ホーム » 配信情報トップ » 投資 » 2016年11月10日の日経概況

2016年11月10日の日経概況

2016年11月10日の東京株式市場は大幅に反発しました。

終値は919円84銭(5.36%)安の1万6251円54銭でした。

トランプショック(日本ではいつのまにか「もしトラ」という名前に)の

一夜明け、前日の暴落は幻のように回復してきました。

開場前、700円以上の下げを記録していたダウ平均の先物が、

実際は1.40%の上昇と、過度な懸念が後退したことを受け、

日本市場にも買い戻しを広がりました。

これからの世界も含めて、本日も最後までしっかりお読みください。

 

【米国市場の動向】

前営業日の米国市場は驚くことに続伸しました。

ダウ工業株30種平均は3日続伸して、

前営業日比256ドル95セント(1.4%)高の1万8589ドル69セント、

ナスダック総合株価指数も3日続伸して

前営業日比57.583ポイント(1.1%)高の5251.072で取引を終えました。

 

大勢の予想を覆しトランプ氏が45代目の大統領に当選したことで、

ダウ平均先物が一時5%の急落を見せましたが、

市場が始まると早くも回復、トランプ 政策の恩恵を受けるであろうと

想定される銘柄を中心に物色が広がりました。

 

インフラ関連の銘柄などには注目が集まりますが、

政治経験の少なさが懸念される不透明生は依然、残ります。

 

【日本市場の動向:ファンダメンタル】

日本市場は、前日の大暴落から、自律反発の買いに加えて、

米国市場が大きく続伸したことへの安心感から、買いが先行しました。

前日の終値より312円高く始まり、始値を下回ることなく、

一方的に上げていきました。

 

前日の米国市場で金融関連銘柄に買いが進んだことを受け、

日本市場にも保険、証券、銀行など金融関連銘柄が

上昇率トップを飾りました。

 

急激な買い戻しで、午後になると早くも利益確定を急ぐ場面も見られましたが、

その後はまたすぐ買いが入ることで、

前日の暴落分を打ち消す水準まで上げて終わりました。

 

6/24のBREXIT時には暴落幅を回復するのに2週間を要しましたが、

今回は1日で回復してきました。

これが本物の回復で、上昇基調への戻りなのかは

明日以降の動きを見ながら確かめることになります。

 

東証1部の売買代金は概算で3兆4125億円、

売買高は32億33万株で、災い転じて商いを伴って

上昇トレンド継続になることも考えられる水準です。

東証1部の値上がり銘柄数は1935と、全体の97.4%で、

前日の値下がり97%を上回りました。

値下がりは48、変わらずは3銘柄でした。

 

【日本市場の動向:テクニカル分析】

日経の日足は前日の終値から312円離れて、ローソクの重なる部分でスタート、

一方的に上昇してから少し落ち着く上ひげ付きの大陽線を形成しました。

テクニカル的な節目になる5日、25日、75日移動平均線も1日で上抜き、

明日以降の動きに期待を持たせる形となりました。

 

6/24の動きを参考にすると、回復基調に入ったものの

上下変動しながら徐々に回復、

今回もニュースに敏感に反応しながら、元のトレンドに戻ることだと予想されます。

 

【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】

前日伝えた“歴史は繰り返される(History repeats itself)”に対する

評価と反響、ありがとうございます。

“振り返ってみればそうでした。”

“落ち着いて対応できればよかったですね。”

など色々コメントを頂きましたが、まだ波乱要素が消えたわけではありません。

 

これから世界が注目するのは、米国人ですら「自分が何をやったの?」

わからないという出来事から、現実に戻ることです。

誰が大統領になろうが、人生は続くわけで、

幸せな人生を追求するという目標に変わりはありません。

2日連続で哲学的な話が続きましたが、この概況もソロソロ現実に戻すことにしましょう。

 

101円台まで進んだ円高は1日だけで戻され105円台の円安基調、

97.4%の銘柄が買われて上昇する驚異的な戻しを見せました。

各地でトランプ氏当選に対する抗議デモが起きていると報じられていますが、

これで何かが覆ることはないでしょう。

 

決まったからには前向きになるしかないですね。

「期待しなかったけど、びっくりするほどよくやってくれているよ、トランプさん!」

と言える日が1年以内に訪れることを願うのが心理的にもよいのではないでしょうか。

 

びっくりするほどよくやる、その政策に期待されて買われたのは

インフラ事業に対する期待感から建設関連、建機関連です。

また収益改善が期待される銀行株にも注目が集まりました。

 

大体の銘柄は暴落以前の値段を戻したので、

米国大統領関連の銘柄に加えて、国内要因での物色も進むでしょう。

金融関連、特にトレンドを継続・転換して来たテクニカル的に旬な

地銀(地方銀行)は中・長期的に関心を向けたいところです。

 

■各市場の動き

 

日経平均(円):17,344.42    +1,092.88     +6.72%

NYダウ(ドル):18,589.69   +256.95      +1.40%

ドル(円):  105.53-54    +2.21円安     +2.13%

ユーロ(円): 115.38-42    +0.52円安     +0.45%

 

お買い物カゴ