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2025年5月23日の日経概況及び今後の展望

【市場の総括】

2025年5月23日の東京株式市場は3日ぶりに反発しました。終値は前日比174円60銭(0.47%)高の3万7160円47銭で取引を終えました。米国市場でハイテク株が上昇、ナスダック指数が上げたことを好感して上昇しました。

前日まで強く上昇していた10年物国債利回りがポジション調整により債券価格が上昇、利回りは下落しました。また午前中は円高基調が止まり、円安に触れたことも市場を押し上げる要因となりました。

||米国市場はまちまちな動き

前日の米株式市場は小幅に3日続落し、前日比1ドル35セント安の4万1859ドル09セント、ナスダックは3営業日ぶりに反発し、前日比53.092ポイント高の1万8925.735、S&P500種は続落し、前日比2.60ポイント(0.04%)安の5,842.01で取引を終えました。

米国市場でも前日まで強く上昇していた長期金利が頭打ちとなり、下げに転じました。長期金利の上昇により割高感が目立ったハイテク株の割高感が後退、資金が流れたことでナスダック指数は3営業日ぶりに反発して終えました。

【 今後の投資戦略】

「静寂の中の変化」に備える週──方向感に欠ける地合いの中で見えてくるテーマ転換

来週(2025年5月27日~31日)の市場は、米国がメモリアルデーで休場する26日(月)から静かに始まりますが、週の後半にかけては材料に対する感応度が高まり、イベントをきっかけに市場の雰囲気が変わる可能性があります。

なかでも最大の注目材料は、28日(火)に予定されているエヌビディアの決算発表です。AI関連の旗手である同社の業績は、日本市場のハイテク・半導体関連株にも大きな影響を与えます。予想を上回る好決算が出た場合、リスク選好が一気に高まり、日経平均を押し上げる展開も想定されます。

また、同日発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨や、30日(木)の米PCEコアデフレーター(個人消費支出物価指数)など、米金融政策を占う重要な経済指標が目白押しです。これらを背景に、米長期金利の変動が再び注目され、為替市場を通じて日本株への影響も出てくるでしょう。

一方、東京市場では、方向感の乏しい中で防衛や造船関連株に資金が集まっております。米国政権の原発強化方針や防衛強化の流れを受けて、三菱重工や日本製鋼所などが年初来高値を更新する動きも見られています。今後は、電線株などを含めた「インフレ・地政学リスク対応型セクター」への資金シフトが続くかどうかが注目されます。

国内では30日(木)に発表される東京都区部のCPI(消費者物価指数)や鉱工業生産などの経済指標が注目されますが、全体としては外部要因への関心の方が高くなりそうです。日経平均株価は引き続き、材料次第で一進一退の展開が続くとみられます。

✅ 来週の注目イベント

日付時間指標名予想前回
5月27日(火)21:30米国4月耐久財受注(速報値)(前月比)-8.2%9.2%
 21:30米国4月耐久財受注(輸送除くコア・前月比)0.0%0.0%
 23:00米国5月コンファレンスボード消費者信頼感指数87.086.0
5月29日(木)03:00米国5月FOMC議事録公表
 21:30米国1-3月期GDP(改定値)(前期比年率)-0.3%-0.3%
5月30日(金)08:30日本4月完全失業率2.5%2.5%
 08:30日本4月有効求人倍率1.261.26
 08:50日本4月鉱工業生産指数(速報値)(前月比)-1.2%0.2%
 21:30米国4月PCEデフレーター(前年比)2.2%2.3%
 21:30米国4月PCEコアデフレーター(前月比)0.1%0.0%
 21:30米国4月PCEコアデフレーター(前年比)2.5%2.6%

【各市場の動き】

株式指標
日経平均(円) 37,160.47 +174.60(0.47%)
TOPIX 2,734.30 +17.21(0.63%)
為替(日本時間 16:00)
ドル・円 143.53 - 143.55 +0.49(0.34%)
ユーロ・円 162.39 - 162.41 +0.45(0.27%)
ユーロ・ドル 1.1312 - 1.1314 -0.0008(-0.07%)
海外株式
NYダウ工業株30種(ドル) 41,859.09 -1.35(0.00%)
S&P500種 5,842.01 -2.60(-0.04%)
ナスダック 18,925.735 +53.092(0.28%)
債券・金利
長期(10年)国債金利(%) 1.545 -0.015
米10年国債(%) 4.530 -0.070
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