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週間展望および投資戦略2023年5月15日- 5月19日

【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】

|| 先週の振り返り

先週の日経は堅調な動きとなりました。休みの間、米国市場が弱かったことで、連休明けの8日、日本市場も軟調で200円を超える下落でスタートしました。

その後もそのまま沈むことはなく、米国市場の一進一退の展開に歩調を合わせながらも、決算結果が好調な銘柄が物色され、上昇してこの週の取引を終えました。週間では約230円の上昇、4週連続の陽線を形成して、中・長期的にも上昇を印象付けました。


|| 週末の米国市場は小動き

週末5月12日の米国市場はほぼ横ばい、ダウが小幅に5営業日続落しました。ダウ工業株30種平均は5営業日続落して、前営業日比8ドル89セント(0.02%)安の3万3300ドル62セント、ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落して、前営業日比43.764ポイント(0.4%)安の1万2284.743で取引を終えました。S&P500種も小幅の動きで続落前日比-6.54(-0.15%)の4,124.08で引けました。

3指数揃っての下落となりましたが、下げ幅は大きくなく、様子見が強い方向感なしの相場となりました。景気の先行きに対する懸念が強く、ダウは200ドル以上下げる場面もありました。

市場の懸念材料となっている債務上限問題に向けて、バイデン米大統領とマッカーシー下院議長の協議が来週に持ち越しとなったことが見通しの不透明感につながり、市場は売り買いが錯綜する様子見相場となりました。

ダウ30種平均の推移とポイント

ナスダックは年初来高値更新の好調ぶりが続く

|| 堅調ぶりが目立つ日本市場

日本市場を囲んだ環境は日本市場の優位性を目立たせています。銀行経営危機、債務上限問題で悩み深い米国経済に対して、大きな波乱要因を持っていない日本市場は注目され続け、資金の流入が続いています。

投資主体別売買動向を確認すると、3月の5週目以降、外国人の買い越しが6週連続続いています。2020年に入ってこれに並ぶのは2020年の11月1週目から12月3週目までの7週連続。

7週連続の買い越し時、日経は24,325円から26763円と2438円もの上昇幅を記録しています。反面、6週連続となる今回は28041円から28856円と815円の上昇幅に留まっています。

まだ上がる余地があると見るか、相場の推進力が2020年に及ばないと見るか、正解は存在しませんが、筆者は前者にかけたいと考えています。債務上限問題など一回幅のある調整を挟むような要因はまだまだ残っていますが、上昇のモメンタムが強くなりつつあるなかで、業績の推移も堅調ぶりが目立つことから、中・長期的な上昇トレンドは維持されるでしょう。


|| 来週は波乱要因含みの堅調を予想

まとめて考えると、来週は波乱要因を含みながらも業績好調銘柄が物色される堅調相場が続くと予想します。波乱要因は上述通り、債務上限問題による債務不履行(デフォルト)への懸念。

米議会予算局(CBO)は12日、米国が6月前半にデフォルトするリスクがあると発表、エレン長官はすでに数回に渡る警告を発してきました。もちろん、債務の上限引き上げができなければ、事態は深刻になりますが、それは本当にあり得るのか?

筆者はデフォルトの発生可能性について懐疑的な見方をしています。再選のために支持率上昇に必死なバイデン政権にとってデフォルトは命取りになりかねる要因で、決着に落ち着かせる施策を打ってくるのではないかと予想します。

決着がついた場合は、市場はさらなる上昇の動力源を得たことになるので、先週も予告した通り、30,000円を視野に入れた動きとなるでしょう。これが最良のシナリオ。

このシナリオに従う場合は、バリュー株物色の現状から、より積極的にキャピタルゲインを目指すグロース株物色に軸足が移っていくでしょう。

日経225の推移とポイント

|| 反対のシナリオにも備えよう

もう一つのシナリオはデフォルトの可能性が濃厚になること。米国市場は可能性だけでも大きく反応する地合いになっていることから、日本市場も大きく影響を受けることが予想され、景気敏感、消費関連業種には売り圧力が強くなるでしょう。

下げが深まる際は、潔くロスカットして安全な場所に移動した後、リベンジのチャンスを待つのが賢明でしょう。その際の銘柄選定はここまでの通り「業績堅調+割安」のバリュー株を中心とします。

両方のシナリオに対して有効な選定基準はインバウンド関連。日本政府観光局(JNTO)が4月19日に発表した2023年3月推計値の訪日外客数はコロナ前の2019年同月比65.8%の1,817,500人。

コロナ前の6.5割を回復しており、4月の推計値は5月17日に発表されますが、さらなる回復が見込まれます。例えば、日本航空<9201>はANA<9202>に比べて、テクニカル的にもまだ面白いところにあるので、注目してみる価値は十分あるでしょう。

日本航空<9201>の投資戦略については株式投資コミュニティの週間戦略動画で詳しく説明して配布しているので、参考になさってください。

5月もちょうど中間を回るところに突入します。GW後、目覚めた日本市場、来週も楽しみながらトレードしていきましょう。来週もよろしくお願い致します。

日本航空<9201>の株価推移と注目ポイント

*特定の銘柄を紹介していますが、利益を保証するものではありません。投資の最終判断はご自身で行い、その結果による損益もすべて自己責任であることを認識してください

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【各市場の動き】

日経平均(円)

29,388.30  +261.58(0.90%)

TOPIX

2,097.29  +14.20(0.68%)

ドル・円

135.69 – 135.71  +1.15(0.85%)

ユーロ・円

147.23 – 147.28  +0.19(0.12%)

ユーロ・ドル

1.0848 – 1.0852  -0.0081(-0.74%)

NYダウ工業株30種(ドル)

33,300.62  -8.89(-0.02%)

S&P500種

4,124.08  -6.54(-0.15%)

ナスダック

12,284.743  -43.764(-0.35%)

米10年国債(%)

3.472  +0.081

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