | +140.26(0.36%) |
S&P500種 | 5,291.34 | +7.94(0.15%) |
ナスダック | 16,857.047 | +28.377(0.16%) |
債券・金利 | ||
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長期(10年)国債金利(%) | 0.994 | -0.014 |
米10年国債(%) | 4.328 | -0.055 |