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2023年 5月31日の日経概況

【市場総括】

2023年5月31日の東京株式市場は5営業日ぶりに反落しました。終値は前営業日比440円28銭(1.41%)安の3万0887円88銭。米国市場がまちまちな動きで材料が乏しいところ、中国の景気関連指標が市場予想を下回り売りを呼びました。円安の動きも一服、下げ幅は500円を超える場面がありましたが、押し目を買う動きも入り、下げ幅を縮小させながら終わりました。

本日も最後までしっかりお読みください。


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【米国市場の動向】

米国市場は連休あけで反落と続伸、横ばいのまちまちな動きとなりました。ダウ工業株30種平均は反落、前営業日比50ドル56セント(0.2%)安の3万3042ドル78セント、ナスダック総合株価指数は3日続伸、前週末比41.738ポイント(0.3%)高の1万3017.426、S&P500指数は+0.07(0.00%)の4,205.52でひけました。

リッチモンド連銀のバーキン総裁を含むFRBの高官からはインフレ懸念、利上げの継続に関する発言が続き、市場には警戒心が強く残っています。債務上限問題も合意に至ったものの、合意案が31日に下院で採決される見通しの中、両党の中で不満を持つ議員が一定数いるのが不安要因として残っています。

好調な業績に続き、新製品の発表などで市場からの注目が続くエヌビディアの上昇が続き、ハイテク関連の多くが連れ高、ナスダックは上昇が続きました。この日、エヌビディアは3%高で、一時的に時価総額1兆ドルに乗せる場面がありました。


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【日本市場の動向】

日本市場は 米国市場がまちまちな動きで材料が乏しいところ、中国の景気関連指標結果が売りを呼びました。中国の5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月比0.4ポイント低下の48.8、市場予想を下回りました。

前日までに4日続伸し、バブル崩壊以来の高値を更新し続けたことで、利益確定売りが出やすいタイミングに来ているのも売りの要因となりました。

保険業、空運業の2業種のみが上昇、その他31業種は全て下落しました。 下げ幅は限定的だったのは内需系で食料品、不動産業、水産などの下げ幅は1%未満のものが目立ちました。

下げが大きかったのは原油関連及び素材系の景気敏感株でした。鉱業、石油が下落率3、4位を占めて、鉄鋼、非鉄金属、パルプ、機械などのへ素材型企業も幅のある下げを記録しました。


【日本市場のテクニカル分析】

日経の日足は 上限髭を持つ陰線を形成しました。前日の終値から下放れしてスタート、そのまま下げたので下向けのキャップを開けました。高値と安値は切り下げて、形でも明確な下げで、調整に入る流れが鮮明になりました。

RSI、ストキャスティクスなどオシレーター系指標がついに割高圏からおりて、70を割るところまで進みました。本日の下げで、 下に向かったのトレンド転換が成立したので、先物の空売りには適切な形です。

ただし、30,400円以前には強いサポートラインが存在しますので短期勝負が適切でしょう。 ここまでの上げ幅が大きかった分、調整に入ると荒い動きがしばらく続く可能性は充分あることなので、落ち着いて対処するようにします。

株価指数の構成銘柄の入れ替えに伴う売買が膨らみ、商いは大幅な上昇。2022年4月の市場再編以来では最大を記録しました。東証プライムの売買代金は6兆9552億円、売買高は25億8648万株。値下がり銘柄数は1571、値上がりは230、変わらずは34銘柄でした。


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【世界市場の総合分析: 今後の投資戦略】

前日は調整入りについて色々考えていると、見事に裏切られて再び上昇に転じたということを伝えました。前日に考えていたことがすべて本日に現れたという感じの下げでした。

ここまで上げてきて、バブル崩壊後の高値を連日で更新してきたので、スピード調整があるのは想定すべきことですが、今回のようにそれがいつになるかは全く予測がつかないのが事実です。

前日はシナリオをわけて、各シナリオ別の動きを予想しましたがそれがミックスで現れたというのが今日の相場をみて感じたことです。米国市場は債務上限問題の基本合意に対して驚くほど薄い反応を示し、3指数揃っての上昇どころか、3指数がばらばらの動き。

ここまで織り込みが進んできた日本市場がそれをみて利益確定の売りを出すのは決まった手順で、そこに中国のPMIが市場予想を下回ったことが加わり、株式市場を後押ししてきた円安基調もここにきて一服したことはさらなら売り圧力となりました。一時、500円を超える下げ幅になったことも納得。

明日からは6月の相場に入ると共に、6月2日夜に発表される米国の雇用統計結果に対する様子見ムードに入ります。米国市場は債務上限問題に対してまだ警戒心が強い状況ですが、無事に採決されると共に、雇用統計の内容が無難な場合は上昇のエンジンを再び装着することになります。

前日は「東京エレクトロ、SUMCO、信越化学、レーザーテックなど半導体を代表する銘柄が一斉に調整に入ったことには注意が必要です。」と解説、やはり調整が深まる動きにつながりました。明確な反転が見られるまでは空売りポジションは保持するも金曜日は一回利益確定を考えることにしましょう。


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【各市場の動き】

株式指標

日経平均(円)30,887.88-440.28(-1.41%)
TOPIX 2,130.63-28.59(-1.32%)

為替

ドル・円 139.86 – 139.88-0.39(-0.27%)
ユーロ・円 149.15 – 149.16-0.78(-0.52%)
ユーロ・ドル 1.0662 – 1.0664-0.0028(-0.26%)

海外株式

NYダウ工業株30種(ドル) 33,042.78-50.56(-0.15%)
S&P500種4,205.52+0.07(0.00%)
ナスダック13,017.426+41.738(0.32%)

債券・金利

米10年国債(%)3.690-0.114
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