2017年6月29日の東京株式市場は反発しました。
終値は89円89銭(0.45%)高の2万0220円30銭でした。
軒並み下落した欧州市場が反発、米国市場も急反発したことが好感され
日本市場にも買い安心感が広がりました。
高く始まった日経は130円を超える上昇幅で
年初来高値更新が目前まで迫りましたが、
上値は限定的でした。
思い切りの強気になれない市場、
本日も最後までしっかりお読みください。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【米国市場の動向】
前営業日の米国市場は大幅に反発しました。
ダウ工業株30種平均は大幅に反発して、
前営業日比143ドル95セント(0.7%)高の2万1454ドル61セント、
ナスダック総合株価指数も反発して、
前営業日比87.791ポイント(1.4%)高い6234.414で取引を終えました。
前日のドラギECB総裁の発言に対して、
複数の欧州マスコミから「市場は総裁の言葉を誤解している」との
見方を示し、金融関連銘柄への買い戻しが進みました。
米国市場もその動きを受け、金融銘柄に大幅な買いが入り、
市場をリードしました。
前日の下げた幅を打ち消すだけでなく、
金融・IT関連銘柄にも買いが入り、投資家心理が改善しました。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日本市場の動向:ファンダメンタル】
6月28日のCME日経平均先物は反発、
9月物は前日比65円高の2万0210円で引け、
28日の大取終値を70円上回りました。
SGX日経平均先物は買いが先行、3桁の上昇スタート 、
日経平均先物9月物は前日の清算値比120円高の2万265円で始まりました。
日本市場は米国市場の反発を安心材料に好調なスタートを切り、
130円46銭高い2万0260円87銭で寄り付きました。
始値の段階で年初来安値を超えてきて
これからの動きに期待を持たせる動きでした。
しかし、始値がほぼ当日の高値に近い値で、
終わりまで上げ幅を縮小させる展開となりました。
10時以降は伸び悩む動きを見せて、
始値を下回る89円高で本日の取引を終えました。
鉄鋼、その他製品、海運業など
景気敏感銘柄に買いが入り、食料品、小売など
内需型の銘柄には売りが出ました。
東証1部の売買代金は概算で2兆4419億円、
売買高は19億5041万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は1513、
値下がりは398、変わらずは110銘柄でした。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は短い上髭、中程度の下ヒゲを持つ陰線を形成しました。
始値は前日の終値より上放れしてスタート、
前日の終値を下回らずに引けたので、
実体は離れた「実体レベルでの窓あけ」になりました。
一時的ではありますが、強い動きで
年初来高値を超えたことは投資家心理を刺激するのに
十分な材料です。
陰線ではありますが、高値圏での窓開けなので
過熱気味は出始め、オシレーター系指標のRSIは74.1と
6月6日以来の高い水準まで近づいてきました。
月末で週末要因も重なる明日は
前半で売られる安いことを念頭に入れて起きましょう。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
130円高でスタートした本日は年初来高値更新で、
寄り付き直後に2万266円まで進みましたが、
材料不足でそのあとは一貫して上昇幅を縮める動き。
今ひとつ「思い切り」になれないのは
国内の政治問題に外国人が敏感に反応しているのが一つの原因です。
それを見せてくれるのが外国人の売買動向で、
6月に入って大きな数字になっています。
6月24日まで外国人は4864億円の売り越しで、
年初から5月末までの累計買い越し額7232億円に近づいています。
日本の企業業績にはほとんど不安がなく、
政治安定を材料に買ってきた外国人にとっては
加計学園問題や稲田朋美防衛相の不規則発言など
不安定な政治の動きは敬遠材料です。
今晩は米国1-3月期GDP確定値の発表が予定されており、
為替市場で円安、米国株高を押し上げるかが注目されます。
政治問題の最初の関門、東京都議選で逆風が吹いている自民党などの
雰囲気を反映して明日も様子見を決め込む動きになる可能性が高いでしょう。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【各市場の動き】
日経平均(円)
20,238.85 +108.44 +0.54%
NYダウ(ドル)
21,454.61 +143.95 +0.67%
ドル(円)
112.24-25 +0.10円安 +0.08%
ユーロ(円)
128.02-06 +0.42円安 +0.32%