2016年12月29日の東京株式市場は続落しました。
終値は256円58銭(1.32%)安の1万9145円14銭でした。
米国市場が幅のある下落になったことや
為替市場でドルエン相場が円高に触れたことを受けて、
年末相場で利益を確定する動きが進みました。
午前中は200円を超える下げ幅まで見せましたが、
日銀のETF買いに対する期待や押し目買いも薄く、
下げ幅を縮小させることはできず、むしろ拡大して引けました。
いわゆる東芝ショックが市場を襲い、大納会の前日、
本日まで最後までしっかりお読みください。
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は反落しました。
休み前は3日ぶりに反発、その後、続伸しました。
ダウ工業株30種平均は3日ぶりに幅のある下落で、
前営業日比111ドル36セント(0.6%)安の1万9833ドル68セント、
ナスダック総合株価指数も反落して 、
前営業日比48.886ポイント(0.9%)安い5438.555で取引を終えました。
ほとんどの銘柄が幅広く買われ、朝方は35ドルジョス用、
2万ドルの大台に20ドルまで迫る場面がでました。
しかし、2万ドルの前に上昇を牽引してきた銀行株に利益確定の売りが進み、
他の銘柄にも売りが広がりました。
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
日本市場は前日の米国市場が下落、
ドル円相場は116円台と円高が進んだことを受け、
売りが先行、幅広い銘柄に売りが広がりました。
午前は200円以上下げる場面もありましたが、
190円安の1万9210円93銭で前場を終えました。
海外投資家の不在で商いは薄くなる中、
大納会1日前で、利益を確定しておく動きが出ました。
前日に引き続き、投資家の心理不安を増幅させた東芝に売りが継続、
午前中だけで15%安、午前中の東証1部の 売買高12億3473万株の中、
東芝1銘柄だけで4億8383万株を占める大商いになりました。
終わってみると17%の下げ、売買高は6億株を超えました。
投資家が気にする数字は2015年12月30日大納会の
19,033円、この水準を超えて引けるかです。
明日の動きが注目されます。
東証1部の売買代金は概算で2兆796億円、
売買高は22億4914万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1571、
値上がりは342、変わらずは90銘柄でした。
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は前日の終値から下離れして寄り付き、
そのまま下に進んでギャップ付きの陰線を形成しました。
前日は「テクニカル分析上はまだ「高値止まり」のところで、
上にも下にも触れる際どいところにきています。」と解説、
早速下に触れる動きになってきました。
前日まで支えになっていた一目均衡表の転換線、
ボリンジャーバンドの+1σをあっさりと割り込んでしまい、
基準線に向かって下落を始めました。
現在の基準線が18,820円付近に位置することから考えると、
明日の1日でそこまで下がることは考え難いですが、
調整は避けられない形になってきました。
【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
日経は1年の締めくくりを1日前にして、
大きな調整に入りました。
食料品・医薬品・小売などの内需関連がよく守ってくれて方ですが、
全業種にわかって幅広く売りが出ました。
前日まで煮詰まっていた流れが本日より下に触れた形ですが、
気になるのは昨年の大納会で陰線引けの後、
新年度に入って6日連続の下落、
その再現にならないかということです。
その懸念を増幅させたのが現在進行中の東芝ショックです。
新年度の動きについて考えてみましょうか。
2016年1月4日から6日続落の後、途中で戻りを挟みながらも
日経は2/12までの29日間で
-4,081円、21.45%の下落を記録しています。
トランプショックから、トランプ相場に移行して
30営業日の間に19.45%の上昇になったので、
今年大発会からの下落分くらいに相当します。
新年度相場もトランプ相場継続と予想していましたが、
東芝ショックは今年前半の悪夢を再現させる懸念を広げ、
市場は視界不良に陥りました。
明日は大納会(*)、どのような締めくくりになるか、
注目が集まります。
*大納会及び大発会
日本の証券取引所において1年間の取引の初日と最終日に行われる
催事のことをいいます。
最近は催事だけでなくその営業日自体を指す場合も多くなりました。
当日には各界からゲストを招き、手締めが行われるのが恒例で、
今年東京会場のゲストには女子レスリング選手の伊調 馨さんが
ゲストとして予定されています。
(http://www.jpx.co.jp/corporate/events/)
2009年以前は大発会・大納会は共に午後は休場になり、
当日の午後、茅場町あたりを歩くと、昼間から一升瓶を抱えて
ふらついている証券マンをよく見かけることができました。
2016年の大納会は12月30日の午後3時00分~3時20分、
2017年の大発会は1月4日の午前8時40分~9時00分です。
ちなみに大納会も国によって異なり、
お隣韓国は本日で取引最終日を迎え、1年間5.6%の上昇で
2016年の取引を締めくくっています。
【各市場の動き】
日経平均(円):19,145.14 -256.58 -1.32%
NYダウ(ドル):19,833.68 -111.36 -0.55%
ドル(円): 116.81-82 -0.69円高 -0.58%
ユーロ(円): 121.91-95 -1.07円高 -0.87%