【市場の総括】
2025年1月15日の東京株式市場は5日続落しました。終値は、前日比29円72銭(0.08%)安の3万8444円58銭で取引を終えました。前日まで4日連続で下げており、自律反発を狙う買いが入って一時的に上昇幅が300円を超える場面もありました。
CPIの結果が市場予想を下回ったことがポジティブ要因でしたが、PPPの発表に備えてポジションを整理して売っておく動きが続きました。米国のハイテク株が売られ、ナスダックが下げたことが重荷になり、半導体株が売られました。
||米国市場はまちまちな動きが続く
前日の米株式市場は続伸し、前日比221ドル16セント(0.52%)高の4万2518ドル28セント、ナスダックは5日続落し、前日比43.709ポイント(0.22%)安の1万9044.393、S&P500種も小幅に続伸し、6.69ポイント(0.11%)高で取引を終えました。
ダウ指数は上昇しましたが、方向感のない動きでした。当日の朝方発表されたPPIは市場予想を下回りました。インフレ懸念が後退したことを好感した買いが進みましたが、CPIの発表を控えており、ポジション調整で140ドルを下げる場面もありました。
【 今後の投資戦略】
方向感のない動きになったのは米国市場同様でした。5日連続で下げる中でも一つの慰安材料は一時300円を超える下げ幅から取り戻したことや、テクニカル的にも下げ止まる形になったことです。しかし、ここで安心するにはまだ懸念材料がいくつか残されています。
植田和男総裁は全国地方銀行協会で金融政策決定会合について「利上げを行うかどうか議論して判断する」と発言しました。「おでん屋に行ったらおでんを食べます」のような、当たり前という印象を受ける内容ですが、利上げへの可能性が開かれた内容と解釈され、上値を抑えました。
また、その発言を受けて10年物国債利回りが上昇(債券価格は下落)、1.259%まで進み、13年ぶりの高い水準を記録しました。新発2年物国債利回りに至っては0.7%、2008年10月以来となる16年ぶりの高水準。
それにプラスして今夜のCPI発表、トランプの就任、本格化する決算発表などなど、リスク要因はいくつもあります。安定した動きを望むのがむしろおかしいとまで思える状況です。この動きは少なくとも来週までは続くと考えてよいでしょう。株式の買いを中心とする場合は先物の売りを挟んでヘッジをしておくことが有効的です。また、オプションではATM付近から少しだけずらしたストライクプライスを中心としてリバース・アイアン・コンドルを組んでおくことで上げても下げても利益になる戦略を組んでおくのも効果的です。
【各市場の動き】
株式指標 | ||
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日経平均(円) | 38,444.58 | -29.72(-0.08%) |
TOPIX | 2,690.81 | +8.23(0.31%) |
為替(日本時間 18:00) | ||
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ドル・円 | 157.13 - 157.14 | -0.39(-0.24%) |
ユーロ・円 | 161.77 - 161.79 | +0.24(0.14%) |
ユーロ・ドル | 1.0294 - 1.0296 | +0.0040(0.39%) |
海外株式 | ||
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NYダウ工業株30種(ドル) | 42,518.28 | +221.16(0.52%) |
S&P500種 | 5,842.91 | +6.69(0.11%) |
ナスダック | 19,044.393 | -43.709(-0.22%) |
債券・金利 | ||
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長期(10年)国債金利(%) | 1.250 | +0.010 |
米10年国債(%) | 4.789 | ±0.000 |