【市場の総括】
2024年8月5日の東京株式市場はかつて無い急落となりました。終値は前日比4451円28銭(12.4%)安の3万1458円42銭と1897年のブラックマンデーの翌日に着けた3836円48戦を超えて過去最大の下落幅を記録し取引を終えました。
朝方下げ幅を拡大させてから落ち着きを取り戻したかのように見えた相場は、後場の寄り付きから再び下げ始めました。サーキットブレイクが2回に渡って発動されましたが、下げの勢いは止まらず、史上最大の下げ幅を記録して歴史に残る日となりました。
||米国市場は3指数揃っての下落
前営業日の米株式市場は続落して前日比610ドル71セント(1.51%)安の3万9737ドル26セント、ナスダックは大幅続落して前日比417.981ポイント(2.43%)安の1万6776.164、S&P500種も続落して100.12ポイント(1.83%)安の5,346.56で取引を終えました。
2日に発表された7月の米雇用統計が市場予想を下回ったことが景気後退の懸念につながりました。直近の上昇で載せたばかりの4万ドルをダウ指数はあっさりと明け渡しました。
【 今後の投資戦略】
2024年は相場の歴史にずっと残る年になります。42,000円台と史上最高値を更新したのも今年であり、史上最大の下げ幅を記録したのも今日、2024年です。円高が急速に進むと共に米国の景気後退が重なった結果、4,451円という下げ幅を記録しましたが、ここまで下げる要因なのか?という疑問は残ります。
リーマンショックはサブプライムローンに端を発し、世界最大級の金融機関が破綻するという物理的な理由がありました。今回は確かに短期で15円以上進んだ円高、米国の景気後退という要因はありますが、それはあくまでも事前も折り込み、今すぐ顕在化されるような問題ではありません。
市場は投資家心理で動くという側面を明確にしました。それと同時に、米国の景気後退とともに円高をぶつけると、どんな結果になるのかを深く考えられない人たちが経済政策を握っているという悲しい現実を目の当たりにします。
この中でもなにを買うかを考えるよりは一歩引いて資金を温存することに集中してください。今週中には一回リバウンドのサインを出してくるので、その時に短期の買いを考えてもよいでしょう。
オプション戦略が組める方は、反転が見えているところで、上下どちらに動いても大丈夫なバッグスプレッド・コールや9月物を用いてのロング・コールを実行すると短期的な利益につながるでしょう。
【各市場の動き】
株式指標 | ||
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日経平均(円) | 31,458.42 | -4,451.28(-12.40%) |
TOPIX | 2,216.49 | -321.11(-12.65%) |
為替(日本時間 15:00) | ||
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ドル・円 | 142.30 - 142.32 | -6.90(-4.62%) |
ユーロ・円 | 155.11 - 155.13 | -6.10(-3.78%) |
ユーロ・ドル | 1.0899 - 1.0901 | +0.0095(0.87%) |
海外株式 | ||
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NYダウ工業株30種(ドル) | 39,737.26 | -610.71(-1.51%) |
S&P500種 | 5,346.56 | -100.12(-1.83%) |
ナスダック | 16,776.164 | -417.981(-2.43%) |
債券・金利 | ||
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長期(10年)国債金利(%) | 0.760 | -0.195 |
米10年国債(%) | 3.801 | -0.176 |