2018年6月22日の東京株式市場は続伸しました。
終値は前営業日比176円21銭(0.78%)安の2万2516円83銭でした。
米国と各国の貿易摩擦が深化、ダウが8日続落したことに加え、
急激な円高の流れが投資家心理を悪化させました。
輸出関連銘柄は厳しい動きになる一方、
内需関連セクターに注目が集まりました。
来週も神経質な動きが予想される中、
本日も最後までしっかりお読みください。
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【米国市場の動向】
米国市場は8日続落しました。
ダウ工業株30種平均は8日続落して
前営業日比196ドル10セント(0.8%)安の2万4461ドル70セント、
ナスダック総合株価指数は反落して
前営業日比68.563ポイント(0.9%)安の7712.952で取引を終えました。
米中間の貿易摩擦が世界に広がる様子です。
今度は米国VS インド、
米国の鉄鋼・アルミニウムへの関税発動に対し、
トルコが3億ドルの報復関税を発動、
インドが新たに報復関税をかけると示したことが
投資家心理を悪化させます。
22日には石油輸出国機構(OPE)の総会が予定されているので、
その結果を見極めたいとの心理も強く市場を支配しました。
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【日本市場の動向】
日本市場は米国と各国の貿易摩擦が広がることを嫌気して
売りが先行してスタートしました。
輸出関連銘柄を中心に売りが進み、
週末に備えて、ポジションを調整する投資家の売りも加わり、
5業種以外はすべての業種が下落しました。
貿易摩擦への懸念が為替市場に波及、
109円台に進んだ急激な円高傾向も
市場を萎縮させる要因となりました。
特別に止まる要因は見当たりませんでしたが、
13週、26週の移動平均線が位置するところまで
売られると、下げ幅を縮小しながら今週の取引を終えました。
日経の日足は上下ヒゲを持つ短陽線を形成しました。
25日線を抜けるように見えましたが、
再び抵抗にあって下がった形で、
6/12,6/21の連続で高値を切り下げたことになります。
一方、安値は5/30から6/20へと切り上げて、
まとめてみるとに等辺三角形の三角持ち合いを形成、
上か下か、迷いを表す流れになりました。
週足では2週連続の陽線から陰線に転換、
26週移動平均線を挟んで、狭い範囲で推移
やはり迷いが強いことを表しています。
東証1部の売買代金は2兆6688億円、
売買高は15億9404万株でした。
東証1部の値下がり銘柄数は990、
値上がりは1035、変わらずは66銘柄でした。
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【日本市場の総合分析: 今後の投資戦略】
前日は主力銘柄の一部に買いが入ってくるので
「敬遠していた大型・主力銘柄に、転換の買いを検討して
みるのがいいでしょう。」と解説しましたが、
本日は急激な円高により、輸出関連は徹底的に嫌われました。
上昇か、下げ幅を限定的な範囲で守った業種をみると
水産・農林業、倉庫、陸運、小売など
面白いほど内需・ディフェンシブ銘柄が続けて愛されています。
貿易摩擦に対する動きが沈静化するところか
範囲を広げる一方なので、
来週も根本的な解決策が見られない限りは
一進一退を繰り返す方向感のない動きが続くと見られます。
主なスケジュール上でも来週にわたって
住宅関連、個人消費関連指数の発表が予定されているので、
その結果に神経質に反応する動きになりやすいでしょう。
6月の最終週ということで、7月6日の追加関税発動に向けて
最終交渉に入ることも、
積極的に買いを進めるには難しい環境になるでしょう。
戦略は空売り銘柄が下げ止まるようだったのが
再び下げ継続なので、利益を伸ばす方向に。
買いでは主力銘柄も力を発揮できない流れなので、
注目してきた内需・ディフェンシブセクターを
引き続き中心としたいところです。
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【各市場の動き】
日経平均(円)
22,516.83 -176.21(-0.78%)
NYダウ(休場)
24,461.70 -196.10(-0.79%)
ドル・円
109.98 – 109.99 -0.55(-0.49%)
ユーロ・円
127.69 – 127.73 -0.12(-0.09%)