2017年9月29日の東京株式市場は小幅に反落しました。
終値は前営業日比6円83銭(0.03%)安の2万0356円28銭でした。
前日の解説では「明日は月末の金曜日で、
月末+週末要因が両方入っていることから
午前は成績を確定する売りが広がる可能性もあり、
午後は早速押し目を拾って、戻してくるかが注目のポイントです。」と説明、
ほぼその通りの動きだと言えます。
また円安一服で自動車など輸出関連銘柄に売りが広がったのも
上値を抑えました。
2万円台固めに動いた今週、ここからの戦略を含め、
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は続伸になりました。
ダウ工業株30種平均は続伸して
前営業日比40ドル49セント(0.2%)高の2万2381ドル20セント、
ナスダック総合株価指数は気持ちだけの上昇幅で3日続伸して、
前営業日比0.188ポイント高の6453.451で取引を終えました。
前日は税制改革案への期待から上昇したタイミングで
利益確定が出やすい上に、新たな材料は出ていませんでした。
それでも上昇を続けたのは長期金利の高値圏推移を受けて、
金融株が買われたことが市場を支えました。
利益確定を急ぐ動きが上値を重く抑えましたが、
アマゾン・ドット・コム、アルファベットなどの
一部の銘柄に買いが集中することが指数を支えました。
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【日本市場の動向:ファンダメンタル】
シカゴのCME日経平均先物は反落して、
12月物は前営業日比60円安の2万0330円で引けました。
大阪取引所の終値を60円位下回りました。
前日の終値で2年1ヶ月ぶりの高値を記録した反動で
利益確定を優先する動きになりました。
SGX日経平均先物も売りが先行、
80円安の2万300円で寄り付きました。
日本平均は為替市場の円安傾向が一服したことを受け、
自動車など主力・輸出関連銘柄に売りが先行、
47円安の2万0315円34銭で寄り付きました。
9/25の年初来高値を更新したスタートでしたが、
高値圏では利益確定の売りが出ることで上昇幅が縮小、
58円高の2万0325円で午前中の取引を終えました。
自動車・石油など、直近上昇が強かった円安恩恵の
銘柄に売りが広がり、安値圏で推移しましたが、
下値では買い支えが入ることで、47円安の2万0315円34銭まで
戻して午前中の取引を終えました。
午前中にうりが一服した後は、午後から機関投資家からの買いがみられ、
上昇に転じる場面も見られた後、
6円安で今週の取引を終えました。
商いは盛り上がり、3兆円に迫りました。
東証1部の売買代金は2兆9564億円、
売買高は17億3136万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は1067、
値上がりは847、変わらずは115銘柄でした。
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【日本市場の動向:テクニカル分析】
日経の日足は下ひげを持つ短陽線を形成しました。
高値と安値の位置から判断する場合、
前日から切り下げているので、形上では下落、
9/19から形成されている高値圏での持ち合いの中にいます。
安値では一目均衡表の転換線で支えられ、
「トレンドが継続する際は転換線が目安」という事実をみせつけてくれました。
雲の外、遅行線は日足のはるか上、
転換線も基準線のはるか上、三役好転は強い状態で続いています。
17営業日後に変化日が用意されていますが、
高値圏から急激に下げない限り、
波乱要因に巻き込まれる可能性は低いと見ます。
乱高下する動きを反映して、週足は高値を切り下げ、安値は切り上げる
迷いの陰線を形成、持ち合いが続いていることを示しています。
明確な方向性よりは、乱高下の中でも2万円を固めたことに
意義を置くのが妥当だと判断すべき一週間でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
前日は政策関連で市場が影響を受け、
電気・ガス業が原発ゼロを政策の影響で、
下落率トップ業種に入ったと伝えました。
本日のトップは鉱業になったものの、電気・ガス業は相変わらずの低調ぶりで、
下落率で2位です。
潰れることはないとしても、選挙期間中は白熱するにつれて
荒い動きが続く可能性が高いので、
安定した動きに投資するのが好きな投資家は避けた方が賢明でしょう。
来週の日本株は週前半で持ち合い、週後半に下落を予想しています。
注目する材料は2つ。
国内では週前半に良品計画(7453.T)、イオン(8267.T)、
しまむら(8227.T)など小売企業の決算発表が相次ぎます。
小売大手の決算発表結果により個人消費の動向がわかることや、
上方修正への期待が集まります。
もちろん、思うような動きが出ない場合は、
高値圏からの調整入りも考えられます。
次の材料は地政学リスクの再現です。
10/10は朝鮮労働党創建記念日で、
その前後にリスクを高める行動を起こすことは考えられます。
「それがどうした」のような耐性ができたように見える日本市場も
外国人が買い越ししてきたポジションを手放すようだったら
大きな調整は避けられません。
注目する業種は今週の上昇率上位を締めていた
空運、建設、水産・農林、繊維など為替の影響を受けにくい業種で、
避けるべき業種は上述した通りです。
調整入りか、上昇継続か、際どいところに立っている
日本株、来週も緊張感を緩めず、楽しんでいきましょう。
よい週末を!
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【各市場の動き】
日経平均(円)
20,356.28 -6.83 -0.03%
NYダウ(ドル)
22,381.20 +40.49 +0.18%
ドル(円)
112.42-43 -0.40円高 -0.35%
ユーロ(円)
132.62-66 +0.01円安 +0.00%