2018年8月2日の東京株式市場は反落しました。
終値は前営業日比234円17銭(1.03%)安の2万2512円53銭でした。
貿易摩擦問題に関連して新たな懸念事項が噴出、
米国市場が反落したことを受け、売り先行でスタートしました。
リスクを意識した円買いで円高が進み、
上海などのアジア市場も急落したと伝わることで
下げ幅を拡大させました。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は反落しました。
ダウ工業株30種平均は反落して
前営業日比81ドル37セント(0.3%)安の2万5333ドル82セント、
ナスダック総合株価指数は2日続伸して
前営業日比35.497ポイント(0.5%)高の7707.286で取引を終えました。
貿易摩擦の緩和期待で前日は買われましたが、
真逆の動きがでました。
トランプ氏は中国からの輸入品にかける関税を
2000億ドル相当に対して10%から25%に
引き上げる案を検討しているとのことで、
投資家心理が悪化しました。
この材料は市場が引けた後、早速現実として現れました。
中国関連の大型銘柄として分類される
ボーイング、3M、キャタピラーなどが大きく売られました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場が反落したことに加えて、
米中の貿易摩擦問題が再燃、
売りが先行してスタートしました。
リスクの意識で円安が早くも訂正され、円高に振れると
輸出関連銘柄に売りが広がり、
上海などアジア市場が急落しているとのニュースが伝わることで
下げ幅を拡大させました。
非鉄金属、海運業が大きく売られ、
自動車部門も厳しい動きを強いられました。
前日大きく買われた鉄鋼も売られる一方、
電気・ガス、パルプ・紙などのセクターに買いが進みました。
日経の日足は上下ヒゲを持つ陰線を形成しました。
前日の高値と安値を切り下げたので、形でも下落です。
安値は75日線の直前に止まりましたが、
再び下げの形になってきたので、心理的には安定する暇がありません。
今週入ってからの4日間は結局上下動きのわからない持ち合い、
安値がかたく守られているということだけが
投資家心理を大量に悪化させない要因になっています。
より長い範囲からみても5/21の高値から
高値切り下げ、安値は切り上げの二等辺三角形を形成、
迷いが強くなるというのは変わりありませんので
上か下、どちらに振れてもおかしくない流れです。
東証1部の売買代金は2兆7678億円、
売買高は16億4242万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1509、
値上がりは509、変わらずは85でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
懸念材料は惜しげも無く顕在化する、
今年のテーマかも知れません。
可能性が報じられたのが昨夜でしたが、
早速朝方には現実のニュースとして現れ、
トランプ氏が1日、2千億ドル分(約22兆円)の
中国製品を対象とした関税率を10%から25%に
引き上げるようUSTRに検討を指示しました。
まだ決定ではなく、中国を脅すためのパフォーマンスの可能性も残されていますが、
それだけで上海市場は景気減速の懸念から大きく下げ、
日本市場にも波及しました。
しかし、材料によって乱高下する、下値は下げにくいというのは
先週末からの予想で解説した通りで
ある意味、心配のない想定通りの動きと言えます。
乱高下するのはわかったけど、下値は下げにくいとは
なぜ予測できたのか?という質問をいくつか頂きました。
答えは「貿易摩擦が懸念事項ではありますが、
記録的な景気拡張に燃える米国市場、
好調な日本企業の業績を止めるまでには至ってない」からです。
前日発表された日本の有効求人倍率は40年ぶりの高水準を維持、
(この時期に生まれたら就職しやすかったな、と氷河期経験者は泣きます)
米国も完全雇用の状況が続きます。
ファンダメンタル的には下げる要因が見当たりませんが、
貿易摩擦の材料もすぐに解消される問題ではないのが乱高下を引き起こしています。
明日も雇用統計が控えていることから動きづらいところですが、
その結果と、日米企業の業績発表が一段落すると明確な方向性は見えてくるでしょう。
ただし、追加関税の対象になりやすい自動車関連には
乱高下要因がより大きく潜んでいるので、
デイトレード以外の取り組みには慎重になる必要があります。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
22,512.53 -234.17(-1.03%)
NYダウ(ドル)
25,333.82 -81.37(-0.32%)
ドル・円
111.55 – 111.56 -0.56(-0.49%)
ユーロ・円
129.97 – 130.01 -1.06(-0.80%)