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【2026/10/13~10/16】週間にっけい

きみは今日、どのフロアから読む?

どこから入っても、各フロアの最初に「1分おさらい」があるよ

週刊にっけいWEEKLY NIKKEI ── みんなでよめる統合版

2026年10月13日(火)〜10月16日(金)
① 今週のひとこと
☁→⛈→🌤木曜に大雨、
金曜すこし晴れ
今週の日経の天気

月曜はお休み。火曜と水曜は半導体の株が売られて値下がりし、木曜は3,318円安と、これまでで3番目に大きな下げになりました。金曜は7日ぶりに値上がり。週間ではおよそ3,707円(5.37%)の値下がり

日経平均にっけいへいきんは、日本を代表する225の会社の株の「クラスの平均点」のようなもの。今週は月曜日が「スポーツの日」で、東京の株の市場はお休みでした。火曜日は、アメリカで半導体の株が下がった流れを受けて1,253円安。水曜日は午後までは上がっていたのに、オランダの半導体の会社の決算けっさんをきっかけに売られ、33円安。木曜日は、アメリカの物の値段の上がり方が予想より大きかったことなどから、3,318円も下がりました。下げ幅は、これまでで3番目の大きさです。金曜日は「下がりすぎた」と見た人の買いで898円高となり、7日ぶりに上がりました。1週間の合計ではおよそ3,707円(5.37%)値下がりしました。もうひとつの物差ものさし「TOPIX」も週間で値下がりしましたが、下がり方は日経平均よりずっと小さめでした。

先週の終わり(10/9)
69,031円
➜
今週の終わり(10/16)
65,324円
▼ 3,707円さがった(約5.37%)
② 今週のグラフ

👇グラフの日づけの まるを タップしてみてね!その日に なにが あったのか、お話が でてくるよ

70,00068,00066,00064,000 先週末 月 お休み 火 🌧 水 ☁ 木 ⛈ 金 🌤
まだ なにも えらんでいないよ
上のグラフの まる(先週末・月・火…)を タップすると、ここに その日のお話が でてくるよ。

💡 前の日より上がった日はあか、下がった日はあおのまるだよ。お休みの日ははいいろで、前の日と同じ高さにしてあるよ。

③ なにがあったの?

月スポーツの日で、東京の株の市場はお休み

10月12日(月)は祝日の「スポーツの日」。東京証券取引所での株の売り買いはお休みでした。ただ、大阪取引所では「日経平均先物」という、日経平均の先の値段を売り買いする取引が行われていて、前の営業日より320円安い6万9150円で終わりました。
祝日で
株の市場はお休み
➜
大阪では先物の
取引だけ行われた
➜
先物は
▼320円で終わる

火半導体の株が売られて1,253円安。でも7割の株は上がった

前の日のアメリカで、半導体の会社の株をまとめた「SOX指数」が2.67%下がりました。その流れで、日本でも東京エレクトロンやソフトバンクグループ、アドバンテストなどが売られ、日経平均は1,253円安の6万7778円。午前中には一時、2000円近く下がりました。一方で、中東の争いで原油げんゆ(ガソリンなどの元になる油)の値段が上がり、海運や商社しょうしゃ、資源の会社の株は上がりました。東証プライムでは1137の銘柄が値上がりし、TOPIXは少し上がっています。
アメリカで
半導体の株が下がる
➜
日本でも値段の高い
半導体の株が売られる
➜
日経平均
▼1,253円、TOPIXは上昇

水600円高がオランダの会社の決算で消えて33円安

前の日までに大きく下がっていたので、朝から買いが入り、午後には600円以上も上がりました。ところが午後2時、オランダの半導体を作る機械の大きな会社ASMLが決算を発表。中身は「予想の範囲内」で、「新しい良い知らせはもう出つくした」と受け止められ、東京エレクトロンなどがまた売られました。終わってみれば33円安。日本の金利きんり(お金を借りるときのお礼の割合)が下がって3%を割り、銀行の株も下がりました。
下がりすぎの反動で
午後まで600円高
➜
ASMLの決算が
「予想どおり」
➜
日経平均
▼33円で5日つづけて下落

木3,318円安!これまでで3番目に大きな下げ

前の日の夜、アメリカで9月の「消費者物価指数」が発表されました。物の値段の上がり方が予想より大きく、アメリカの金利がまた上がるかもしれない、という心配が広がりました。さらに、AIのための大きな計算センターを作る新しい会社のお金のやりくりに不安が出て、アメリカの半導体の株が大きく下がりました。日本でもアドバンテスト1社だけで日経平均を1,303円もおし下げ、3,318円安の6万4426円。午後には台湾の大きな半導体の会社TSMCが過去いちばんの決算を発表しましたが、日本の株はあまり反応しませんでした。そんな日でも、薬の会社(医薬品)の株は4.01%上がっていました。
アメリカの物の値段の
上がり方が予想より大きい
➜
金利の心配とAIの会社の
お金の不安で半導体安
➜
日経平均
▼3,318円、歴代3位の下げ

金898円高で7日ぶりに上がった!32業種が上昇

前の日のアメリカでダウ平均が556ドル上がり、アメリカの金利も下がりました。前の日に大きく下がった反動もあって、日本では朝から買いが入り、日経平均は898円高の6万5324円。7営業日ぶりの値上がりです。33業種のうち32業種が上がり、東証プライムの8割をこえる株が値上がりしました。でも、取りもどせたのは前の日の下げの3割ほど。お昼すぎには995円高まで上がったのに、そのあと少しへってしまいました。
アメリカの株高と
金利の低下
➜
下がりすぎた株を
買いもどす動き
➜
日経平均
▲898円、7日ぶり反発
④ 今週のことば
続落ぞくらく

株の値段や日経平均が、何日もつづけて下がることです。「3日続落」なら3日つづけて下がったという意味。反対に、下がりつづけたあとに上がることを「反発はんぱつ」といいます。

🔎 今週の日経平均は、先週の水曜日(10/7)から数えて、木曜日(10/15)まで6日続落(お休みの月曜日は数えません)。金曜日に、7営業日ぶりに反発しました。
⑤ クイズにちょうせん!

今週のできごとQ. 日経平均が3,318円も下がった木曜日。それでも33業種の中でいちばん大きく上がった業種はどれ?

こたえ:医薬品(薬の会社)! 木曜日、医薬品は4.01%上がって、33業種の中でいちばんの上昇でした。反対に、非鉄金属は10.67%、電気機器は6.13%も下がっています。日経平均が大きく下がった日でも、すべての株が同じ向きに動くわけではないんだね。

○×クイズ:正しいと思ったら○、ちがうと思ったら×!

今週のできごと1. 10月12日(月)は祝日で、東京の株の市場はお休みだった。 こたえは○。12日は「スポーツの日」。東京の株の市場はお休みで、今週の取引は火曜日から金曜日までの4日間だったよ。
市場動向2. 木曜日にTSMCが過去いちばんの決算を発表したので、日本の半導体の株は大きく上がった。 こたえは×。TSMCの売り上げと利益りえきは過去いちばんだったけれど、日本の株はあまり反応せず、半導体の株は大きく下がったままだったよ。良い成績が出ても、株が上がるとはかぎらないんだ。
DEEP DIVE

火曜日、日経平均は1,253円も下がったのに、TOPIXは少し上がった。同じ日なのに、どうして向きがちがったの?

▶ 物価指数と決算、半導体を下げた材料▶ 日経平均とTOPIXの下げ方がちがったわけ

ここから先は漢字がふえるよ(むずかしい漢字にはふりがな付き)

STEP 2 ── ふかよみ

歴代3位の下げと、7日ぶりの反発
「良い決算でも買われない」半導体株

ここから漢字が増えます(難読語なんどくご・専門用語にはふりがな)。同じ1週間を、一段深いところから見直します。

1分おさらい ── ここまでの話 今週(10/13〜10/16)は月曜が祝日で4営業日。日経平均は火曜が米半導体株安を受けて1,253円安、水曜はASMLの決算をきっかけに上げを失って33円安、木曜は米9月消費者物価指数の上振れなどで3,318円安(下げ幅は歴代3位)となり、6日続落。金曜は898円高で7営業日ぶりに反発しました。週間でおよそ3,707円(5.37%)の値下がりです。TOPIXの週間の下げは38.81ポイント(0.95%)にとどまりました。
DEEP-1 半導体株を下げた3つの材料

今週の日経平均の下げは、ほぼ半導体関連の株で説明できます。材料は日を追って3つ重なりました。1つ目は火曜。前日の米国でSOX指数(米国の主な半導体株の指数)が2.67%下げ、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、アドバンテストなど上位5銘柄だけで日経平均を約1,395円押し下げました。2つ目は水曜の午後2時。オランダの半導体製造装置大手ASMLの7〜9月期決算が増収増益ながら市場予想の範囲にとどまり、「材料出尽くし」と受け止められて、600円を超えていた上げが消えました。

3つ目が木曜です。14日に発表された米9月の消費者物価指数しょうひしゃぶっかしすうは総合で前年比3.7%と予想(3.6%)を上回り、早期の追加利上げ観測が再燃しました。同じ日に、AI向けデータセンターを手がける新興企業の社債が急落し、前夜のナスダック総合指数は511ポイント安。日本ではアドバンテスト1銘柄で指数を1,303円押し下げ、非鉄金属は10.67%安と業種別の下落率首位でした。

?TSMCは過去最高の決算だったのに、なぜ買われなかったの?

木曜の後場に明らかになった台湾積体電路製造せきたいでんろせいぞう(TSMC)の7〜9月期決算は、売上高・純利益ともに四半期として過去最高でした。それでも日本株の反応は限られ、金曜も米国のSOX指数は0.88%下げています。出典記事はこれを「作る側の数字と借りる側の値段が逆を向いた」と表現しています。AIへの設備投資そのものは好調でも、その投資を借り入れで支える側(社債)の値段が先に下がった。市場は「今の成績」だけでなく、「その成長を誰がどうお金で支えるのか」まで見始めている、という見方です。

DEEP-2 もうひとつの"ものさし"TOPIXとの比べっこ

日経平均のほかに、プロが必ず見る指数しすう(平均点)がもうひとつあります。TOPIX(トピックス)――東証プライムのほぼ全銘柄ぜんめいがらを、時価総額じかそうがくで重みづけした指数です。今週の成績を比べてみましょう。

日経平均(週間)
-5.37%
TOPIX(週間)
-0.95%

週間ではどちらも下落しましたが、日経平均-5.37%に対してTOPIXは-0.95%と、下げ幅には5倍以上の差がつきました。差が最も開いたのは火曜で、日経平均-1.82%に対してTOPIXは+0.14%と向きまで逆でした。木曜は両方とも大きく下げましたが、日経平均-4.90%に対してTOPIXは-2.38%で、TOPIXは4000ポイントを割りこみました。金曜はTOPIX+1.67%が日経平均+1.39%を上回っています。NT倍率(日経平均÷TOPIX)は先週末の約16.82倍から、金曜には約16.07倍へ大きく下がりました。

DEEP-3 因果の鎖を1段くわしく(木曜日)
米9月消費者物価指数が前年比3.7%と予想を上回る
➜
早期の追加利上げ観測とAI関連の新興企業の社債急落で、前夜の米半導体株が大幅安
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東京でアドバンテスト・東京エレクトロンなど値がさの半導体株に売り
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上位5銘柄で約2,456円を押し下げ、指数は3,318円安

木曜の押し下げ上位5銘柄はアドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、イビデン、フジクラで合計約2,456円。そのうち1,303円がアドバンテスト1銘柄です。押し上げ上位5銘柄の合計は約132円にすぎません。売買代金は10兆1401億円と約1か月ぶりに10兆円を超え、韓国の総合株価指数も急落して一時サーキットブレーカー(取引の一時停止)が発動しました。それでも33業種のうち10業種は上昇し、医薬品が4.01%高、不動産業が2.15%高、小売業が1.93%高でした。

DEEP-4 今週のことば(2つ)
消費者物価指数(しょうひしゃぶっかしすう)

家庭が買うモノやサービスの値段の動きをまとめた指数。物価の上がり方が速いと、中央銀行は利上げで抑えようとするため、金利や株価の行方を占う材料になる。今週は米国の9月分が前年比3.7%と予想を上回り、追加利上げ観測につながった。

材料出尽くし(ざいりょうでつくし)

期待されていた発表が出たことで、それ以上買う理由がなくなり、かえって売られること。今週は水曜のASMLの決算が「市場予想の範囲」にとどまり、材料出尽くしと受け止められて半導体株が下げに転じた。

DEEP-5 書いてみよう(50字チャレンジ)

Q. 火曜日、日経平均は1,253円下がったのに、TOPIXは上がった。この理由を50字くらいで説明してみよう。

解答例:「1株の値段が高い半導体の株が大きく下がって日経平均を押し下げたが、資源や商社など多くの株は上がったから。」(約52字)──「一部の値がさ株」と「市場全体」の対比が入っていればOK。原油高で海運・鉱業・卸売業が上がったことにふれても正解。
FINAL DIVE

今週は日経平均だけが大きく沈み、TOPIXとの差が一気に開いた。2本の線を重ねると、何が見える?

▶ 2本の線でわかる火曜と木曜の差▶ 先週の予告は当たった?答え合わせ

データとグラフで読む、いちばん深いフロアです

STEP 3 ── じっせん

指数の構造 ── 値がさ株が広げた「4ポイントの乖離」

最終フロア。2本の指数を重ねて描き、乖離かいりが生まれるしくみと、正解のない問いまで。学術・実務レベルの用語にはふりがなを付けています。

1分おさらい ── ここまでの結論 週間で日経平均は-5.37%、TOPIXは-0.95%。火曜は逆向き(-1.82%と+0.14%)、木曜は両指数とも大幅安だが日経平均の下げ(-4.90%)がTOPIX(-2.38%)の約2倍。NT倍率は約16.82倍から約16.07倍へ低下した。ここからは、その裏にある計算構造と、先週の予告との答え合わせへ。
F-1週間チャート ── 先週末を100とした比較
日経平均TOPIX
98969492 100 休場 乖離 約4.1pt (木曜が最大) 94.699.1 10/910/1210/1310/1410/1510/16

10/12は休場のため先週末と同じ値で描いています。火曜は日経平均が98.2へ下げた一方、TOPIXは100.1と先週末をわずかに上回り、2本の線は逆方向に分かれました。水曜はほぼ横ばい(98.1と99.8)。木曜は両指数とも急落し、日経平均93.3、TOPIX97.4で差は約4.1ポイントと今週最大に。金曜はそろって戻し、日経平均94.6、TOPIX99.1で週を終えています。

F-2仕組み ── 2つの指数の計算方法
なぜ「レンズ」で見え方が変わるのか
日経平均株価
株価平均型(225銘柄)
構成銘柄の株価を(調整のうえ)平均する。1株の値段が高い「値がさ株」の影響が大きい。火曜は東京エレクトロン(約450円分)、ソフトバンクグループ(約399円分)、アドバンテスト(約261円分)など上位5銘柄で約1,395円を押し下げた。木曜はアドバンテスト1銘柄で1,303円、上位5銘柄で約2,456円の押し下げ。
TOPIX
時価総額加重型(プライム全銘柄ベース)
会社の規模(時価総額)で重みづけして平均する。市場全体のお金の動きに近い。火曜は値上がり1137・値下がり378で、原油高を受けた海運・鉱業・卸売業などが上がり+0.14%。金曜は東証プライムの83.2%が値上がりし、+1.67%と日経平均(+1.39%)を上回った。

プロは両指数を見比べて、動きが一部に偏かたよっているのか市場全体に広がっているのかを診断しんだんする。今週は火曜が「指数だけの下げ」、水曜(値下がり892銘柄)が「指数は小幅でも中身は広がった下げ」、金曜(33業種中32業種が上昇)が「広がった戻り」の典型例だった。NT倍率が1週間で約0.75倍も下がったことは、値がさの半導体株に集中していた資金が逆回転したことを示している。

F-3先週の予告は当たった? ── 答え合わせ

前回号(10/5〜10/9)では、「13日の米大手銀行の決算、14日の米9月消費者物価指数、15日のTSMCの決算、そして日経平均が金曜の高値6万9143円を上回って始まれるか」に注目としていました。結果は、米大手銀行の決算は13日から始まりましたが、銘柄ごとの結果は出典記事に詳しい記載がありません。13日の米国市場はダウ平均が180ドル安と4日ぶりに反落し、中国のメモリー半導体メーカーの計画が伝わって半導体株が売られました。米9月消費者物価指数は総合で前年比3.7%と予想(3.6%)を上回り、早期の追加利上げ観測を呼んで15日の歴代3位の下げにつながりました。TSMCの7〜9月期決算は売上高・純利益とも四半期の過去最高でしたが、日本株の反応は限られました。日経平均は13日に前場で下げ幅が一時2000円近くに達し、6万9143円を上回ることはできませんでした(13日の始値は出典記事に記載なし)。

F-4考察問題 ── 正解のない問いへ

Q1火曜、日経平均は-1.82%、TOPIXは+0.14%と逆方向に動いた。一方、木曜はどちらも下げたが、日経平均(-4.90%)の下げはTOPIX(-2.38%)の約2倍だった。この2日の違いを、「値がさ株」「時価総額加重型」「寄与度」という語を使って150字程度で説明せよ。

火曜は半導体関連の値がさ株の下げが集中し、上位5銘柄の寄与度だけで約1,395円と下げ幅の大半を占めた一方、プライムの7割超は上昇したため、時価総額加重型のTOPIXは上がったこと。木曜は値がさ株の寄与度が約2,456円とさらに大きかったうえ、市場全体も値下がり948銘柄と売りが広がったため、両指数とも下げたが日経平均の下げが大きくなったこと──の2点が入っていれば合格。DEEP-2・DEEP-3・F-2の内容を膨らませればよい。

Q2今週、国内の長期金利(10年物国債の利回り)は水曜に2.985%と3%を割り、木曜は2.913%まで下がった。水曜は銀行業が2.61%安で下落率首位だったが、木曜は不動産業が2.15%高と上昇率2位だった。金利の低下が業種によって逆の効き方をするのはなぜか、根拠とともに述べよ(正解はない)。

材料①:出典記事は、金利の低下を「貸出利ざやの改善が遠のく銀行業には逆風、借り入れコストが下がる不動産業には追い風」と整理している。材料②:ただし水曜は不動産業も1.10%安で、金利だけでは業種の動きを説明しきれなかった。材料③:木曜は医薬品(4.01%高)や小売業(1.93%高)など、半導体と関係の薄い業種に資金が移った日でもあった。材料④:金曜は長期金利が2.930%へ上がり、銀行業は1.78%高だった。「金利が下がれば不動産高・銀行安」という公式は目安にはなるが、その日の市場全体の気分(リスクを避けたいか、買い戻したいか)や、ほかの材料との重なりで効き方は変わる。毎日の業種の並びを確かめる姿勢が大切。
F-5市場に単一の説明はない

本紙の「因果の鎖」も理解のための整理であり、実際の相場は無数の要因が同時に働いた結果だ。今週の米半導体株安を受けた下げから、ASMLの決算をきっかけにした上げの消失、米物価指数の上振れとAI関連の新興企業の財務不安が重なった歴代3位の下げ、そして7営業日ぶりの反発までを一本の筋で語ることはできても、そこには米国の利上げ観測と長期金利・国内の長期金利・海外の半導体株・企業の決算・中東情勢と原油・為替の変動・先物の売買という要因が複雑に絡からみ合っており、事後じごにすらすべてを説明することはできない。「もっともらしい一つの物語」を疑うたがう姿勢そのものが、市場リテラシーの核心かくしんである。市場に単一の説明はない。

本紙は金融・経済の学習を目的とした教材であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
出典:TBL Advisory「日経平均の概況と投資戦略」2026年10月12日(休日版)・13日・14日・15日・16日の各号をもとに再構成。TOPIXの週間騰落率は各日の終値から算出。
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