2015年9月9日の東京株式市場は大幅に反発しました。
終値は前営業日比1343円43銭(7.71%)高の1万8770円51銭でした。
昨日の動きで2番底入れになりそうです。
海外の株式市場が軒並み堅調であったことに加えて、
利益の乗ってきた空売りの買い戻しが加わり、21年ぶりの上げ幅を記録しました。
1,300円以上の上げ幅を見せるのは歴代6-7回くらいしか見ることができなかった
力強さですが、まだ上昇モードに戻ったとはいえない状況なので、
もう一度様子をみるように慎重な姿勢が必要です。
前日の米国市場は大幅な上昇となりました。
ダウ工業株30種平均は大きく反発し、
前営業日比390ドル30セント(2.4%)高い1万6492ドル68セント、
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりの反発で、
前営業日比128.011ポイント(2.7%)高の4811.930で取引を終えました。
中国市場が落ち着きを取り戻す動きになる中、
欧州株式相場が上昇し、
(ドイツ株DAX162ポイント高、
ロンドン株71.58ポイント高で終了)
米国市場にも買いが広がり、S&P500種株価指数上でも全10種が上昇しました。
日本株式市場は堅調な海外市場の流れを引き継ぎ、
買いが先行、331円高く始まりました。
買いを後押ししたのは為替相場で進んだ円安の動きでした。
さらに拍車をかけていたのは、東京市場に溜まっていた空売りのポジションでした。
9/8時点の売りに占める空売り比率は異例の高さである41.2%
(東京証券取引所の資料より引用)、
何かがトリガーになると、買い戻しが買い戻しを呼び込む
状況になっていました。
つまり、暴落の時と同じメカニズムです。
自動売買で売りが売りを呼ぶ暴落の発生原因のように
上げにも純粋な買いによる上げと、トリガーに引かれた
買い戻しが加わり、上げ幅を拡大する傾向があるわけです。
テクニカル的にこのような現象を「踏み上げ」と呼びます。
踏み上げの特徴は買い戻しなので、すぐに勢いがなくなり上げの原因として
長くは続かないことです。
(買い戻しをしたポジションは市場には残らないということを考えると
おのずと理解できるはずです。)
まだ警戒が必要というのは、このような意味です。
踏み上げを含まない、投資家心理が改善した純粋な買いが増えてきて
高値を切り上げることがトレンドの継続には必須条件になります。
とは言って、悲観的になる必要はないので、
多くの銘柄が出しているトレンド転換のサインに従い
買いを増やしていくことも必要ではないでしょうか。
東証1部の売買代金は概算で3兆1483億円、
売買高は27億9600万株で、久しぶりに3兆円台の商いを回復してきました。
東証1部の値上がり銘柄数は1877と全体の98%以上、
値下がりはわずか14で歴代最小の数になりました。
変わらずは6でした。
■各市場の動き
日経平均(円):18,770.51 +1,343.43 +7.71%
NYダウ(ドル):16,492.68 +390.30 +2.42%
ドル(円):120.65-68 +0.50円安 +0.42%
ユーロ(円):134.83-86 +0.51円安 +0.38%
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