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週刊にっけいWEEKLY NIKKEI ── みんなでよめる統合版
水木で大きく上げ今週の日経の天気
月曜・火曜は2日つづけて値下がり。でも水曜は原油の値下がりで1,272円高、木曜はアメリカの半導体の会社の決算がよくて2,203円高!金曜は少し下げて、週間ではおよそ1,945円(2.93%)の値上がり
日経平均は、日本を代表する225の会社の株の「クラスの平均点」のようなもの。今週は、月曜に上がる力が続かず487円安、火曜は「配当落ち」という特別な日で396円安。ところが水曜は、サウジアラビアの大きなパイプライン(原油を運ぶ管)が半分なおって原油が値下がりし、33業種すべてが上がる「みんなで上がる日」に。木曜はアメリカの半導体の会社マイクロン・テクノロジーの決算がよく、半導体の株を中心に2,203円も上がりました。金曜は2日間で3,400円以上上がった反動で647円安。1週間の合計でおよそ1,945円(2.93%)値上がりしました。ただし、もうひとつの物差し「TOPIX」は週間で値下がりしています。
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💡 前の日より上がった日はあか、下がった日はあおのまるだよ。
月火2日つづけて値下がり。火曜は「配当落ち」の日だった
続かず487円安
約380円分が下がりやすい
▼396円、TOPIXは1.72%下落
水原油が値下がりして、33業種すべてが上昇!1,272円高
パイプラインが半分なおる
会社のコストが下がる期待
▲1,272円、33業種すべて上昇
木アメリカの半導体の会社の決算がよくて、2,203円の大幅高
決算が予想より良い
1株の値段が高い株に買い
▲2,203円、TOPIXは0.57%だけ
金2日で3,400円以上上がった反動で647円安。でも資源の株は上昇
上昇の反動
ほかの29業種は下落
▼647円、TOPIXも0.99%下落
配当をもらえる権利が決まった次の日に、その配当の分だけ株の値段が下がりやすくなることです。権利が決まったあとに株を買っても、今回の配当はもらえないからです。
今週のできごとQ. 火曜日、日経平均は396円下がったけれど「ほんとうは少しの値下がり」と言われました。その理由は?
○×クイズ:正しいと思ったら○、ちがうと思ったら×!
今週、日経平均は2.93%上がったのに、TOPIXは0.91%下がった。同じ1週間なのに、どうして逆向きになったの?
ここから先は漢字がふえるよ(むずかしい漢字にはふりがな付き)
原油に振り回された1週間
そして日経平均とTOPIXの「逆向き」
ここから漢字が増えます(難読語・専門用語にはふりがな)。同じ1週間を、一段深いところから見直します。
今週は、原油の値段が動くたびに、買われる業種が入れかわりました。火曜は、イランとの和平交渉が進まず原油が買われ、石油・石炭製品や鉄鋼などが大きく下げました。水曜は、サウジアラビアの主要パイプラインが半分復旧して原油が下がり、33業種すべてが上昇。そして金曜は、米軍の中東増派の報道で原油が上がり、非鉄金属・鉱業・石油・海運の4業種だけが上がって、残る29業種が下がりました。
?原油高は、株にとって「良いニュース」?「悪いニュース」?
答えは「会社による」です。原油や資源を掘ったり売ったりする会社にとって、原油高は売り上げが増えるチャンス。一方、燃料や原材料を買う側の多くの会社にとってはコストが増えるマイナス材料です。さらに原油高は物価を押し上げ、金利が上がるのではという心配にもつながります。金曜は、同じ原油高が資源株を上げ、それ以外の株を下げるという「分かれた相場」になりました。なお、金曜の取引が終わったあと、フランスが原油などの備蓄を放出する案を示したと伝わり、原油先物は1バレル89ドル台前半まで下がっています。
日経平均のほかに、プロが必ず見る指数(平均点)がもうひとつあります。TOPIX(トピックス)――東証プライムのほぼ全銘柄を、時価総額で重みづけした指数です。今週の成績を比べてみましょう。
週間では日経平均+2.93%に対してTOPIXは-0.91%と、向きそのものが逆になりました。差が大きく開いたのは2日です。火曜は配当落ちの影響で、配当利回りの高い業種ほど売られ、日経平均-0.60%に対してTOPIXは-1.72%。木曜は半導体関連の株に買いが集中し、日経平均+3.30%に対してTOPIXは+0.57%でした。NT倍率(日経平均÷TOPIX)は先週末の約16.07倍から、金曜には約16.70倍まで上がっています。
木曜の日経平均2,203円高のうち、アドバンテスト1銘柄だけで約722円分、東京エレクトロンが約386円分を占めました。ところが33業種のうち上がったのは11業種だけで、石油・石炭製品や銀行業、保険業は下落。日経平均の構成銘柄でも値上がり108に対して値下がり115と、下がった銘柄の方が多い日でした。「日経平均の大幅高」と「市場全体の大幅高」は、同じ意味ではありません。
決算(けっさん)
会社が一定の期間(3か月や1年)にどれだけ売り上げ、どれだけもうけたかをまとめて発表すること。今週は米マイクロン・テクノロジーの6〜8月期決算が予想を上回り、日本の半導体関連株まで大きく動いた。
移動平均線(いどうへいきんせん)
過去の一定期間の終値の平均を毎日つないだ線。株価の流れの目安に使われる。今週は月曜に75日移動平均線(約6万6635円)に上値を抑えられ、水曜に約82円上回って引けた。
Q. 今週、日経平均は上がったのに、TOPIXは下がった。この理由を50字くらいで説明してみよう。
週末には日経平均とTOPIXの差が3.8ポイント以上に。2本の線をグラフに重ねると、差はいつ、どれだけ開いたのだろう?
データとグラフで読む、いちばん深いフロアです
指数の構造 ── 値がさ株と配当落ちが開いた3.8ポイント
最終フロア。2本の指数を重ねて描き、乖離が生まれるしくみと、正解のない問いまで。学術・実務レベルの用語にはふりがなを付けています。
月曜はほぼ同じ下げ(日経平均99.3、TOPIX99.6)でしたが、火曜の配当落ちでTOPIXが97.9まで下げ、日経平均(98.7)との差が開きました。水曜は両指数ともに上昇(100.6と99.5)。木曜は日経平均が103.9まで跳ねた一方、TOPIXは100.1と小幅高にとどまり、差は約3.8ポイントに拡大。金曜は両指数ほぼ同じ率で下げ、週末は日経平均102.9、TOPIX99.1で終えています。
株価平均型(225銘柄)
構成銘柄の株価を(調整のうえ)平均する。1株の値段が高い「値がさ株」の影響が大きい。木曜はアドバンテスト(約722円分)、東京エレクトロン(約386円分)、ソフトバンクグループ(約219円分)、ファーストリテイリング(約152円分)の4銘柄で約1,481円を押し上げ、構成銘柄では値下がり115が値上がり108を上回っていたのに、指数は2,203円高となった。時価総額加重型(プライム全銘柄ベース)
会社の規模(時価総額)で重みづけして平均する。市場全体のお金の動きに近い。木曜は値上がり750・値下がり747とほぼ半々で+0.57%。火曜は配当落ちで値下がりが全体の85%を占め、-1.72%と日経平均(-0.60%)より大きく下げた。プロは両指数を見比べて、動きが一部に偏っているのか市場全体に広がっているのかを診断する。今週は水曜が「広がった上げ」、木曜が「偏った上げ」の典型例だった。週間で日経平均が上がりTOPIXが下がったのは、上昇が一部の値がさ株に偏っていたことを示している。
前回号(9/21〜9/25)では、「30日の米個人消費支出(PCE)物価指数とマイクロン・テクノロジーの決算、10月2日の米雇用統計、そして10年物国債の利回りが25日の日中高値3.115%を上に抜けるか」に注目としていました。結果は、8月のPCE価格指数が前年比3.4%と予想(3.7%)を下回り、米国の10月の利上げ観測が後退しました。マイクロンの決算は売上高・1株利益とも予想を上回り、1日の日経平均2,203円高の材料になりました。米雇用統計は2日の日本時間21時30分の発表で、本号の出典記事の時点ではまだ結果が出ていません(次号で確認します)。10年物国債の利回りは、各日の記事で報じられた終値・日中高値の範囲では最高でも3.095%(28日の日中高値、1日の終値)で、3.115%を上回ったという記載はありませんでした。
Q1今週、日経平均は+2.93%、TOPIXは-0.91%と逆方向に動いた。この差が火曜と木曜に大きく開いた理由を、「値がさ株」「時価総額加重型」「配当落ち」という語を使って150字程度で説明せよ。
Q2水曜は原油安で33業種すべてが上がり、金曜は原油高で4業種だけが上がった。原油という一つの材料が、日によって「全員に効く」ときと「業種を分ける」ときがあるのはなぜか、根拠とともに述べよ(正解はない)。
本紙の「因果の鎖」も理解のための整理であり、実際の相場は無数の要因が同時に働いた結果だ。今週の配当落ちを含む前半の下げから、原油安による全面高、マイクロンの好決算による半導体株の急伸、そして反動の下げまでを一本の筋で語ることはできても、そこには中東情勢と原油価格・米国の長期金利と利上げ観測・米国の経済指標・海外の半導体株・為替の変動・先物の売買という要因が複雑に絡み合っており、事後にすらすべてを説明することはできない。「もっともらしい一つの物語」を疑う姿勢そのものが、市場リテラシーの核心である。市場に単一の説明はない。
最深部まで読破!
今週きみが手に入れたもの:配当落ち/決算/移動平均線。
来週は、2日に発表された米雇用統計を受けて米長期金利がどう動くか、原油価格(フランスの備蓄放出案)の行方、そして日経平均が金曜の高値6万8741円を上回れるかに注目。答え合わせは次号で。
上げ・下げ・停滞。
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