【市場の総括】
2025年4月18日の東京株式市場は続伸しました。終値は前日比352円68銭(1.03%)高の3万4730円28銭で取引を終えました。材料が乏しい中、製薬業種が相場をリードしました。
米国、英国相場が休場で参考になる指標がなく、材料が不足していました。イーライ・リリーに譲渡した肥満症薬候補の治験結果が良好だと伝わった中外製薬のニュースで業種全体が大きく上昇しました。中外製薬は1人で日経平均を1240円超押し上げました。
||米国市場は3日続落
前日の米株式市場は3日続落し、前日比527ドル16セント(1.32%)安の3万9142ドル23セント、ナスダックは3日続落し、前日比20.712ポイント(0.12%)安の1万6286.448、S&P500種も小幅に反発し、前日比7.00ポイント(0.13%)高の5,282.70で取引を終えました。
メディケア事業の業績悪化で2025年1〜3月期決算の結果が市場予想を下回ったユナイテッドヘルスが寄り付き前から急落、20%下落のままオープンを迎えました。最終的には22%の暴落で、市場全体の下げにつながりました。エヌビディアの売りが続いたハイテク業界の不振でナスダックも下げましたが、過度な下落は終わったような下げ幅でした。
【 今後の投資戦略】
市場はトランプ劇場の恐怖から抜け出したのか?という疑問と疑いを常に持ち続けているのが今の相場です。この一週間はそれを解消するために頑張る姿が見られた相場でもありました。
米セントルイス連銀(FRED)が提供するハイイールドスプレッドの動向から判断するとスプレッドが2024年3月頃から急上昇し、4月には4.6%前後までスプレッドが拡大、その後、直近ではやや縮小して4.0%付近まで落ち着いてきました。
3月中旬以降の急激なスプレッド拡大で投資家心理がリスクを強く回避する方に傾き、景気不安・信用不安の顕在化を示したいましたが、4月中旬に入って若干の縮小(4.6%→4.0%)がみられ、パニックのピークアウト感が確かに出ています。これは、本物のピークアウトなのか、一時的な安堵感なのかと言い切ることはできません。ただ、現在のスプレッドは明確にリスク回避モードを示しており、市場は景気後退の可能性を強く意識している状況だというのは間違いありません。まとめると、
→株式市場の上昇があっても「信じ切れない相場(bear market rally)」の可能性も残っている。
それを反映してディフェンシブ系は再び強くなり始めたので、景気耐性を持つ銘柄には継続して注目しましょう。特に、神戸物産、ニトリなど円高メリット銘柄は継続して注目されますので、週末の間にチェックしてみてください。

【各市場の動き】
株式指標 | ||
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日経平均(円) | 34,730.28 | +352.68(1.03%) |
TOPIX | 2,559.15 | +28.92(1.14%) |
為替(日本時間 16:00) | ||
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ドル・円 | 142.36 - 142.39 | -0.53(-0.37%) |
ユーロ・円 | 161.78 - 161.81 | -0.78(-0.47%) |
ユーロ・ドル | 1.1362 - 1.1365 | -0.0014(-0.12%) |
海外株式 | ||
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NYダウ工業株30種(ドル) | 39,142.23 | -527.16(-1.32%) |
S&P500種 | 5,282.70 | +7.00(0.13%) |
ナスダック | 16,286.448 | -20.712(-0.12%) |
債券・金利 | ||
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長期(10年)国債金利(%) | 1.285 | -0.020 |
米10年国債(%) | 4.326 | +0.048 |