2018年3月8日の東京株式市場は反発しました。
終値は前営業日比115円35銭(0.54%)高の2万1368円07銭でした。
前日に緩和されたと認識された貿易摩擦に対して
さらに警戒感が一服したことで上昇しました。
円高基調が一服して、105円台の後半に戻ったことも
支援材料の一つになりましたが、まだ乱高下の中なので
安定した動きになったとは言えません。
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は3 営業日ぶりに反落しました。
ダウ工業株30種平均は3 営業日ぶりに反落して
前営業日比82ドル76セント(0.3%)安の2万4801ドル36セント、
ナスダック総合株価指数は4日続伸して、
前営業日比24.642ポイント(0.3%)高の7396.649で取引を終えました。
経済政策の中心だったNEC(国家経済会議)のコーン委員長が
辞意を表明したことが、米国市場の戻りモードに水を差しました。
米国の政局運営に不透明感が高まったことが嫌気されたほか、
国際協調を重視した政策を進めてきたコーンの辞意により、
保護主義の深化を警戒する投資家心理が悪化して
市場の重荷になりました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国市場が反落しましたが、
下げ幅が大きくないこと、鉄鋼株が売られ過ぎを示したことで
売りが先行しました。
上げ幅を200円以上に拡大する場面もありましたが、
米国の政局運営に対する不透明感、
追加関税の先行きに対する懸念が次第に上値を抑えました。
午後に入ると上値はさらに重く、
上げ幅を打ち消してから、マイナスに転じて本日の取引を終えました。
医療、精密機器、電気機器などが買われましたが、
ゴム、化学、小売などのセクターが売りに押されました。
日経の日足は下ひげを持つ短陰線を形成しました。
高値が前日の高値をわずかに超えたものの、
日足全体が前日の日足のヒゲに収まる形で、
明確な上昇というより、持ち合い継続、
または乱高下中の休憩だとみられる形です。
また、勢いよくスタートして、後半に失速する動きを
繰り返すことで上昇してもその強さ
持続性には疑問が保たれます。
先週末続いている持ち合いの中を抜け出すにまでもいたってないので、
まずはこの領域を上に抜くことが市場回復の前提になります。
東証1部の売買代金は概算で2兆5017億円、
売買高は12億2576万株でした。
東証1部の値上がり銘柄数は938、
値下がりは1042、変わらずは90でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
前日は企業不祥事に関して少しアツク語りました。
「日本の企業がいやですか?」という質問がきたので
誤解されている部分に気づきました。
答えはその反対です。
日本の経済、企業に愛着を持っているので
企業の不祥事に対してもこれだけいうわけです。
自分の子供や甥っ子が悪いことをした時を
思い出したら同じことが言えます。
その子が可愛いからと言って、何も言わずにほったらかしたら
まともな成長はできないでしょう。
さて、相場の話に戻りましょう。
絶好の乱高下の中で、不確実性が高まってきました。
明日は雇用統計が予定されていますので、
積極的に買い上げる動きにはなりにくくなるでしょう。
また、貿易摩擦、米国の政局運営に対する懸念は
すぐに解消される問題ではないので、
まだ不安定な動きは続くでしょう。
いつでも下に叩かれる準備はできている位置なので、
短期的な買いと、空売りに関しても常に保持ポイントを決めておいて
注文を出しておくのがよいでしょう。
マザーズ市場の戻りが強いので、
<6192>ハイアス・アンド・カンパニーあたりは
短期的に反発、利益確定で注目しても良い銘柄の一つです。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
21,368.07 +115.35(0.54%)
NYダウ(休場)
24,801.36 -82.76(-0.33%)
ドル・円
105.97 – 105.98 +0.26(0.24%)
ユーロ・円
131.43 – 131.47 +0.27(0.20%)
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