2019年2月28日の東京株式市場は反落しました。
終値は前営業日比171円35銭(0.79%)安の2万1385円16銭で終えました。
米中貿易協議について米国の高官から否定的な発言が出たことが
市場の心理を悪化させましたが、FRBのパウエル議長の会員証言が
下支えになり、方向感のない展開になった米国市場の流れを引き継ぎました。
米朝首脳会談は合意に至らず終わることで懸念が顕在化され始めています。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続落と小反発とまちまちな動きになりました。
ダウ工業株30種平均は続落して、
前営業日比72ドル82セント(0.3%)安の2万5985ドル16セント、
ナスダック総合株価指数は小幅に反発して
前営業日比5.211ポイント(0.1%)高の7554.509で取引を終えました。
前日に引き続き、上下の材料が交差し、
拮抗することにより方向感の乏しい流れになりました。
米通商代表部のライトハイザー代表が米中貿易協議について
否定的な発言をしたことで180円の下げ幅まで見せる場面がありましたが、
FRBのパウエル議長が下院証言で資産縮小を年内に停止する方向で
検討していると述べたことが下支えの要因になり、
下げ幅を急激に縮小させながら取引を終えました。
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【日本市場の動向】
日本市場は直近の上昇基調で利益確定や戻り待ちの売りが出やすい
位置まで進んだことや、米中の貿易協議に対する懸念で
小幅に売りが先行してスタートしました。
午後の大引1時間前までは前日の終値を挟んでの
小さい幅での持ち合いが続きましたが、
韓国市場、中国をはじめとするアジア勢に
軟調な動きが広がったことが意識されると
200円近くまで下げました。
下げ幅を縮小して171円マイナスで引けましたが、
米朝会談の結果が思うように進まないとの懸念も加わり
市場心理は悪化したままで終わりました。
前日まで不調だった電気機器、証券業が
本日も軟調な動きになった他、
非鉄金属、その他製品業種も売りに押されました。
東証1部の売買代金は2兆4480億円、
売買高は13億122万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1337、
値上がりは702、変わらずは91銘柄でした。
日経の日足は短い下ヒゲを持つ陰線を形成しました。
高値と安値を切り下げる明確な下げの形で、
2/25から3日に渡って上値を抑えられる動きになっていた動きから
一回下に抜け、調整入りの流れを作りました。
支持線になっていた5日移動平均線を終値で下回り、
一回ハシゴを外されたことになりました。
明日も下落する場合は75日線付近を目指すことになりますが、
1週間以内に75日線、25日線がゴールデンクロスを迎えることになり、
ここで支えられうかが次の確認ポイントです。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
世界の注目は米朝会談でベトナムハノイに集まっているようですが、
米国の国内では大きなリスク爆弾が一つ動き出しました。
下院の公聴会に出席したトランプ氏の元弁護士マイケル・コーエンさんが
トランプ氏から虚偽の証言をリクエストされたと証言したことです。
“トランプは詐欺師、ペテン師”など、世界で最も強い権力者を
あそこまで引きずり下ろしてもいいかなと心配になるくらい
赤裸々な発言内容で、モラー特別検察官に決定的な証拠が
渡された場合は、北朝鮮が持っている核爆弾に匹敵する破壊力を持って
政治、国際情勢を振り回すことになるでしょう。
核保有国同士が相互を爆撃するインド・パキスタン問題、
上記、コーエンさんの証言問題、
合意に至らずに物別れとなった米朝会談の結果など、
山積みになっている要素をすべて反映し始めるのが
今夜の米国市場。
日本への影響も大きいと思うことからディフェンシブ銘柄に資金が移動しています。
週末ということもあり、明日は一旦様子見をするのが
いいのではないでしょうか。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
21,385.16 -171.35(-0.79%)
ドル・円
110.87 – 110.88 +0.50(0.45%)
ユーロ・円
126.12 – 126.16 +0.54(0.43%)
NYダウ(ドル)
25,985.16 -72.82(-0.27%)
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