2017年4月27日の東京株式市場は5営業日ぶりに反落しました。
終値は37円56銭(0.19%)安の1万9251円87銭でした。
実現可能性に疑問を持たせる税制改革案を発表した
トランプ政権に対して、米国市場は極めて限定的な反応を示し、
利益確定のタイミングに来ていた日本には
売りの材料になりました。
連休前にポジションを断つ動くが続く中、
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は反落しました。
ダウ工業株30種平均は反落して、
前営業日比21ドル03セント(0.1%)安の2万0975ドル09セント、
ナスダック総合株価指数も小幅反落して、
前営業日比0.266ポイント(0.0%)安の6025.226で取引を終えました。
法人税率を15%に引き下げる方針を明らかにするなど、
26日に発表された税制改革案は公約のレベルから変わりの内容で
サプライズの材料にはなりませんでした。
また税制改革案の財源に対する具体案がなかったことで、
実現可能性には疑問符がつくことから、下げが進みました。
前日は
“発表後は「折り込み済み」で利益確定が出る可能性もあります。”と解説しましたが、
サプライズよりは、こちらのシナリオ通りに動きました。
これからは決算頼りの相場になります。
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【日本市場の動向:ファンダメンタル】
市場の材料になることが期待された税制改革案は
懸念した通り、大きなプラス要素にならず、
市場に「落ち着きさ」を与えました。
26日のCME日経平均先物は6営業日ぶりに反落 、
25円安の1万9175円で引けました。
SGX日経平均先物も85円安の1万9195円で寄り付き、
日経は小幅動きの流れを引き継ぎました。
日経の始値は前日比83円84銭安の1万9205円59銭、
10時を過ぎると下げ幅は縮小されたものの、
積極的に買いを進めるには至らず、
前日の終値を挟んだ小動きに終始しながら、
連休前のポジション整理もこなしました。
日銀は市場予想通りに金融政策決定会合で金融政策の現状維持を
決めたとの結果が出ると、材料難が続き、
37円安で本日の取引を終えました。
東証1部の売買代金は概算で2兆4554億円、
売買高は19億7020万株でした。
下落はしましたが、東証1部の値下がり銘柄数は672、
値上がりは1219で値上がり銘柄の方が多く、方向感のなさを表しています。
変わらずは125銘柄でした。
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【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は短い上ヒゲを持つ短陽線を形成しました。
前日の日足に包まれる持ち合いの形で
市場に迷いが生じているサインを出しています。
一目均衡表では上雲の中に戻って、雲中を演出していることで、
「迷い中」という印象を強くしました。
迷いがあるとは言え、積極的に売り込む材料もない中、
陽線が続いたことは下値が限定的に維持するであろうという予想を与えました。
ボリンジャーバンドと25日線などは前日より上向き継続、
上昇の勢いが崩れてはいませんが、大型連休を前にして
モメンタムは弱まっているとみられます。
明日はポジションを整理する動きが継続することが予想されるので、
せっかく積み上げてきた利益の確保はしっかり行う必要があります。
連休あけてから+7営業日には変化日が構えているので、
雲下になる場合は、抵抗に変わる可能性もあることに注意しましょう。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
日経平均は5営業日ぶりに反落しました。
大型連休の前に積み上がってきた利益はある中、
期待していた材料がイマイチな結果になったことで
失望売りが出てもいい状況だったことを考えると、
よく守った方だと評価できます。
大型連休を前にして、見極めの時期にきています。
日本市場の注目材料はなんと言っても本日と明日で
ピークを迎える決算発表です。
決算発表シーズンなので、材料一つで変動性の高い動きになるのは当然のことですが、
明日までの結果を反映して、全体の流れを把握する必要があります。
好調な結果が予想されていただけに、
ピークを過ぎても市場に満足を与えるほどのレベルでなければ、
厳しい動きを強いられることが予想されます。
一方、ファンダメンタル的に良好であることを十分アピールできるレベルの場合は、
さらに上を目指す動きが連休明けからじわじわと広がることも期待できます。
「動きが激しいので、何を買えばいいかわからず、困っている」
という相談も受けますが、
連休前の決算発表シーズンなので、「あって当然」という心得でいてください。
新たな銘柄を仕込むよりは、
明日までの雰囲気を見ながら、連休あけの戦略を練るのが賢明な戦略でしょう。
連休以降の戦略に関しては今週末の動画マガジンでも触れることにします。
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【各市場の動き】
日経平均(円):19,251.87 -37.56 -0.19%
NYダウ(ドル):20,975.09 -21.03 -0.10%
ドル(円): 111.34-35 +0.11円安 +0.09%
ユーロ(円): 121.53-57 +0.14円安 +0.11%