【市場の総括】
2025年7月1日の東京株式市場は6営業日ぶりに反落しました。終値は前日比501円06銭(1.24%)安の3万9986円33銭で取引を終えました。勢いよく4万円を突破してきた相場でしたが、4万円台を割り込みました。ここで一旦足元を固める動きとなっています。
6月23日からの急激な上昇を受けて、利益確定売りが出ることは自然な流れでした。前日のRSI(相対力指数)も70を超えて推移しており、過熱感を示していたため、これは「あるべき調整」と考えられます。重要なのは、大きな下落要因があって下げたわけではないということです。一旦調整を経た後は、再び切り返して上昇に向かう可能性が高いと予想されます。
||米国市場は続伸
前日の米株式市場は3日続伸し、前週末比275ドル50セント(0.62%)高の4万4094ドル77セント、ナスダックは6日続伸し、前週末比96.274ポイント(0.47%)高の2万0369.733、S&P500種も3日続伸し、前週末比31.88ポイント(0.51%)高の6204.95で取引を終えました。
米国市場は依然として強い動きを見せています。ダウ平均は3日連続でギャップアップしながら上昇しました。しかし、ナスダックのローソク足を見ると日経平均と似た形になっています。ギャップアップして上昇したものの、実体が薄くなり上下のヒゲが長くなっており、迷いが見えてきています。RSIも70を超えており、こちらも過熱感が意識されるレベルに達しています。
【 今後の投資戦略】
半導体株に転換点の兆し
特に注目すべきは半導体セクターの動きです。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は5.6ポイント上昇したものの、上昇率はわずか0.03%と、ここ3日間で上値の重さが目立ち始めています。
エヌビディアに見る転換サイン
半導体セクターの代表的銘柄であるエヌビディアのチャートを見ると、これまで陽線が大きく続いて力強く上昇していましたが、昨日は上昇しているものの陰線となり、実体が小さくなっています。これは迷いが強くなることを意味する重要なサインです。
この動きを受けて、日本の半導体関連株も軟調となりました:
- レーザーテック:-3%
- 東京エレクトロン:-2%超
- SCREENホールディングス:約-3%
半導体関連の調整が本格化する可能性があり、アイランドリバーサル(島状態で残る反転パターン)の形成も警戒されます。
今後の投資戦略と注目ポイント
短期的な展望
今回の調整の分岐点となるのは、今週発表される米国の景気関連指標と雇用統計です。これらの結果次第で、相場の方向性が決まる可能性があります。
セクター別戦略
慎重姿勢が必要なセクター
- 半導体関連:調整局面入りの可能性
- 自動車関連:円高と貿易摩擦の二重の逆風
注目セクター
- 内需関連:円高の恩恵を受ける可能性
- 金融関連:日銀の利上げ観測でポジティブ
調整局面を次の上昇に向けた準備期間として活用し、冷静な投資判断を心がけることをお勧めします。

【各市場の動き】
株式指標 | ||
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日経平均(円) | 39,986.33 | -501.06(-1.24%) |
TOPIX | 2,832.07 | -20.77(-0.73%) |
為替(日本時間 16:00) | ||
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ドル・円 | 143.64 - 143.65 | -0.48(-0.33%) |
ユーロ・円 | 169.23 - 169.25 | +0.32(0.18%) |
ユーロ・ドル | 1.1782 - 1.1784 | +0.0062(0.52%) |
海外株式 | ||
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NYダウ工業株30種(ドル) | 44,094.77 | +275.50(0.62%) |
S&P500種 | 6,204.95 | +31.88(0.51%) |
ナスダック | 20,369.733 | +96.274(0.47%) |
債券・金利 | ||
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長期(10年)国債金利(%) | 1.390 | -0.040 |
米10年国債(%) | 4.230 | -0.053 |